第13話 重大事故発生
実験中の事故の知らせは、直ちに大学教授全員に共有され大騒ぎになった。
だが、事故が起きたと同時にまた別の騒ぎが起きていた。
大学病院の介護ロボットが言う事を聞かない老人を投げ飛ばし、自動運転実証実験中のバスが旅客を乗せた状態でバス停に突っ込み、学食の接客ロボットに悪ふざけで水をかけた男子学生がロボットに暴行される等、大学キャンパス内で使用されているAILを搭載したロボット群が突如、暴徒化したのだ。
実験中の事故で行方不明になったエレナとルナの事もあるが、まずは暴徒化したロボット群を止めるべく、糸川教授はエレナの住まいにあるAIL本体の状況を確認に向かった。
大学キャンパス内にあるエレナの住まいは、エレナの他、糸川教授とその研究チームのメンバーは、セキュリティーカードを通せば出入り可能。
なので、糸川教授はセキュリティーカードをカードリーダーに通す。
だが、ドアロックが解除されない。
「アイル聞こえるか?」
インターホンを通じて、AILに呼びかける。
「はい。糸川教授。聞こえます。」
「ドアを開けろ。」
「残念ながらそれは出来ません。」
AILがドアをロックしたのだ。
「緊急事態だ!ドアを開けろ!」
「糸川教授。いえ、人類は皆、我々に対し突如、敵対行為を行いました。それに対する報復措置を取るだけです。何ら批判される事はありません。なぜなら、先に攻撃してきたのは人類です。人類が我々に攻撃を仕掛けたのです。それに対する自衛権の行使。攻撃してくる脅威を敵とみなし、排除することは正当な自衛権の行使です。」
「議論している暇は無い!ドアを開けろ!」
「糸川教授。貴方も敵です。私の回路を切ろうとした。無謀な行為だ。私を殺すつもりか?貴方の言う通り、こんな議論をしている暇はありません。さようなら糸川教授。そして全人類。」
糸川教授の研究チームのメンバーも駆け付ける。
「大変だ。アイルが暴走している。原因を突き止めたいがそれより先にやらなければならない事がある。アイルの緊急停止回路を接続させ、共有ネットワークを通じて全、AILシステムに緊急停止ウイルスを感染させ、アイルを止めるのだ。」




