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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第三章 エルフの村とエルフ国
28/74

28.森につきました

 朝起きると、時刻は7時くらいだった。

 着替えて、杖を片手にダイニングホールに向かう。

 すでに半分ほどが席に着いていた。

「えー、では先に今後の予定を伝えておきます。道路が整備されているのは、次の駅までとなっていますので、そこからは草原を進むことになります。モンスターが出る可能性もあるので、警戒してください。8時にここを出て、16時に森に到着、今日は馬車で車中泊をし、翌日クエストをしていただくという計画となっています」

 ということだ。


 その後、全員起きてきて、朝食をとり、8時に村を出発した。

 道中、一回ミミズみたいなモンスターが出たが、集中砲火でボコボコにした。

 正午ごろには乗り換えをし、草原を森に向かって進む。

「しっかし、どうしてこうも距離感がでかいのかねえ」

「そういうもんじゃないの、北海道の人って東京の人より近所の範囲が広いっていうし」

「ふーん、田舎ほど移動距離が広くなるってことね」

 雑談も結構弾んでいる。まあ、遠足のような感覚なのだろう。


 16時ごろ。

「お客さん、つきましたよ。ほら、森が見えますでしょ」

「ずいぶん遠いところに停めんだな」

「あんまり近いと、モンスターが寄ってきますんでね。それでは、今日は明日に備えて早めに寝ましょう」

「「はーい」」

 夕食は、アルトから持ってきた干し肉と野菜、水を使って鍋を作ることにした。

 この世界、火魔法があれば料理には困らないのがいいところだ。


「先に肉、葉物は火が通りやすいから後にね。ああそこ、水は貴重だからあんまり使いすぎないで」

「いや、いつでも出せるぞ。ほれ」

「節約するに越したことはないでしょ。あ、ちょっと、火に水がかかったじゃないの。危ないから」

 まるで林間学校かなんかだが、とても平和なのはいいことだ。

 鍋はとても美味しく、野生味溢れる感じだった。

「この肉ってなんの肉なんすか?」

「えーっと、確か前アルトに来たオーガの肉だったかな?」

「「うげっ」」

 なるほど、ジビエ感があるわけだ。


 馬車の中では狭すぎて寝れないので、外に寝袋を出して寝ることにした。

 季節は晩秋、夜は冷える。

 しかし、この魔法の寝袋は常に暖かい。俺の魔力吸ったりしてないよな……?

「わ、満月だ!」

 千曲が言った。空を見上げると、大きな月が昇っている。

 この世界の月は、地球の月によく似ている。

 違うところと言えば、模様がうさぎではなくブリッジをしているマッチョに見えることくらいだろうか。


「中秋の名月かぁ……。懐かしいなあ」

「チュウシュウ? なんですかそれ?」

「ああ、私たちが昔いた地域の風習です。この時期の満月は特別で、お祭りとかしたりするんですよ」

 日比野も日本を懐かしんでいる。

 こういう日は、日本の夢を見るんだよなあ……。



「……何でスライムに襲われる夢を見んだよ」

 なぜだ。なぜこんな日に雑魚敵にやられるみじめな夢を見なければならないんだ。

 もしかして、予知夢とかないよな?


「はい、みんな集まって。これから森に行きますが、危ないので決して1人にならないこと、何か見つけたら、すぐに大声で知らせること。ただし、相手がこちらに気づいていない時は、気づかれないようにゆっくりと離れてください」

「「あーい」」

「そして、今回は1週間ほどの長期クエストとなるので、特に食べ物など魔法で作れない資源は大事にすること。食べ物がなくなって、取りに戻るのは経済的にも時間的にも大きいロスになります」

「「あーい」」

「それと──」

「わーったって、もう行こうぜ、早くしないと夜になっちまうよ」

 泊が日比野を止めた。

「そうだね。では、しゅっぱーつ!」

 こうして、調査クエスト1日目が始まった。

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