マジックアイテム
「指輪？」
宝箱の中に入っていたのは特に装飾もされていない1つの指輪だった。
「何だこれ？」
指輪を手に取り上下左右と確認するが鑑定のようなスキルもないためどんな能力があるのか全く分からない。
「まぁ、とりあえずもっていくか。」
ん〜、正直何も分からないから反応に困るな。とりあえずつけてみるか。・・・・・・別に何も変わらないな。もしかして効果なし………？い、いやイレギュラー×2から出た宝箱に限ってそんな事は有り得ないだろ。とりあえず協会に持ってって鑑定してもらうか………。
「そろそろ帰るか。」
ちなみにダンジョンから帰るのは階層ごとにあるワープゾーンから帰ることが出来、入る時も2度目からは前回出た階層に戻ることが可能だ。
「ああ、その前にハルバートだけでも」
ミノタウロスの体は無理でもあのハルバードだけなら持っとけば身につけてるもの認定されるかもしれないしな、持って帰ろるか。
踵を返して亡骸となったミノタウロスの元にまで近づく。落ちてあるハルバードを右手で拾い上げる
「おっも！」
魔力で身体能力を強化してるおかげで持てないことは無いがそれでもとてつもなく重い、本当に重い。が、ミノタウロスのイレギュラーが使っていたハルバードだ。放置するのはさすがに勿体ない。マジックポーチさえあればなぁ。簡単に持って帰れるんだけどな……。そう思った瞬間ハルバードか右手から消えた。いや消えたというの少し語弊がある右手のリングに吸い込まれた。もしやと思い出ろ、と頭の中で念じてみると吸い込まれて行ったハルバードがリングから外に出てくる。
「マジックリング？」
マジックリング、それはマジックポーチやマジックバックと同じく物を収納型の魔道具だ。収納型の魔道具にはハンドバックやリュックなどのカバン型の物や指輪やブレスレット、ネックレスなどのアクセサリー系の物があるのだがアクセサリー型の収納型の魔道具はカバン系のものとは比べもならない程希少なのだ。ダンジョンが出現して16年経ったが全世界で10と見つかっていないと言われている。
それに性能もカバン型のものと比べ段違いだ。まず収納量が全然違う。カバン型のものは1番容量が大きい物で大型船程度なのだがアクセサリー型は文字通り次元が違う。アクセサリー型の収納魔道具は容量が無限だと言われている。実際に測れた訳ではないがこの16年で1つとして限界までいった物は存在していないため現状アクセサリー型の魔道具の収容量は無限だと言われている。2点目にアクセサリー型は総じて収納先の時間が止まっているらしく、どれだけの期間物を入れても腐らないらしいのだ。カバン型にも似たような物はあるらしいが完全では無いらしくアクセサリー型と比べると劣化版と言わざる得ない。
「本物か？」
と言っても本当にこの指輪がマジックリングかどうか分かるのは協会で鑑定してもらってからにはなるがハルバードが吸い込まれ念じたら外に出てきた事実を鑑みればほぼ確実にマジックリングで言える。
さすがにこれは当たりどころの話じゃない。当たりも当たり、大当たりだ。それこそオークションにでも出品すれば数百億は軽く超えてるような代物だ。
「これどうする？」
アクセサリー型の収納魔道具はその希少さと性能から世界中の様々な人が喉から手が出るほど欲している。過去にはこのマジックアイテムをめぐって殺人まで起こったことがあるほどだ。
「ほんとにどうしよっかな〜」
嬉しくはある。正直めちゃくちゃ嬉しい。だが同時に厄介事か舞い込んで来そうでとても反応に困る。とりあえず一旦外そう。つけてるの怖いし
「え？外れない？」
指輪に手をかけ外そうと力を込めるが全く外れない。ぴっちりくっついている。それに何故か全く違和感がない。ずっと着けて過ごしてきたみたいな……。そう言えば聞いた事あるな。物にもよるがアクセサリー型のマジックボックスは一番最初に装着した人が死ぬまで外れないみたいな…………。
「………………………………」
ま、まじでどうしよう……。配信が義務なせいでこれも全世界に見られてるし………あっ！
「配信してんの忘れてた！！」
今どうなってるんだ！？かんっぜんに忘れてた。今どうなってるのか見るの怖いな……………
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