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マキナロク~ 自由気ままに異世界を振り回す~   作者: macao
ブリューレイク王国
21/23

魔の森の遠征3



ミーミル湖に着くと私の周りにはケレスにロー、レム、ラムはもちろんシルフィーと精霊達がベッタリ張り付いている

メイは安定の肩にいます

私の疲労が分かるのか心配そうに寄り添う子達に癒される

リーヴ君?私の腕の中ですが何か?

ライトボールを数個出して夜ご飯の準備をレン達にさせる

私は今日疲れてるからしないわよ?

ご飯が出来る間リーヴ君をもふるのを止めない


もふもふ


きのこのスープと魔物の肉の串焼き、固いパンが出てきた所で遅い夕食とする

私はその固いパンに«発酵(はっこう)»をかけてみる

するとあら不思議!さっきまで固いパンが柔らかいパンに!

ってなんでやねん!

焼いたパンに発酵かけたら柔らかくなるっておかしいでしょ!

そんな動揺を見せずに柔らかくなったパンを食べてみると…

ふわっふわっ!高級パンみたいに美味しい!

私に抱っこされ悟りきった目をしたリーヴ君にも柔らかいパンを、あーんして食べさせるとリーヴ君の目に輝きが戻ってきた!

「あー!リーヴだけずるい!マキナ様!シルフィーも!」

固いパンをほじくって遊んでいたシルフィーが私達に気付き

あーんを要求してくるのでしてあげる

「美味しいー!」

ほっぺを両手で挟んで喜ぶシルフィーがいると当然

⦅マキナ!⦆⦅ずるい!⦆⦅ぼくも!⦆

固いパンをガジガジしていた

ロー、レム、ラムも欲しがるわけで、

«発酵»をかけて柔らかくなったパンの中に焼いてある肉を挟みケレスから順番に分け与えていると

レン達の視線に気付くがスルーして最後の一個をリーヴ君にあげる

リーヴ君は私にお礼を言って肉挟みパンに夢中でかぶり付く

もちろん私に抱っこされたまま…


「なぁ…マキナ「さて、ご飯も食べ終えたところで本題にいきましょうか」

レンが何か言おうとしていたが言わせない私


「…本題?」

今まで大人しかった双子の男の子の方が口を開く


「私は結果としてあなた達を助けたのだけど、あなた達は私に対価として何を払うの?」


「は?」救助された4人は呆然とするが私は当たり前の事しか言ってないよね?


