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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第三章 エルフの村とエルフ国
37/71

37.オークと戦いました

 俺たちは、前線に到着した。

 前線では、オークの侵攻をエルフの魔法攻撃が何とか抑えている状況だった。

「数が多すぎます! このままだと近接戦に持ち込まれます!」

「仕方ない、後退しろ! 魔法を打ちながら後ろに下がれ!」

 戦いを呆然と眺めていると、西エルフ国軍の長官、グラディウスがこちらに気づいた。

「ああ、王国の方達ですね。待ち侘びていました。どうか協力をお願いします」

「まあ、いいですけど。それにしても、とんでもない数のオークが来ていますね」

「はい、推定で10万頭はいるでしょう。ですから、魔法を打っても打っても、波を止めることができないのです」


「よし、やるか……『煙霞』」

 100頭ほどのオークがもがきはじめる。それらはまもなく倒れた。

 しかし、仲間の死をものともせず、オークは進み始める。

「くそ、『火炎旋風』!」

 オークを火が包む。急いでいたので無詠唱だったが、問題ない威力だ。

「俺らもやるぞ、盤弾(アース・バレット)!」

「光よ、敵を切り裂け! 電光(ライトニング)!」


 確かにオークは次々と倒れていく。しかしこれだけなら、エルフ軍だけで倒せるはずでは?

「あの、エルフ軍の残りってどこにいるんですか? ここには数十人くらいしかいませんが……」

「ああ、これで全員ですよ。人数が少なくて、困っていたんです」

 すっくな! そりゃ強いエルフでも勝てないわ。

「なら、俺たちも充分役に立てそうですね」

「ええ、とても助かります」

 その後も、俺たちは魔法を打ち続けた。

 日が沈み、またたく星空が沈んだ。


「何で徹夜で戦闘なんだよ!」

 今夜、火焔旋風を8回、煙霞を12回、不知火を29回使用した。

 俺以外は全員魔力切れ。俺もすでに1割くらいしか残っていない。

 オークはまだ半分以上が残り、愚鈍に侵攻を続けている。

「まずいですよ。俺もそろそろ魔力が切れます」

「困ったな。剣士たちも活用したいけど、あそこに放り込んだら死んでしまうし……」

「あっやばい、MP表示が点滅しだした」

「くそっ、東の援軍はまだか!」


 俺たちは敗走した。

 前線は、首都から30キロの位置にまで押し込まれた。

 次に撤退する道はない。

「周りの国々に支援の要請を! そっちは住民の避難を!」

 兵士が一人、また一人と去っていく。

「すまない、はるばるこの西エルフ国まで来ていただいたのに。あなたたちだけでも逃げてください」

「いや、俺たちはまだ戦います。ここで逃げれば、アルトの冒険者の恥です。それはそうと、魔法の使える住民たちを根こそぎ連れてきてください。彼らも戦力ですから」

「それなら、もうすぐ来ると──」


 その時、轟音を響かせ、エルフの大群がやってきた。

 中には、布団叩きを持った主婦や、ゴルフクラブを構えたおじさんまでいる。

「私たちも戦うぞ! エルフの国を守るんだ!」

「魔法はエルフの得意分野だ! 今こそレーゼンの市民が団結する時!」

 彼らは前線につくなり、次々と魔法を放つ。

 戦況は大きく動いた。

 数で大きく勝るオーク軍が、どんどんとその数を減らしている。

 今や、10万の軍勢は、1割未満になっていた。


「西を救うぞ! 撃てーっ!」

 そこに、東エルフ国の軍隊も駆けつけた。

 それは小規模であったが、とても大きな助けだ。

 俺も、最後の魔力を使うことにした、

「紅蓮の炎よ、龍の如く舞い、我が敵を燃やし尽くせ、『火炎旋風』!」

 残っていたオークを、炎がまとめて覆う。

「廻れ炎よ、その奔流において全てを焼き尽くせ、『火炎旋風』っ!!」

 巨大な火柱が上がり、オークは上空に吹き飛ばされる。

 薄れる意識の中、俺が最後に聞いたのは情けなきオークの呻き声であった。

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