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1年C組異世界冒険譚  作者: 神埼時雨(仮)
第二章 アルトの危機
20/71

20.幹部が攻めてきました

 俺たち冒険者は、今町の東門に集まっている。

 その先にいる、恐ろしい敵と睨み合いながら。



 お騒がせなコウモリを殲滅したあと、特にやばいモンスターは現れなかった。

 コウモリたちの主であるドラキュラも、あれ以来姿を見せていない。

 だから、魔王軍はアルトから去ったと思われていたのだが。

 ある日、冒険者たちはギルドに集められた。

 何でも、ギルドに手紙が届いたそうだ。

 手紙には、こう書かれていた。



 愚かなる人間どもよ。

 明後日、我々魔王軍は、貴様らの町への侵攻作戦を行う。

 この魔王軍幹部、不死王(リッチー)へードルが直々にだ。

 死にたくなければ、町を捨て逃げるがよい。



「つまり、あさって魔王軍が攻めてくるから、対応しろと?」

「その通りです。具体的にどの方向から攻めてくるかは分かりませんので、四方の門を手分けして見張ります」

「なるほど。で、このへードルとやらは強いのか?」

「さあ。しかし、魔王軍幹部ということは、かなり強いことは間違いありません」

「まあいいけど、何でこんな町に攻めてくるんだろうな」


 さて、少し地理の勉強をしよう。

 この町アルトは、王国の南西に位置する都市だ。

 この王国は、魔王が支配する領域に接しており、国境では睨み合いが続いている。

 おそらく魔王軍の目的は、国境からアルトを通り、海岸線に至る回廊を占領し、西側の国と分断すること。

 西側には、エルフの治める2国があり、その軍事力は弱い。

 アルトが落ちれば、たちまち2国は滅びてしまうだろう。


 ということで、エルフの国に援軍を要請した。

 明日の夜には、国境を超えてエルフ軍が救援にやってくる。

 おそらく王都防衛軍の到着は間に合わない。我々アルトの防衛隊と、エルフ2国の軍のみで応戦しなければならない。

 不安になりつつ、我々は作戦を立てながら一夜を過ごした。


 翌日。作戦は大体決まった。詳細は後で話す。

 今日は、一日中戦闘訓練を行った。

 敵襲に備えて、少しでも戦力を強化しておいた方がいい。

 夕方、エルフ軍が西門の扉を叩いた。

 俺たちは迎え入れ、作戦を伝える。

 エルフ軍は承知し、分担して東西南北の見回りについた。


 夜が明ける頃、町の北門で狼煙が上がった。

 合図だ。俺たちは一部を残し、北門へ急いで向かう。

 門の外に出ると、そこには惨憺たる光景が広がっていた。

 数万はあろうかと言う敵軍。その中央に、馬に乗った人型が陣取っていた。

 その人影は、骸骨であった。その右手に、重厚な杖を持っている。

「ほう、逃げなかったか……命知らずよ。我が名はへードル、魔王軍幹部である」

 骸骨は名乗った。


 不死者(アンデッド)の大群が、へードルの指揮で一斉に攻め込んできた。

 ついに、アルト最大の戦いの火蓋が切って落とされた。

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