「リーヴ君は今支払ってるし、レンとマリーももちろん払うわよね?」

私に抱っこされているリーヴ君が又もや悟りの目になる

「まぁなぁ」ポリポリと顔をかくレン

「そうね、結局マキナに助けて貰っちゃったもんね~」


「な!なんで払わなきゃいけないんだ!」

「そうだ!」

助けた男が叫び出す


「え?無償で助けたと思ってるの?私と一切関係のないあなた達を?」

「確かに助けて貰って感謝はしてる!でもレンさんとマリーさんが払うのは何でだ?」

「感謝?私まだ感謝の言葉ももらってないわよ?」

双子の男の子のセリフで私は面倒くさくなりマリーに視線を移す

「あんた達が危ない目に遭ってるって気付いたマキナに私達が頼んだのよ」

「でも!」

「そもそもなぁ冒険者は全部自己責任だ!生きるも死ぬもな!」

「俺達は助けられるなら助けたいからマキナに力を貸して貰ったんだ」


マリー、レン、リーヴ君の台詞で黙る男達


「冒険者が救助を求める場合それ相応の対価を支払うってギルドにも規定があるの知ってる?」

「今回は俺達がお前達を助けたくて勝手に助けたけど、マキナからしたら違うわけだ。それともあれか?お前達はあのままレッドコカトリスに殺されてもよかったのか?」

「…しかも君達が無謀にしたことで魔の森の遠征が長引いてもっと大変な事になっていた可能性だってあるんだ」

少し怒っているリーヴ君のしっぽがテシテシと私の太ももに当たる。



そうね、万が一レッドコカトリスも倒されてしまったら

北と東に続き西も荒れるわね

そうすると必然的に南も荒れて魔の森から魔物達が溢れて

冒険者ギルドだけじゃ手に負えない事態になっていたでしょうね


私の呟きに4人がやっと事の重大さに気付いたのか青ざめる


私はこの人達を助けたつもりはないんだけどね

ロー、レム、ラムの訓練にもなったし

魔の森のためにレッドコカトリスを落ち着かせただけで

結果この4人は助かっただけ。だから本当は対価なんて要らないんだけど、こうして対価を求めているのは

自分達がどれだけ馬鹿で阿保で無謀な事をしたかを分からせるためだ。…まぁただ単に気に食わないってのもあるけど

世の中ギブアンドテイクなのよ


「あ、そうそうロー達も後でケレスにしごいてもらいなさいよ?」

ロー達は耳をピンっと立てた後少ししょんぼりする

⦅わかった!⦆⦅オレ全然戦えなかった…⦆⦅うん…ボクも…⦆

「うむ、子等にはいい勉強になっただろう」

そうね、レッドコカトリスに全く歯が立たなかったものね?

見事に吹き飛ばされてたし

ケレスのスパルタ訓練が始まりそう


「レンとマリーには私の実験体になってもらおうかな?」

この時マキナはニコリと笑って言ったつもりだが

レン達にはニヤリと笑っている様に見えたとか…


「あなた達は自分で考えて誠意を見せて」


マキナはそう言うとリーヴを離さないまま

ケレス達と共に大きな木の根本に行き

大きなベットを出して横になろうとする

「マキナ!さすがに一緒に寝るのはダメだぞ!」

リーヴがぐいーっと肉球でマキナの顔を押さえて抵抗する

「…っち、仕方ないか」

「!!いま舌打ちした?!」

マキナから自由になったリーヴが太くなったしっぽを握って

ジリジリとマキナから離れる


双子達はお互い顔を見合せ黙り

助かった男達も大人しくしていた


リーヴ君を解放して寂しくなった空間を埋めようと

側にいたローを抱っこしようとするが

どうやらケレスのスパルタが始まるようだ

まだ小さいメイを撫でよう。

左手に仰向けで乗せ右手でお腹をうりゃうりゃ

⦅みゃっみゃっ⦆

くそかわ!


