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時計仕掛けの転移恋歌  作者: Kanra
第五章 思いの積み重ね
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第38話 AILの講義

 エレナは蔵から出て、「ルナ」の車内で、ウララが持ってきた握り飯を食べていた。


 だが、その手元にAILのタブレット端末が無い。


「ごめんなさい。こんなところに押し込んでしまって。リオナは吞み過ぎると甘え癖があるのよ。」


 と、ウララは言う。


 エレナは巴波川の灯篭の灯りを見ていた。


「エレナ。リオナさんに伝えます。」


「ルナ」のAILが言う。


「言ってはダメよ!」


 ウララが言うが、


「事実を捻じ曲げる事は困難です。私は情報を歪めたり、隠したりすることなく、正確に処理、伝達するように作られているのです。」


 と、AILは言い、リオナの手元にあるタブレット端末のAILが「エレナ」は「ルナ」に居ると言った。


「知らないからね。」


 と、ウララは溜め息交じりに言った。

 リオナとそらが、実験自動車「ルナ」の元へとやって来た。


「ああ、これね!」


 と、そらが「ルナ」を見て歓声を上げた。


「そうよ。実験自動車「ルナ」。これに搭載されているのが、この小さな端末機器の本体。そして、こちらが、横川エレナ。私の助手で、「ルナ」とこの端末機器「アイル」の管理人。」


 リオナは微笑みながら言った。


「では、3人そろったところで、リオナさんのお部屋に行きましょう。そこで、私の講義を聞いていただきたいです。テーマは「重力レンズ効果について」です。」


 AILが言う。


「重力レンズ効果?妙な内容を出すな。」

「エレナ。これは貴方に最も聞いて欲しい内容です。」

「-。どういう理由か知らないが、分かった。」


 と、また、AILに従うエレナの様子に、またもリオナは首を傾げた。


 そら。霧積そらは、リオナの学友で、筑波山観測所勤務の女性。

 そんな彼女も交えて、リオナの住まいで、AILは重力レンズ効果の講義を始めた。


 リオナ、そらは興味津々と言う反応。


 だが、エレナはAILが何を言っているのかを理解して来た。


(要するに、あの大平山天文台の空間の歪みは、重力の強い物があって、それが重力レンズ効果を生んでいるだけだと言うのか。)


 と、エレナは思った。


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