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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第三章 エルフの村とエルフ国
36/90

36.西エルフ国に行きました

 ギルドの扉が開き、裁判の結果みたいな紙を持った人が中から出てきた。

 俺たちは会話を止め、それを注視する。

 大きく広げられたその紙には、「完全勝利」と書かれていた。

「「よっしゃあああっ!」」

 俺たちは飛び上がって喜んだ。


 中から役人が出てきて、話し出す。

「聞くところによれば、エルフ村は素晴らしい文化を有する場所だそうではないか。会議の結果、条文を撤廃し、保全に共同で取り組むこととなった。この成果は、両国の関係をより友好的なものにし、外交上の大きな利益を生み出すだろう。みんな、感謝する」

「いやいや、それほどでもあるな」

「いや〜、いいことしたな」

 皆は誇らしげだ。

「それで、お礼金の方は……」

「ないが?」

「そんなあああっ!」

 いいだろ貯金たくさんあるし。



「……何で土木作業何だよおっ!」

 エルフ村を盛り上げるため、道路を少し変更して村に近づけることになった。

 結果、工期が伸びた。

 それと同時に、エルフ村から少し離れたところに商店街っぽいものを作り、そこでエルフたちが働くことになった。

 といっても自由営業なので、行っても開いているかは分からないが。

 さて、俺たち下っ端冒険者は、大工事のたびに駆り出される。

 今日もこうして、木を伐採するのである。

 といっても魔法使えるから、家の再建よりずっと楽だけどね。



「君たち、西エルフ国に行ってみないか?」

 ある日、土木工事を終えアルトに戻ろうとすると、役人が声を掛けてきた。

「嫌ですよ」

「ええ? 頼むよ、不死王(リッチー)との戦いでの貸し、まだ返せてないんだ」

「身売りですか? やっぱり嫌ですよ」

「違うよ、今度はこっちが西エルフ国を救う番だってこと」


 どうやら、今西エルフ国は、山のオークに悩まされているらしい。

 対処の援軍として、王国は冒険者の派遣を約束した。

 しかし、わざわざオークを倒しにいこうなんて奴が一人もおらず、かなり必死になって探しているらしい。

「なあ、頼むよ。このままだとこの国の信用はガタ落ち。せっかくの同盟関係も崩れるかもしれん」

「はあ。そういうことならいいですが、ちゃんと報酬は出るんでしょうね」

「おお、ありがとう! では早速出発!」

 俺たちは言うが早いか速達馬車に乗せられ、舗装しかけの街道を突き進んだ。

「そんなに緊急なんですか?」

「ああ、今季は特にオークの動きが活発で、今や首都レーゼンの近郊まで迫っているらしい」

「やばいじゃないですか」


 馬車は1時間半ほどで、サレン川のほとりについた。

「「でっけー……」」

 これは果たして川なのだろうか? 対岸は夕霧に霞んで白く濁っている。

「ああ、この辺りの川幅は、だいたい4キロくらいかな」

「「よんきろ!?」」

「平野に入ってからは、ここが1番細いんだけどね」

 え? ここに橋なんてかかる?

「で、俺たちは今からどうやって渡るんです?」

「そりゃあ、飛んでさ」


 突然、馬から羽が生える。

「ペガサス!?」

 馬は駆け出し、そのまま宙に飛び出す。

 馬車が落ちることはなかった。

 馬車はそのまま猛スピードで飛び続け、5分ほどで川を渡り終える。

「な? 便利だろ? まあ、これをやった後はしばらく動けないんだがね。今日はここで野宿だ」

 最近野宿多いなぁ……



 起きてから西エルフ国の首都、レーゼンに到着するまでは速かった。

 正午にはもう城門をくぐることができた。

 城門の中は、歓迎の嵐であった。

「勇者よ、この国をお救いください」

「これでエルフは救われた! ばんざい!」

 どうやら、オークの脅威はかなりのものなようだ。俺は身構える。


 その後、俺たちは議会に案内される。

 この国は珍しく共和制なので、城とかはない。

「来てくれてありがとう。だが、悠長に話している時間はない。すぐに前線に出発しよう」

 議長は、慌ただしく馬車を手配する。

 結局、城門内にいたのは30分くらいだった。

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