突然目の前でケレスと子供達の戦闘が始まりびっくりする4人組と感心するレン達


「おい!すげなぁ!」

「救助の時もすごい勢いで俺達を抜いて行ったよね」

「子狼だけど力はあんた達より上よ?」


ケレスがレッドコカトリスとの戦闘を再現するかのように

レムとラムを吹き飛ばす


「きゃっ」「わっ」「「うおっ」」

離れているのに尻餅をつく4人

レン達は立ったままだ


「俺も混ぜてくれ!」

レンが飛び入り参加して更に激しい訓練になる

その光景を唖然と見つめている4人

「なんなんだよ…あのシルバーウルフ」

「レン様を軽く相手してる感じ…」

レンを軽くいなすケレス、むしろレンとロー達を同じように訓練しているシルバーウルフに驚き

そんなシルバーウルフの契約者マキナは何者なんだとマキナに視線を移すと

当の本人はベットの上で緑の小さな猫と猫じゃらしで遊んでいた…

リーヴとマリーにはシルフィーも一緒に猫じゃらしで遊んでいる姿が見えた


この状況に釈然としない4人組と

特訓に夢中なレンとケレス達

それを見守るマリーとリーヴ君


夜はふけていく。





ロー達の訓練が終わり皆が寝静まった夜更け

ミーミル湖に静かな歌が流れる


「~~♪」


ミーミル湖の畔でケレスと子供達とシルフィーに囲まれたマキナが歌っている

服装もいつもの白いワンピースだ

この間歌っていた曲ではなくアーティストは同じだけど

今回は時の歌

先の分からない日々も時が経てば分かるよって歌詞の歌で

日本に居た頃に随分励まされた曲

歌詞の間にそのアーティスト特有の歌詞のない旋律があって

それがとても好きでよく聞いてたな

日本に居た時は歌えなかったその部分がこの世界(ユミール)に来てから自然と歌えるから歌うのが楽しく思う

私が楽しいと思ったのが伝わったのか精霊達が私の歌声に合わせて踊り出したのでアップテンポの曲に変更する

歌詞もリズムもこの場に合うようにアレンジすると

精霊達だけではなく魔の森に生息している動物達も出てきて

ミーミル湖に集まる

私も楽しくなりロー達を連れて湖の上を一緒に走り回る

メイも走りたそうにしているので空を走れるように魔法をかけるとシルフィーと一緒に精霊達と空で舞う

月の光で輝いている毛並みのロー達と湖の上で歌いながらくるくると踊るマキナ

上空にはメイとシルフィーに精霊達

ミーミル湖の周りには沢山の動物達

それを見守るフェンリルのケレス

賑やかな雰囲気に起き出していたリーヴ達はその神秘的な光景を唯々(ただただ)静かに見つめているだけだった。


そしてマキナもケレスもシルフィーでさえ気付かなかったのだが

ミーミル湖では微かな変化が起こる

光の一番強い場所に、闇の一番強い場所に、

小さな小さな輝きが――――





朝日に照らされ明るくなった魔の森を

シルフィー、ロー、レム、ラムを先頭にリーヴとレンとマリーがそれに続き北に進む


「なんかよぉ昨日の夜、不思議なもんを見た気がするんだが…」

「そうだね、私も見た気がする」

「気がするんじゃなくて見たんだぞ?」

リーヴの指摘に

「夢じゃなかったか」と納得するレンとマリー

後ろからケレスに乗って付いてくるマキナを見る

「マキナが神族だって認識した光景だった」

しみじみ言うリーヴにマリーが思い出したように

「そう言えば少し前にうちの屋敷の全員が爆睡するって現象が起きたんだけどね?それってマキナが子狼達に子守唄を歌ったせいなんだって~」

「え?闇魔法の睡眠(スリープ)じゃなくて?」

「うん、ただの子守唄らしい」

「…」リーヴの好奇心が沸き上がる

「…俺達って何の実験体にされるんだろうな?」

「!」リーヴの好奇心がさらに強くなる


昨日も来たブラックサーペントの縄張りを抜ける頃には

無駄口も叩かず真剣な表情で周りを警戒するレン達

北の調査の開始だ

助けた4人組は足手まといなのでミーミル湖でお留守番させた


中層部まであと少しのところで激しい戦闘音と雄叫びが聞こえる


グオーーーン!!

ドーーーン!

バキバキバキッ!

シャァァーーー!!


リーヴ君の魔法で気配を消し

気付かれないギリギリの範囲まで近付くレン達

ロー達も異様な空気にケレスの元に駆け寄る

そしてゆっくり近付き目に入ったのは…


ブラックサーペントより一回り程小さいがそれでも迫力のある

双頭の蛇と双頭の狼が戦っていたのだ

どれだけの戦闘を繰り返しているのか双方共に傷だらけだ

レン達は戦闘している二匹を確認すると

レンのハンドサインでその場からゆっくり離れる


警戒したまま北の外層部まで来たレンが口を開く

「あれはゴーグとオルトロスか!」

双頭の蛇の魔物がゴーグ

双頭の狼の魔物がオルトロス

「うん、あの戦闘は次のボス争いだと見て間違いないね」

リーヴ君がもふもふの手をあごにおき考える

「決着がつくまでは見張りが必要そうだよね?」

「あぁ、一先ず見張り組とサポート組を残してメドラドに帰還する手筈を整えるか」


レンの言葉によって

リーヴ君とマリーが各班が所持している魔法道具に向かって伝達魔法を飛ばす


伝達魔法が各班に伝わったのを確認したレンが指示を出す

「よし、いまから俺達は西の外層からミーミル湖に戻って4人組(あいつら)を拾って南から集合場所に行く」

今いる北から西に移動するのはボス争いをしている二匹とその周辺にいる魔物達を刺激しないためだ

只でさえ魔の森は中層に行くのでさえ大変な森なのに

今の北と東の魔の森の魔物達はいつも以上に興奮状態だ

そして南から魔の森を抜けるのは4人組のせいで怒った西のレッドコカトリスをまた刺激させる可能性を避けるためだ


レン達は気を緩めずにミーミル湖まで向かい4人組を拾って

南の深層部を慎重に進む

襲ってくる魔物達をロー達と連携してなんとか倒すレン達

完全にびびって動けない4人組

レン達が倒せない魔物や4人組に襲いかかる魔物を次々と

レ○ガンで倒すマキナと爪であっさり倒すケレス

そして南の中層部に入った時

「おう!レン!」

5人組の鎧を()けた男達が手をあげながらこちらに向かってくる

「バーズ!」

「随分と大所帯だな?」

レンはこれまでの経緯を軽く説明しながら

南の調査班のパーティーと合流して魔の森を無事に抜ける


そして魔の森の調査班の全班が集合して

バーズ達のAランクパーティーとBランクのパーティーが魔の森に残り北のボス争いの決着を見張るそうだ


そして日も暮れた頃レン達調査班がギルドに帰還した














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