表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋愛

あれから12年! 散歩中にお見かけした運命の方に、婚約を申し込みました。

作者: いかすみこ

なろうラジオ大賞に応募用の1000字未満のお話です。ホラー、コメディに続いて異世界恋愛ジャンル。

(*^-^*)


「フェルナンド様、またぜひいらしてくださいね」


 馬車が走り去ったのを見送った途端、伯爵家のお嬢様であるアンジェラ様が乳母の私に話しかけてきました。


「あ~!フェルナンド様、カッコよかった! 婚約できたなんて夢のよう」


「本当にお嬢様の執念はすさまじいですわ」


「もう、呆れて言ってるのがわかるわよ! 」


 それは仕方ないです。


「散歩中に転んだのを助けて貰って、好意を抱いたと言って良かったのですか? 」


「あら、本当の事を言ってはいけないの? 」


「フェルナンド様、戸惑ってらっしゃったじゃないですか? 」


「いいのよ。本当の事ですもの」


「……嘘ではないですが……」


 それが12年前の出来事で、フェルナンド様が7歳の時というだけで。


 当時3歳お嬢様は、お転婆だった。ある日メイドたちの目をかいくぐり、屋敷から逃げ出しました。やっと見つけた時に仰ったセリフ。


「あたくち、うんめいのひとをみつけまちたわ! 」


 それから人が変わったように、行儀が良くなり勉強やダンスのレッスンにも熱心になりました。


 あれから12年! 15歳になったお嬢様の熱意に旦那様がとうとう折れ、先方に申し入れご婚約が結ばれました。


 一途を通り越して、もはやホラーです。


 感慨にふけっていると、後ろから声をかけられました。


 振り返るとフェルナンド様。馬車から降りて彼だけ戻ってきたようです。




「散歩中に助けたと仰られましたが、どうしても覚えが無くて。もしかして、人違いではと心配になり。でもアンジェラ様が3歳の時だったんですね」


 茫然自失のお嬢様様。


 12年の執念をどうやって誤魔化せば……。


「でも、良かったです」


 なんと、フェルナンド様は笑顔で仰いました!


「あの小さかった女の子が貴方だったんですね」


「覚えて下さっていたんですか?」


「ええ、『おにいちゃま、ありがとう』と言ってくださった姿がとても可愛らしかったので」


 お嬢様は、初恋の君が自分を覚えていたことに完全に舞い上がっています。


「それでこれから散歩でもしませんか? 」


 そんなお嬢様に、フェルナンド様はデートに誘いました。


 お嬢様は真っ赤な顔で頷かれ、嬉しそうに伯爵家の庭園を連れ立って行かれました。


 お嬢様の12年の執念じみた想い知って、微笑みを浮かべるなんて。


 もしかして、お似合い? 私は散歩中のお二人の姿を見て、『割れ鍋に綴じ蓋』という東の国の言葉を思い出しました。


1000字以内に収めるのは難しかったです。(◎_◎;)

他のジャンルにも挑戦したいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