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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第四章 分裂
48/71

48.リザードマンと戦いました

「それで、パーティーに入れてくれたりは……」

「いいぞ。『通信』なんて便利な能力、雇わない手はなかろう」

 次の日、俺は山口に会いに行った。

 そこで彼をパーティーに入れてやった。

 もっとも、裏ですることは色々とあるが。


「おお山口、帰ってきたのか」

「ただいま。これからもよろしくな」

 メンバーからの評価も悪くない。

 昼前には手続きを済ませ、彼は正式にパーティーの一員となった。


「よし、とりあえずクエストするか。なんかいい奴ないかな……」

 俺たちは掲示板に出向き、いいクエストを探す。

「おっ、こんなのはどうだ?」

 嬉々として山口が指差すクエストは。

『リザードマン軍の討伐。魔王軍に関与の可能性あり。報酬60000カラン』

「ほう。なかなかいいんじゃないか?」

 俺はその紙を掲示板からはがし、カウンターに持っていく。

 受理され、俺たちはクエストに出発した。


「おおすげえ! やっぱ魔法は便利だな!」

 今回は転移魔法を使った。

 リザードマンが目撃された村まで一瞬でついた。

「おお、あなたたちがアルトからいらっしゃった冒険者ですね。お待ちしておりました」

 村長らしき白髭の男性が近づいてきて、声をかけてきた。


 リザードマンとは、トカゲと人間の合いの子みたいな魔物。

 亜人の一種だが、エルフやドワーフと違い、見た目が人間ぽくないため、迫害され気味らしい。

 この通り、国によっては亜人とすら認められず、魔物として討伐対象になっている。

 実際、リザードマンは国を持たず、森に潜伏して暮らしている。

 中には魔王軍に入り、他の亜人や人間と戦闘するものまでいる。

 そういう何だか可哀想な種族なのである。


「トカゲ野郎が攻めてきたぞ! ぶっ殺せ!」

 遠くから怒号が響いてくる。おそらくこの村の防衛隊だろう。

「おい、集まれ! 規模がでけえぞ!」

 さらに慌てたような声が聞こえる。俺たちは老人に促され足早に向かった。


「聞け! 我々はリザードマン、この森を統べる者である! 人間よ、我々を迫害したことを後悔させてやる!」

 リザードマンの首領らしきものが、村の入り口に立ち、声を張り上げる。

 その後ろに控えるのは、数百の軍勢。

「へっ、たかがトカゲ風情が何をほざく! 返り討ちにしてくれるわ!」

 村の若者が剣を構える。


「山口、この場の全員に通信をかけろ。連携して倒す」

「……分かった」

 一拍おき、頭に山口の声が響く。

(皆さん、タイミングを合わせて突撃します)

「なっ、何だ!? 頭の中に声が……」

 村の人々はうろたえるが、すぐに構え直す。

 (突撃!)「突撃!」

 山口とほぼ同時に、リザードマンの首領も声を上げる。


「テレキネシス!」

 俺は刀を飛ばし、突っ込んでくる敵の一匹を倒した。

「怯むな! 進めっ!」

 リザードマンと人間が衝突する。

 リザードマンは手に持った三叉の槍を駆使し、次々と村人にダメージを与える。

 しかし村人たちも刀で応戦する。


「我が名はレプティール、リザードマンの首領にして、復讐の使命を背負う者!」

 首領は槍を高々と掲げ、名乗りを上げる。

「人間よ、我々を侮ったことを後悔するがいい……雷雨(コール・オブ・)招来(サンダーストーム)!」

 レプティールが叫ぶと、槍から稲妻が空に昇り、空はたちまち黒い雨雲に覆われる。

「いかん、逃げろ!」

 村長は叫ぶ。村人たちも慌てて村の方へと走っていく。


「突撃!」

 レプティールの一声に、リザードマンたちは突進してくる。

 先ほどより明らかに素早い。

「奴らは水で力を得る。この状況ではこちらが明らかに不利です、撤退しましょう」

 村長が俺たちを促す。


「ふうん、水ねえ……『火炎旋風』」

 リザードマンたちの前に、巨大な火の壁を作る。

 魔力を上手いこと操作すれば、こういうこともできるのだ。

 リザードマンたちは怯み、立ち止まる。

「進めーっ! 炎を越えればたちまちこちらが有利になる!」

 レプティールの一声に、リザードマンたちは覚悟を決めたように突っ込んでくる。


「『火炎旋風』」

 炎が一気に広がる。

 リザードマンたちは、苦しそうに呻いた後、必死で撤退していく。

 村人たちがどよめく。

「くそっ、次はないと思え!」

 レプティールの捨て台詞は、雨に掻き消されて消えた。

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