第53話 新婚エレナ
翌朝、エレナとリオナは同時に目を覚ました。
混浴した後、そのまま布団に入り込んで、まぐわいを交わして、互いに何度も絶頂した。ほとんどリオナが主導権を握っていたが、それでもエレナは人の温もりや人の心と言う物を感じた。
「さて、朝ご飯行きましょうか。」
と、リオナは服を着ながら言う。
「ええ。行きましょう。」
エレナも服を着る。
朝食は広間で、和食と洋食で選べる定食だが、リオナは朝からあまりたくさん食べられない体質。それは、エレナも同じだ。
「出来れば、食べられる量だけ取れる、バイキング形式が良いのだけどねぇ。」
と、二人で笑い合いながら、冷や奴・のり定食を頼む。
「朝食を食べたら、朝風呂に入って、バスで東照宮に行きましょう。帰りの列車は夕方の急行「けごん」です。貴賓・展望車は連結されていないのですが、「ドリームカー」に乗りましょう。」
微笑むリオナに、エレナも「はい」と笑って答えた。
「へへぇ。エレナが笑ったら、こんな顔なんだねぇ。えへへ。」
リオナも笑顔だ。
機械が何もかも決め、あらゆることが機械的でコンピューターのような、無機質な世界から来たエレナは、この世界に来て、リオナと出会って、人間の温もりと言う物を感じ、それは、人間の心と言う物をエレナに与えた。
朝食の後、大浴場で朝風呂に入って、鬼怒川温泉駅に向かう。
「えーっと、バスの時刻は―。」
手をつなぎながら、時刻表を見るリオナは微笑みを絶やさない。
(ミサと違う。これが、人間の心。人間関係。恋愛関係。薄っぺらい物ではない。)
エレナは心が少々重くなった気がするが、それは、空っぽだった心に、中身が入ったように思えた。
(アイルに言ったらどうなることか。)
と、一人、エレナは笑った。




