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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第四章 分裂
43/71

43.分裂と再結成

「俺はパーティーを抜ける」

 次の日、俺たちが言われた通り席に着くと、呼びかけた本人、芹沢は言った。

「毎回毎回、衛士(プロテクター)の俺を囮に盾に使い潰し、褒められもしない。そんなんねえよ」

 芹沢は吐き捨てるように言う。

「そんなこと、そっちのパーティーの問題だろ? なんで俺らまで呼ばれんだよ」

 泊が言った。こちらのパーティーは、口々に時間の無駄だ帰らせろと愚痴を言う。


「辞めたいって思ってんのは俺だけじゃないはずだ。何も全員店員や農家になろうってんじゃない。もっと待遇が良くて安全なパーティーに移ろうぜ」

 芹沢が呼びかけると、皆は顔を見合わせる。

「俺も抜けるぞ。戦ってないからって報酬の分け前減らされてんだよ。俺が情報を伝えなきゃ危なかったところもあるのに」

 山口はそう言いながら立ち上がる。

「モンスターを殺す生活なんてもうできないよ、ノイローゼになりそう」

 城戸は頭を押さえながら立ち上がった。


 おやおや、向こうのパーティーは大変そうだな。そう思っていると。

「正直言って、俺も飽きたわ。モンスター討伐なんて大人に任せりゃいい」

 泊も立ち上がり、大きく伸びをした。

「俺も」「私も」

 気づけば、半分ほどが立ち上がっていた。

 へードル戦の時、冒険者たちを激励した泊と榎田。

 ゾンビと化したあの4人を、慈悲の魔法で浄化した千曲も。

 気持ちはわかる。たかが子供に魔物を倒させようってのが不可能な話だ。


「抜けたいなら勝手にすればいいさ。残った人でパーティーを統合すれば十分やっていける」

「ええ!? ちょっと神埼くん、いいのそれで?」

 俺が言うと、日比野が諫めてくる。がそんなことは気にせず。

「いいよなそっちも? えーと、リーダーは誰だったか」

「俺だよ。まあいいんじゃないか? 強制するのも良くないし」

 井川は返す。

「じゃ、話は成立だな。はい、あんたらはギルドに行って脱退手続きしといで」

 脱退組を追い出し、ここに新パーティーが結成した。



 加入者、全10人。

 荒川(魔術師(ウィザード))、井川(魔術師)、石川(賢者)、神埼(魔術師)、玖珠田(修道士(プリースト))、

 立川(弓使い(アーチャー))、野口(剣士(ソードマン))、日比野(賢者)、三城(盗賊)、若山(槍使い(ランサー))。


「さて、と。面倒くさいし、一旦両方廃止してからパーティー作り直すか?」

「そうだな。んじゃリーダー決めようぜ。神埼がリーダーなのか?」

「え? いや、私だけど、いちおう」

 井川と話していると、日比野が割り込んできた。

「実質俺じゃないか? 迷宮の時も指示出してたの俺だし」

「めんどくさい書類とか書いてるのは私だよ!」

「あーはいはい。じゃここは3人でじゃんけんして決めよう」

 結果。


「ここに代表者のサインをお願いします」

「はい。……これでいいですか?」

「カンザキさんですね。では、パーティー結成届は受理されました」

 俺になった。

 なんだか主人公ムーブかましてるが、まあ謙虚に行くこととするか。


「ちなみに、お前らレベルはどんくらいなん? 俺は29」

 と井川が言った。

「俺は26だ。やっぱ剣士はレベル上がりやすいよなぁ」

「12。まあ修道士だししょうがないよね」

 どうやら皆結構上がっているようだ。ちなみに俺は27。

 ……リーダー、同職業にレベル負けしました……。



「よし、じゃあ早速クエストするか」

 そう言って掲示板を眺めると……。

『ヘーレ迷宮の損壊した壁の補修。1人5000カラン』

 ん? これ俺たちのせいだな……。まあいっか産業生み出してるわけだし。

『ケルベロスの変異種、ヘルフントの討伐。300000カラン』

 これは無理。そう思うと……。

「おっ、討伐クエストか。これいんじゃね?」

 と井川がその紙を取る。

「お前正気か? 三十万だぞ、危険すぎる」

「え? これくらい普通にやってたが」

 道理で不満が溜まるわけだ。


「はい集合。向こうのパーティーは結構危ないことしてたみたいだが、俺はそういうのはあまり好きではない。とにかく、安全第一でクエストをこなす。いいな?」

「天国だ! もうモンスターの炎を体で防がなくていいのか!」

「建築スキルを悪用される毎日におさらばだ!」

 ……。

 俺は井川をじっと睨んだ。

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