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時計仕掛けの転移恋歌  作者: Kanra
第二章 コンピューターの反乱
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第15話 原因究明

 糸川教授を中心に、AIL開発チームは今回のAIL暴走事件、及びルナ消滅事故の原因究明に追われた。


 第一に、暴走したAILを止めるために抜き取ったメモリー板やユニット群に異常が無いかを確認。それらに記録された活動記録の調査。そして、AILのメモリーデータバンクを調べ、外部からの圧力による異常の発生の有無の確認である。


 これらの確認には、AILと同等のコンピューターを用いる必要もあるが、幸いにも、もう一つ、AILと同等のコンピューターがある。


 AILの後継機、SSPOだ。


「まさか、SSPO最初の仕事が、AILの捜査となるとは。」


 と、糸川教授は言いながら、SSPOを起動する。


「おはようSP。」


 SSPOの愛称はSPだ。


「おはようございます。糸川教授。」

「任務は分かるね?」

「はい。AILの暴走事件の捜査にあたり、AILのメモリー板やユニット群の異常の有無の確認。及び、メモリーデータバンクの調査です。」

「辛い仕事になるが、よろしく頼む。AIL試作機も導入し、研究チーム総出で、原因究明に当たっている。」

「分かりました。」

「事の発端の、「実験自動車ルナ消滅事故」の際、エレナは「アイルがおかしい」と言っていたが、その前に、A-13ユニットの異常を知らせる情報が、アイルから送られてきている。我々は、このA-13ユニットの異常信号が送られる前後の時間帯に何が起きていたのかを調べたい。」

「A-13ユニットの件は、ちょうどエレナがお祭りに行った日時と一致しています。」

「そうだ。アイルに異常が起こるとしたら、この辺りが怪しい。この辺りで何かアイルに負荷がかかる事象が発生し、それがアイルを暴走させるきっかけになったとしたら―。」

「分かりました。では、A-13ユニットの接続を。」


 SSPOにAILのA-13ユニットを接続する。

 それと並行して、糸川教授はAILのメモリーデータバンクを調査する。


 そして、糸川教授は明らかにAILに負荷がかかっている記録と、そこからAILが徐々に異常行動を取り始めている記録を見つけた。


「糸川教授。A-13ユニットの結果ですが―。」

「異常は無いであろう?」

「はい。A-13ユニットには確かに負荷はかかっておりますが、異常は無いです。」

「そうだろうな。では、メモリーデータバンクを見て欲しい。」


 SSPOにメモリーデータバンクを接続する。

 その上で、


「AIL試作機と連携して、この状況を再現してみよう。」


 と、糸川教授は言った。


 AIL試作機とSSPOを繋いで、メモリーデータバンクに残っていたお祭りの日の記録を元に、その日、何が起きていたのか、そしてその後に起きた事を再現していく。


「結構。」


 と、糸川教授は言った。


 気が付いたら、日付が変わっていた。


「何が起きていたか分かりましたか?」

「ああ。少し眠るとしよう。アイルはおかしくない。」



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