転移先
「っ！…………ここは…………？」
突如転移陣が赤く光りだしたと思えば次は全く見覚えない場所にいた。
「どこだ？」
そこは先程までいた洞窟のような場所とは真逆の辺り一面木や草に覆われた樹海だった。
さ、3回目？トロールからミノタウロスになってそのミノタウロスは変異種で今度は別のダンジョンに転送ってマ？もしかして何かに憑かれてる？お祓いしてもらった方が…………
:さすがに伝説の予感
:ボス変化→変異種→別ダンジョンへ転送はさすがにもう伝説超えてるだろ笑
:ならなんだ神話か？w
:運悪すぎて草
:どれだけ前世の業背負っとるんや………
:前世大犯罪者で草
あ、いきなりすぎて皆こと忘れてた。て言うか後半酷すぎるだろ！！基本は善人だったぞ！やり返しすぎではあったかもしれないけど………
「俺の前世とかは別にどうでもいいんですよ！！そんなことよりここがどこかわかる人いませんか？」
:俺らが！
:分かるわけ！
:ないだろ！
:たこ！！！
:コメ欄の団結力脱帽
:さすがに草
ほんとだよ！なんでそんなに仲良いんだよ。それに3万人以上見てるんだし誰か一人ぐらい心当たりがあってもおかしくないはずなんだ………！
:マジレスすると………知りません。
:実際問題樹海系のダンジョンとか見分けつかないしな
:まぁミノさんの変異種より強いのなんてそうそういないし大丈夫でしょ
:それはそう
「それはそうですけどやっぱ不安なんですよ。これでも初日なんですよ？」
:これ程「これでも」が似合うのも珍しい
:それな
:初日とは？？
:ワイの10年は一体なんやったんや………
:比較するなら人間と、やで
:人型モンスターと比べてもしょーがないで
:それもそうやな、ありがとう！！
「おい！ちゃんと人間ですよ！！断じて人型モンスターなんかじゃありませんよ！」
:でも人型モンスターって言われても納得する。
:それはそう
:てか逆に人って方が信じられん
:やってる事が人間離れというより人間卒業なんよね
:同じ人間って言われた方が違和感
「っ！そ、そんな事よりここがどこかの方が重要だと思うんですけど！」
:逃げた
:逃げたわね
:でもまぁそれはそう
:広いダンジョンだと1層ごとの広さが香川県より広いらしいしな
:まぁ、それは例外みたいなもんたげどな
:でもどこかも分からず飲食物もなしって考えたら割と絶体絶命？
「割とじゃなくてちゃんと絶体絶命なんですよ！これだけいるんですから誰か分からないんですか？」
:本当に心当たりがない
:心当たりっていうか似たようなダンジョン何個かあるしなぁ
:それに樹海とか森林系のダンジョンなんて見分けつくわけないしな
:まぁ、強く生きてくれよな！
うぅ……視聴者が1人も役に立たない…………。マジでどうしよう……？
ザシュ！
後ろから突如襲ってきたウルフ系のモンスターを異空間から呼び出したクレシオン振り向きざまに両断する。
「ふぅ」
:やっば！
:えぐすぎ
:あ…ありのまま今起こったことを話すぜ！配信を見てたらいきなりモンスターが死んでたんだ。何言ってんのかわかんねーと思うが俺も何が起こったのかわかんなねー。
:草
:一体どんなスキルなんや……
:っぱし人外か………
コメントが驚愕や賞賛の声に包まれる。不意に後ろから襲ってきたモンスターを逆に斬り殺すなどベテランの探索者であっても出来る者はそういない。それだけの事をしたのだから当然と言えるのだが本人からすれば及第点もいいところであった。
:というかこのモンスター一角狼じゃね？
:確かに
:ならここAランクの青木ヶ原ダンジョンじゃね？
:あ〜確か一角狼ってこういう樹海系のダンジョンはほぼ出ないだっけ？
:確かそう。日本でてるのは青木ヶ原だけ
:えっ！？
:うわぁ………。
青木ヶ原ダンジョン。Aランクに位置するダンジョンでありダンジョンの広さ、モンスターの多さは日本のダンジョンの中でもトップに位置している。
:てか一角狼って危険度Bじゃなかった？
:それを一振で？
:やっぱSランクモンスターかなにかだろこいつ
:少なくとも初心者は嘘だろ
:ま、まぁ一角狼が危険度Bなのは群れてるっていう前提条件があってのものだから………………
:だからといって単体でもCはあるし一瞬で殺せる理由にはならないだよな
「だから皆さんと同じ人間ですってば。そんな事より場所がわかったなら出口とか分からないんですか？」
:わかんね
:俺らに分かるわけないだろ！
:ファイトー
あー！もう！言ったら怒られるだろうから絶対言わないけどほんとに役に立たないな！！
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