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時計仕掛けの転移恋歌  作者: Kanra
第六章 未来への選択
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第53話 新婚エレナ

 翌朝、エレナとリオナは同時に目を覚ました。


 混浴した後、そのまま布団に入り込んで、まぐわいを交わして、互いに何度も絶頂した。ほとんどリオナが主導権を握っていたが、それでもエレナは人の温もりや人の心と言う物を感じた。


「さて、朝ご飯行きましょうか。」


 と、リオナは服を着ながら言う。


「ええ。行きましょう。」


 エレナも服を着る。

 朝食は広間で、和食と洋食で選べる定食だが、リオナは朝からあまりたくさん食べられない体質。それは、エレナも同じだ。


「出来れば、食べられる量だけ取れる、バイキング形式が良いのだけどねぇ。」


 と、二人で笑い合いながら、冷や奴・のり定食を頼む。


「朝食を食べたら、朝風呂に入って、バスで東照宮に行きましょう。帰りの列車は夕方の急行「けごん」です。貴賓・展望車は連結されていないのですが、「ドリームカー」に乗りましょう。」


 微笑むリオナに、エレナも「はい」と笑って答えた。


「へへぇ。エレナが笑ったら、こんな顔なんだねぇ。えへへ。」


 リオナも笑顔だ。

 機械が何もかも決め、あらゆることが機械的でコンピューターのような、無機質な世界から来たエレナは、この世界に来て、リオナと出会って、人間の温もりと言う物を感じ、それは、人間の心と言う物をエレナに与えた。


 朝食の後、大浴場で朝風呂に入って、鬼怒川温泉駅に向かう。


「えーっと、バスの時刻は―。」


 手をつなぎながら、時刻表を見るリオナは微笑みを絶やさない。


(ミサと違う。これが、人間の心。人間関係。恋愛関係。薄っぺらい物ではない。)


 エレナは心が少々重くなった気がするが、それは、空っぽだった心に、中身が入ったように思えた。


(アイルに言ったらどうなることか。)


 と、一人、エレナは笑った。

 


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