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時計仕掛けの転移恋歌  作者: Kanra
第三章 ここは異世界
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第22話 ウララ・ホコネ姉妹

 天文台のリオナ。

 本名は軽井沢里緒菜。


 彼女の強引な話で、エレナは庄屋の白百合家の奉公人及びリオナの助手となることになった。


「よくある、異世界転生小説と展開は同じですね。とんとん拍子に、お金持ちの家の娘と関係を持つ。」


 アイルが言う。


 エレナは白百合家の姉妹の妹、ウララの後を歩いて、庄屋の中を見て歩きながら、何をするのかを聞いて行く。


「この辺りの商店を取り纏めるのが、家の仕事。」

「銀行?」

「市場でもあるのよ。家は。」

「あの、えっと―。」

「天文台のリオナ?彼女の助手は大変よ。今まで何人やめた事か。あの性格だからね。真面目なのは良いけど、お堅い方でねぇ。」

「-。」

「帳簿付ける仕事もしながら、科学の研究をしているのだから。リオナは。」

「-。」

「リオナの話は、また後でね。」


 一通り、庄屋の中を見て歩いて母屋に戻ると、続いて、ホコネがエレナに主な仕事内容を教えようとするのだが。


「ありがとね。ウララちゃん。」


 と、ホコネはウララを抱きしめ、ウララは小さな溜め息を吐いた。


「ホコネはいつもこれ。妹を溺愛し過ぎ。」


 と、ウララは言う。


「それは、それだけ大切に思われているという事では無いでしょうか。」


 と、携行しているタブレット端末のAILが言った。

 ウララは、AILの電子音声に驚いて、ホコネに抱き着き返した。


(どうして―。)


 と、エレナはウララの反応を見て思う。


「あのさ。ウララちゃんを怖がらせたら追い出すわよ。」


 ホコネが冷たく言った後、


「貴方はここにいなくて良い。電算室の中に籠っててちょうだい。」


 と言い放った。


「お呼びでしょうか。」


 それを聞いていたのか、母屋の裏口に、リオナがすくっと立っていた。


「あぁ、もう駅の用事は済んだのですか?」

「はい。観測記録は先ほど、汽車で東京麻布天文台へ送りました。」

「では、この者を電算室に押し込んでしまって。そして、見張っていて。」


 ホコネは冷たい。


「ウララ様を怖がらせたのですね。」


 リオナも冷たく言った。

 AILがまたフリーズした。

 またも、自分の行動で自分が非難されるのがなぜか、理解できないのだ。

 そして、エレナは何もしていないのに、電算室へと押し込まれてしまった。


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