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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第四章 分裂
55/71

55.一難去って……

「魔王軍襲撃! 冒険者はただちに北門に集合してください! 緊急事態です!」

 スピーカーがけたたましく敵の到来を告げる。

 俺は影を進み、あっという間に北門に到着する。

 敵は、猛スピードで町を目指す、騎兵隊であった。

「アンデッドナイトです。どうやら魔法が使えるものも混ざっているようなので、警戒してください」

 ギルドの人は慌ただしく指示を出している。


 おっと、このままだと三城が死んでしまう。

 今何を言っても誤解だと言われてしまうので、現行犯で捕まえるのがいい。

 奴らの攻撃を防げるよう、俺は三城の近くに移動する。

「攻撃、始め!」

 ハンドンの指示に、俺たちは魔法を放つ。

 向こうからも魔法が飛んできた。

 鋭い光線が、辺りに降り注ぐ。

 芹沢らの動きはない。


「後ろの魔法隊を重点的に攻撃して! 衛士(プロテクター)たちはアンデッドナイトの攻撃に備え!」

 さらなる攻撃が飛び交う。

 ついにアンデッドナイトが衛士たちと衝突した。

 馬に乗ったアンデッドナイトは圧倒的に有利で、衛士たちは蹴飛ばされ、戦線はあっという間に突破されてしまった。

剣士(ソードマン)、盗賊は防御を! 魔術師(ウィザード)は後ろに後退!」

 ハンドンが指示を出す。

 これは困った。俺が下がると、三城はたぶん死んでしまう。


「剣が降ってくるぞ! 備えろ!」

 上を見上げると、短剣やダガーが雨あられと降ってくる。

「神埼! テレキネシスで打ち返せ!」

「了解!」

 俺は近くのものを片っ端から向こうに投げ返す。

 そのうちに、アンデッドナイトたちも倒され、戦闘は終わった。

 結局、三城に魔の手が迫ることはなかった。


 もしかしたら、俺が近くにいたので諦めたのかもしれないな。

 少しほっとして、皆とともに城壁内に戻る。

 町には、再び平和が訪れた。

 俺は、念のため芹沢を尾けていく。

 だが、夕暮れ時になっても、芹沢に怪しい行動は見られなかった。

 ギルドで報酬を受け取った後は、他の冒険者と同じく、雑多なクエストをこなしていた。


 三城が街道を歩いてくる。

 路地にいた芹沢は、やにわに左手を掲げ、人差し指のみを立てる。

 何かのサインか!? 俺は周囲を見渡す。

 だが、怪しい行動をする者はいなかった。

 拍子抜けして、再び芹沢に目線を戻すと……。

「うが……」

 芹沢は、不死者(アンデッド)と化していた。


 まさか、アンデッドとして襲えば、ただの事故として処理されるという考えか!?

 なんて自己犠牲的。

 だが、アンデッドは大して素早くない。さっさと殺してしまえば──。

 その時、芹沢が全速力で走り出す。

 なっ!? 俺は一瞬遅れて、影から出て、後を追う。

 芹沢は、三城に飛びかかった。

「ひゃあああっ!?」

 三城の悲鳴が響く。


「はあっ!!」

 俺は魔法の杖で芹沢を殴りつける。

 芹沢はよろめき、二、三歩後退する。

「テレキネシス!」

 俺は一旦三城を空に浮かし、避難させる。

「えっえっ、何!?」

 まだ状況を理解していないらしい三城の声が空から聞こえてくる。


「うわっ、アンデッドだ! 逃げろぉっ!」

 周りの人が逃げ出す。

「任せろ! 空撃槍(フリーゲンランス)!」

 そばにいた若山が、芹沢の心臓を貫いた。

「誰か、ギルドの人を呼んできて!」

「ここに副隊長がいるんだが!?」


 かくして、芹沢の陰謀は防がれた。

「ああん、怖かったぁ〜〜!」

「……はいはい、怖かったですねぇ、もう大丈夫ですよ」

 三城を空から下ろしてやると、相当怖かったのか泣きついてきた。

 それをあしらいつつ、やってきたギルドの人に状況を説明した。

 街中に突然現れたアンデッドを倒しましたと言ったら、納得してくれた。

 芹沢アンデッドの死骸は、ギルドの人が運んでいってアンデッド墓地に埋葬された。

 アンデッドにも前世があるので、他のモンスターと違い、埋葬されるらしい。



 後日。

「はあ、ベルクの援助が適当だったんじゃないの? せっかくアンデッド化させてもらったのに」

「はあ!? 私はちゃんとやったわ!」

「まあまあ2人とも落ち着きなさい。今は仲間が死んで悲しいふりをしておかねば」

「……そうですね」

 床下は、今日も騒がしい。

 とりあえず一難は去ったというものの、また襲われたりしないだろうか……?

「Mも警戒するでしょうし、これ以上の追撃はやめましょう。さすがに怪しまれる」

 大丈夫そうだな……? 俺は半ば安心、半ば不安ながらギルドに戻った。

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