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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第三章 エルフの村とエルフ国
29/71

29.不思議なふしぎなスライムの森

 森はとても静かだった。

 危なげな雰囲気はなく、もしかしたらクマがいる日本の森よりも安全かもしれない。

 もっとも、奥の方に強大なモンスターがいて、それに怖気付いてモンスターが寄り付かないだけの可能性もあるが。

「んー、この辺りの地形は平らだし、道路は真っすぐ通せるかな」

 日比野が地図を見ながら言った。この地図、勝手に周りの地形を書いてくれるとても便利な地図なのだ。

 地図によると、ここから川まで地形は平らで、おそらく真っすぐな街道を作ることができる。


「しっかし、この森は広いな。向こうまで行ったら夜になっちまうぜ」

 泊がぼやく。この森の幅は、最短部でも50kmほどある。1日ではとても探索できた広さではない。

「困ったねえ……。よし、二手に分かれよう。片方は川の方へ、もう片方は左右を探索して」

「「了解〜」」

 俺は左右を探索する方へ入った。


「よし、もう一度二手に分かれるか。左右をそれぞれよろしく」

「「へい」」

 11人のパーティーが分かれて6人、さらにそれを分けて3人ずつである。

 俺と榎田、三城が右手を探索することになった。


「……不安しかない」

「え〜、そんなこと言わないでよ〜」

「だってお前カエル戦のときめちゃくちゃやらかしてただろ! 心配にもなるわ!」

「うっ、……ひっ、わ、私だってちゃんとやるもん」

「あー泣かないで泣かないで。ちょっと、優しくしなさいよ」

 なぜ俺が責められなければならないのだ?

「あーはいはい、すみませんでした。それじゃ行きますよ」

「「……はーい」」


 しっかしまた、何もないのがこの森である。

「何もないね、どうしてだろ?」

「さあ、たまにはそんな場所もあるんじゃね?」

 雑談しながら歩いていると、突然強力な気配を感じた。

「構えろ、敵襲だ!」

 俺の前に現れたのは……スライムであった。


「「……へっ?」」

 気配に対して明らかに雑魚だ。もしかして、囲まれたか?

「んまあ、とりあえず倒すか」

「ぐぎゃ」

 すると、その後ろからまたスライムが現れる。

「ぐぎゃあ」

 また後ろから、後ろから……。

「ふぎゃ」「むぎゃ」「ひやぁぁ」

 いくら倒しても、後ろからスライムがやってくる。


「はあ、はあ、多すぎんだろ」

 結局、全部倒すのに20分近くかかった。

 合計で150匹は越える数のスライムが出てきたことになる。

 俺も、上がりそうだったレベルが1上がってしまった。

「やっぱこの森、平和だけどなんかおかしいんよなあ」

「ねえ」


 その後、15時くらいまで前後左右に動き回って隅々まで探索した。

 自分の居場所までわかる便利な地図があるから、めちゃくちゃに動いてもちゃんと帰れるのがいいところだ。

 結局、今日の夜は二手に別れた地点で野営ということになった。

 17時には全員が集まり、昨日と同じような夕食をとった。

「明日は、今日と同じ編成で、3方を探索します。昨日とはできるだけ違った場所を通るようにしてください」

「「はーい」」

 リュックの中に入れておいた魔法の寝袋で皆は眠った。



「……だから何でスライムに襲われる夢なんだよ!!」

 最悪だ。何で2日連続でスライムに安眠を乱されなくてはならないのだ。

 昨日の夢も半ば的中したし、今日もスライムには警戒しよう。

 そう思うのであった。

 朝食は、その辺で取ってきた食べられる野草である。

 流石にヤギの気分になるのはいい心地ではなかったが、不味くはなかった。


「スライムだああ!」

 三城が叫ぶ。見ると、三城がスライムの体当たりを受けるその瞬間であった。

「スライムくらい自分で倒せるだろ。って多っ!」

 瞬きをした後には、三城は100匹を越えるスライムの下敷きになっていた。

「……た、たすけて……」

 三城はスライムの山から片腕を出し、SOSサインを出しながら言う。

 流石にかわいそうなので、スライムを小刀で切り刻み、三城を救出した。

「ふえ、ありがと……」

 三城の体がスライムでベットベトになっているので、ちょっと離れることにした。

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