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第5話

過去に別サイトで投稿したままの状態で投稿しているため、文章の構成でおかしな箇所があるかもしれません。ご了承ください。

 最後の料理を食べ終えた四人は店を後にした。街はクリスマスムード一色で、街路樹はライトアップされ煌々と輝く。「美味しかったね」「また来たいね」などと会話をしながら、最寄り駅を目指して歩く。

 

 近道となる細い裏路地を抜け、着いた駅は静寂の中にあった。ベンチに座り込む男性は泥酔し、スーツを着崩している。話すなら今しかない。そう思った時には、こう口にしていた。


「あのさ、みんなに話したいことがあるんだ」


三人は不思議そうにマナを見つめる。ミナミは興味あり気に「何々?」と聞いてきた。リュウは何かを察したのか、向かい合わせに座れる休憩スペースを指し、「とりあえず座ろうか」と言った。近くにある街灯に群がる虫が目に映る。


「で~、話って何?」


佳音はフワフワのマフラーに顔を埋める。酒に酔っているのか、語尾を伸ばして話す。マナは目をぎゅっと閉じ、覚悟を決める。


「重くならないで聞いて欲しい。私、高校生時代、リュウとミナミが好きだった」


三人は目を丸くしながらも、「おっ、過去形だけど嬉しいこと言ってくれんじゃん」「リュウ君に対しては過去形でも間違いないでしょ~?」「そりゃそうだな」「でも、マナ~、私のこと忘れてるの?」「いや、忘れるわけないだろ」「ハハッ、そうだよね~」とリュウ・佳音夫妻はイチャつく。ミナミも「私も、過去形だけどそういってもらえて嬉しいよぉ」と喜んだ。マナは黙ったまま俯いていた。途中でマナの醸し出す雰囲気に気付いたのか、三人は会話を止めた。そして、「マナ、あのさ…」となぜか佳音が口を開いた。語尾は伸びていなかった。


「その『好き』って」


マナは小さく頷く。三人は同時に俯いた。マナは作り笑いを浮かべ、「女が男性も女性も好きって。私、変だよね」と言葉を繕う。しかし、三人は気遣って、「そんなことないよ。僕はマナが変だとは思わない」「私もそう思うよぉ」「マナは変じゃないよ~」とマナに声を掛ける。この優しさが、逆にマナを苦しめる。アルコールがもたらした酔いなのだろうか。目から一筋の涙が零れ落ちた。


「ごめんね、こんな話しちゃって。私のことは気にしないで」

「マナ。聞いたから言えるけど、僕はマナのこと少しでも理解してあげたい。だから、もっと話聞かせてよ」

「リュウ君の言う通りだよ。私はマナがどんな人を好きになってもいいと思うな~」

「そうだよ。力になれることがあったら、何でも言ってぇ」


マナは大量の涙を流し、「ありがとう」と言った。


 電車が来るまでの間、マナは三人の眼を見ながら、マナ自身の恋愛事情について話した。リュウは静かに頷き、ミナミと佳音は涙を浮かべている。高一の十月に気付いた自分の本当の気持ち。幼馴染の弘樹以外には怖くて伝えられなかったこと、自分は変だと悩んでいたあの頃が、今となっては懐かしい。二十歳を過ぎて初めて、親友と呼べるミナミ、リュウ、佳音に伝えられた思い。その瞬間、マナは同じ悩みを持つ誰かの答えになりといと思った。

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