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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第二章 アルトの危機
22/106

22.アンデッドは強いです(下)

 アンデッドは城門を固める我々に襲いかかる。

 衛士(プロテクター)は必死にアンデッドの猛攻を防ぐ。

 しかし、死者の出ないように後退しながらの戦いとなっている。

 このままでは、城門の中まで押し込まれてしまう。

剣士(ソードマン)たちも参戦! 魔術師(ウィザード)たちも、できることがあったら頼む!」

 さて、どうしたものか。こうも入り乱れていては、剣を飛ばすのもできない。

 その時。


「はあっ、破壊雷(デストロイ・ボルト)!」

 高く掲げられたへードルの杖の先から、黒い稲妻が走る。

「危ない、(セイクリッ)(ド・ミラ)(ーウォール)!」

 荒川が防御を展開する、間一髪で、大被害を防ぐことはできた。

「うっ、うおおおあああっ!」

 しかし、稲妻はあまりに強く、到底1人では防ぎきれない量だ。

「私も、水盾(ウォーターシールド)!」

 城戸が水の盾を作る。

 ん? ちょまってお前、水って電気通すぞ!?

「あばばばばばばばばばば!」

 術者の城戸は丸こげになったが、水は地面と接していなかったので、難は逃れることはできた。


「ほう、これを一瞬防ぐとは。しかし、いつまで持つかな?」

 へードルのいう通り、防御は限界だった。

 あちこちから魔術師が防御を張っているが、どれももう壊れそうだ。

「どうしますか? 逃げます?」

「いや、ここで逃げれば町に侵入される。しかし、このままでは冒険者たちが危ない……」

 ハンドンは迷っている。

「おいリーダー、どうするんだ!」

「なんかいい作戦ねえのかよ!」

 皆は戦うつもりのようだ。ハンドンも、納得した表情で指示を出す。


「風魔法でアンデッドを吹き飛ばし、そこに高火力魔術を使う! 急いで衛士は避難!」

 衛士は左右に割れ、火系の魔術師は一斉に詠唱を始めた。

「大地の恵みたる大風よ、今ここに顕現し、魔の者に裁きを与えよ……大台風(グレート・サイクロン)!」

「風よ、集まりて我が敵を彼方へと吹き飛ばせ……圧風(プレッシヴ・ウィンド)!」

 俺も、『火炎旋風』の元となった風魔法を使うか。

「廻れ風よ、その莫大なる力で敵を押し流せ……竜巻(トルネード)!」

 これは、ヴァルト戦の後で、まんべんなく魔法取っといた方がいいかなと思って習得した中級魔法である。


 風はアンデッドに襲いかかり、その群れを薙ぎ倒した。

 アンデッドは、100メートルほど後退した。

「今だ、いちばん高火力な魔法を使え! 火魔法で統一する!」

「了解! …… 紅蓮の炎よ、龍の如く舞い、我が敵を燃やし尽くせ……『火炎旋風』!」

 真紅の球から、太い火柱が伸びる。それはアンデッドを焼き尽くした。

「廻れ炎よ、その奔流において全てを焼き尽くせ……『火炎旋風』!」

 巨大な火の竜巻が発生し、アンデッドを舞い上げる。

 そこに、色とりどりの火や電撃が突き刺さる。

 大成功だ。アンデッドはたちまち焼け死んだ。


 さて、黒い稲妻はどうなったかというと……。

「ああ、誰か助けてえ、もう無理! 死んじゃう!」

 荒川が泣き叫んでいた。あれから1人で全部止めていたというから、強いもんだ。

「荒川、逃げろ! もうそこをどいても問題ない!」

 井川の声に、荒川はこちらへと走ってくる。

 瞬間、さっきまで荒川がいたところに、稲妻が突き刺さった。

 轟音を立てて城壁が崩れ落ちる。

 大地は抉れ、大きなクレーターになっていた。

 間一髪だった。異世界では、こういう危険なこともある。


「ほう、その素晴らしい知能と魔力、ここの人間は今まで出会ったどの町のものより素晴らしい。まさか我が眷属たちを全滅させるとは思わなかった」

 へードルは手を叩いて言った。しかしその顔(?)に焦りは感じられなかった。

「では私が、直々に戦うことと致そう。久しぶりの戦闘だな、腕がなる」

 へードルは馬から降りると、杖をこちらに向けた。

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