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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第二章 アルトの危機
21/73

21.アンデッドは強いです(上)

 不死王(リッチー)へードルの従える 不死者(アンデッド)の群れは、アルト防衛隊に向かって突き進んでくる。

「魔法攻撃、初め!」

 ハンドンの合図で、俺たちは一斉に魔法を放つ。

 しかし、アンデッドの強さは想像以上だった。

 前回の襲撃の時と比べて、明らかにダメージの通りが悪い。


「くそ、効かねえ! 強い魔法使え!」」

「こっちに打ってくれ! 近づいてくる!」

「おい、矢が飛んできたぞ!」

 戦場には怒号が響き、混乱が大きくなっている。


 アンデッドたちには、知性が感じられる。

 集団で規則正しく進軍し、後方には矢を放つものも見える。

 明らかにただのアンデッドではない。おそらく不死王のスキルかなんかの影響だろう。

「おい榎田、あれに魔物使い(テイマー)使えないのか!?」

「多分無理! 今使ってるけど、全く効いてない!」

 そういえば、自分より弱いやつじゃないと使えないんだったな。


霊術師(ネクロマンサー)って誰だ!? あいつらを操れるか?」

「私よ! でも無理、多分あの不死王が操ってるからだと思う」

 平城山が答えた。お前だったのか、霊術師。

「じゃあ、あいつの支配を切ればいけるわけか。おーいみんな、親玉をねらえ! あいつがアンデッドを操ってる!」

「了解! ……風よ、我が敵を切り裂く鋭き刃となれ……風刃(ウィンドブレード)!」

「凍てつくが如き氷よ、我が心のままに、敵を貫き通せ……氷槍(フロストランス)!」

 皆は次々と魔法を放つ。しかし、へードルに通ることはなかった。


「ほう、少しは頭もあるようだな。しかし愚かだ。その程度では、我にかすり傷も与えられん。その程度の力もないようでは、我々に勝つことは到底不可能だな」

 へードルは馬に乗りながら言った。骸骨の目から、紅い光がのぞく。

「まじかよ……。どうせ状態異常も効かないよな。なら……」

 俺が作った合成魔法で、最も強力なやつ。

 これか。炎と風の合成、純粋な物理攻撃だから、ダメージは通るだろう。


「紅蓮の炎よ、龍の如く舞い、我が敵を燃やし尽くせ……『火炎旋風』!」

 手の先から、火の柱が飛び出す。

 俺は全身の魔力を手の先に集中させ、威力をさらに高める。

 火の柱は、いっそう太くなり、辺りを赤く染めた。

 炎はへードルにぶつかり、その体を焼いた。

「ほう。少しは骨のある魔術師がいるようだな。だが、我を倒すことは出来ぬ」

「まだだ……廻れ炎よ、その奔流において全てを焼き尽くせ、『火炎旋風』」

 魔法は第二段階に入る。へードルの周りの炎が渦を描き、天に昇る。

 へードルの周りにいたアンデッドたちはたちまち焼け死んだ。

 戦場には、巨大な火の竜巻ができていた。


「ほほう。これは素晴らしい。今までに見たどの人間の魔術師よりも若く、そして力強い攻撃だ。いっそう戦いがいがあるというもの」

 くそ、効いてない。俺は魔法を終えた。

 ステータスを見ると、魔力の残りは9000と示されていた。

 一般人のフル魔力をすでに使ったと言うことか。俺は寒気がした。

 どうする?これが俺の最大火力、これで効かないなら何も効かないぞ。


「ではこちらの番だな。はあっ!」

 へードルの周りに、漆黒のオーラが生じる。

「我が眷属たちよ、我が力を得て、さらなる高みへ……」

 漆黒の闇が広がり、アンデッドたちに取り込まれた。

 アンデッドを強化したのだろう。あちこちで悲鳴が聞こえる。

 いつのまにか、両軍はぶつかり合っていた。

「うわあ、魔法を打ってきたぞ! くそ、水盾(ウォーターシールド)!」

「噛みつかれた、もう終わりだ! うわああっ!!」

「くそ、斬撃が効かない! 俺の剣を初めて耐えたのがアンデッドだなんて、信じられん」

 どうやら、へードルの強化能力は想像以上のようだ。


「我が眷属たちよ、有象無象どもは相手にしなくとも良い。城門を目指せ! 町を落とすんだ!」

 へードルの一声に、アンデッドたちは一斉に向きを変え、門へと突き進む。

「みんな、門に集まれ! 絶対に通すな!」

 俺たちはアンデッドと戦いつつ、門をがっちりと守る。

 最前線に衛士(プロテクター)たちが陣取り、俺たちは後に控えた。

 アンデッドは、震えて焦点のあっていない目で、こちらへゆっくりと歩み寄ってくる。

 改めて見てみると、その総数は数万は行っているだろう。

 数で圧倒的に劣るこちらは、一体どう戦えば良いと言うのだ。

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