38.王国への帰還
目を開けると、ドーム状の天井に吊り下げられた豪奢なシャンデリアが目に入る。
「おお、お目覚めですか」
声のした方に目をやると、老いたエルフが深々と礼をしていた。
ああ。魔力を使い果たして倒れた後、議会に運ばれてきたのだろう。
「あなた様のおかげでオークの侵攻を食い止めることができました。本当にありがとうございます」
老エルフが再び礼をすると、周りにいたエルフたちも頭を下げる。
「いえいえ、大した活躍もしていませんよ」
「何をおっしゃられる。残っていた1000頭のオークを一網打尽にしたではないですか。あのような芸当、私は見たことがありません」
どうやら、俺が最後に放った火炎旋風が、敵を全滅させていたようだ。
「では、今回のご活躍に、報奨金をお渡ししたいと思います」
立ち上がった俺に、老エルフは言った。
「こちらが報奨金、1000000カランになります」
「百万!? そんなにいただけませんよ」
「このレーゼンの市民はみな、あなたに感謝しております。これはその気持ちと思い、どうぞ受け取ってください」
「そうですか……。ではありがたく頂戴いたします」
俺は金を受け取った。
「それで、うちのパーティーの人たちはどこに?」
「ああ、彼らは宿でお休みになっています。明日にはここを出立なされるとのことで」
「そうですか。では私もそちらへ向かいます」
そう言うと、老エルフは宿への道順を教えてくれた。
その通り向かうと、確かに宿があった。
名前を告げると、部屋を案内される。
俺は部屋に入り、眠りについた。
起きて広間へと向かうと、皆が俺を歓迎した。
「やったな神埼! お前すげえな!」
「いやあ、俺は予想してたぞ、いつかお前が大物になるって」
「そりゃどうも」
その後、俺たちは朝食をとり、速達馬車に乗った。
たった2日の、短い西エルフ国への旅は終わった。
さて、俺の今のステータスを見せておこう。
氏名: カンザキ シグレ
種族:人族 性別:男
年齢:13 レベル:25
職業:魔術師 属性:火属性
HP: 830/1000
MP:5490/10000
攻撃:22 防御:18
知力:30 敏捷性:20
幸運:10 器用さ:16
経験値:20
習得済み魔法:炎魔法 小火、火球、火弾、火焔
風魔法 旋風、ウィンドシールド、風刃、台風
鋼魔法 刀剣生成、腐食
闇魔法 テレキネシス、シャドウエーテル
合成魔法 不知火、煙霞、火焔旋風
特殊能力:魔力10倍
嵐轟く城内に、2つの声。
「申し上げます、閣下。西方のエルフ国へ遣ったオーク軍が、全滅しました」
「何? お前の見立てでは、圧倒できる戦力差があるということだったではないか」
「エルフ国軍だけならば、そのはずでした。どうやら、人族の国が派遣軍を出したようで」
「人族だと? 魔力も少なく、力もない弱小種族にいったい何ができたのだ」
「分かりませぬ。ただ分かっているのは、我々の想像を超える人族の集団ができているということのみです」
「そうか。下がれ」
「はっ」
角を生やした一人が下がると、辺りは静寂に包まれる。
もう一人の影は、机へと移動した。
影は、机に置かれた水晶玉を眺める。
「ほう。こいつか……常人ではありえぬ魔力を使用しているな」
影は虚空に向かって声を張り上げる。
「彼の者を倒すのだ。奴は必ず我々の脅威となるであろう。その前に叩き潰すのだ」
「「はっ」」
虚空が動き出す。




