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マキナロク~ 自由気ままに異世界を振り回す~   作者: macao
ブリューレイク王国
14/23

~ガラハットサイド~


この大陸の大国であるブリューレイク王国が総力を上げて迎える湖の乙女の儀式が間近に迫った頃

ブリューレイク王国の都市マリンベルにそびえ立つ

王城の一室では

夜も更ける時間帯ではあるのだが

この国の国王と宰相、国王直属の騎士である聖騎士団長ランスロット、そしてランスロットの部下である聖騎士ガラハットが

儀式の式典について話をしていた



「では、この件に付きましてはこれで」

「あぁそれでいい。よし今日はここまでにするかーー」

国王が指で目頭を押さえながら皆に解散の言葉を発するが―――



「ん?」「これは…」

私は乙女の湖に大精霊であるウンディーネ様の気配を感じた

ウンディーネ様の加護を戴いている国王陛下とランスロット騎士団長も気付かれたようだ


「国王陛下、乙女の湖にウンディーネ様が化現されたようです。ご挨拶に行かれますか?」

ユミールでは四大精霊は神の遣いと崇められていて

この大国を治める国王陛下でも大精霊に御見目通し出来る機会は滅多にない


「あぁ、直ぐに伺おう」

「「はっ!」」

私達は敬礼し、王城内だが陛下を護衛しながら

月明かりの中、城の裏にある湖に向かう


湖に着くと

湖の上に佇むウンディーネ様と

ウンディーネ様に祝福された乙女‘精霊の使い’ヴィヴィアンが側にいた


「ウンディーネ様お久しぶりです」

国王陛下が片膝を付き挨拶するのに続き、私達も片膝を付き挨拶をする


「皆さんお変わりないようで」

ウンディーネ様は優しく微笑み私達にお声を掛けてくださる


「私が此処に来たのは儀式の事もありますが皆さんにお願いがあって来たのです」

ウンディーネ様のお願い!?

それはこの国が始まって以来初めての事では!?

皆が緊張した面持ちでウンディーネ様の次のお言葉に耳を傾ける


「私達精霊にとって(とおと)き方が湖の乙女の儀式を御覧になるため此処まで来てくれるのです。なので儀式が近くなったら私がお迎えに上がろうと思ったのですが、シルフが付き添っているので心配はないでしょう」


「!!!」

ウンディーネ様のお言葉を聞いた全員が息を飲む

精霊にとって尊き方?

シルフ様も化現されている?


「ただ、この国で不便がないように取り計らってくれると助かるわ」


「…はっそのように致します!」

衝撃の発言に一瞬反応が遅れてしまったが私は何とか再起して答える


「ウンディーネ様、その尊きお方が今どちらにいらっしゃるのかお伺いしても?」

精霊の使いヴィヴィアンが質問する


「ミーミル湖ですよ」

この世界の中心部。入るものを選び悪しきものは入れず

とても神聖な場所だと言われている

そのミーミル湖に尊きお方がいらっしゃると


「分かりました。では、尊きお方が不便のないよう王都までご案内すればいいのですね?」

ウンディーネ様はランスロット騎士団長の言葉に満足したのか笑顔になり頷き

「えぇ、でもマキナ様が嫌がることはしないようにね」

にこりと微笑みながら、そうおっしゃり姿を消された。


「「「「「………。」」」」」


その場で呆然とするわけにもいかず

陛下のサロンで話し合うことになった


「これは大変な事になりそうだ…」

また指で目頭を押す国王

「えぇ、精霊達にとって尊き方とは一体…」

青いケープコートを身に纏っているヴィヴィアン

「本来ならば四大精霊の尊き方は創造神であられるが、マキナ様と仰いましたな」

顎髭を触る宰相

「我々の知っている神とは違うな」

「聖女の名でもないようですし…」

騎士団長と私も困惑している


「とにかくミーミル湖に迎えに行くとしたらメドラドからになるだろ?モルドレッドも呼ぶか」

陛下の言葉に宰相閣下がメドラドの領主でもあるモルドレッド隊長を呼ぶ手配をする


「マキナ様とはどんなお方なのでしょう?」

ポツリとヴィヴィアンが呟く

「シルフ様と行動しておられるとか」

「ならばエルフの民か?」

「エルフの王族でしょうか?」

「この大陸ではなく隣の大陸の王族かも知れませんな」

「隣の大陸か…」

国王陛下は渋い顔をする

隣の大陸とはまだ国交はないが

冒険者ギルドとサルディーニャ共和国の商人ギルドが連携して

魔導船を出し、ギルドとして交流を持つようになったが

その者達から聞く話ではいい話は聞かない

人間至上主義と(うた)う神国に

争いを求める軍事国と獣人国

この大陸にも獣人国はあるが彼らは比較的穏やかな者達だ

北にある帝国は戦争を仕掛けてくるが我が国からしたら

そこまで脅威ではない

サルディーニャ共和国にある教会も我等が知る神を崇める教会だし、隣の大陸の神国とやらの聞くに堪えない噂のような事はしていない

モルドレッド隊長を連れて宰相閣下が戻って来てからも話は続き

結果、王都から早馬を飛ばしても最速3日かかるのならば

我が国の古代魔道具(アーティファクト)の転移門を使うことにし、私がお迎えにあがる事となった

何故私に大役が回ってきたのか

その理由は私が光の聖獣ペガサスの守護を持っているからだ

ペガサスは人や物、場所などあらゆる穢れを嫌う

そのペガサスの守護を持っている私ならばマキナ様のお迎えが可能だろうとなった。


「モルドレッド隊長、行って参ります」

「あぁディナンにこれ渡しておいてくれ」

モルドレッド隊長から嫡男のディナン様にと手紙を預かる


「では、マーリン様お願いします」

転移の間に行き管理者の魔導師マーリン様に(ゲート)を開いてもらい門をくぐる



転移先のボルドス家に着くとディナン様に手紙を渡して協力をお願いし、私に馴染みのあるボルドス家の私兵五人を借り城砦の東門に向かう。



――――――――――――――――――――――――



貴賓室の窓から馬車に乗り込む少女を見つめる


「まさか聖獣フェンリルとは…」

城砦で見た時は目を疑った。

聖獣は精霊と人と寄り添って生きてはいるが人に使われる訳ではない

フェンリルはエルフの民の前にしか姿を表さない

あくまで聖獣は自分の領土を守るため人に力を貸すだけ

東西南北にある、人が管理出来ない広大な場所

そこを守る四匹の聖獣

そのフェンリルの背に乗っているなんて

彼女はフェンリルに守られている?

いや、私は彼女には敵わないだろう。佇まいからして普通の少女ではないのは明らかだ…魔力の流れも尋常ではなかった

シルフ様からもマキナ様と言われていたな

大精霊の主とは一体…

それに、聖獣であるフェンリルの子供誘拐事件に瘴気か。

問題が山積みだ――――――


ボルドス家の兵士から彼女が運んできた男達の報告を聞く

「はっ!事情聴取は滞りなく」

「そうか」

「むしろ順調すぎますね」

「どうゆうことだ?」

「全員が包み隠さず自白しているようです」

「フェンリルを誘拐してブラックサーペントを焚き付けたんだぞ?たかが盗賊や山賊の仕業だと思えない。大きな組織が絡んでるのは目に見えているがそれを自白していると?」

「えぇ全員なぜか怯えて泣きながら自白していると…」

「サクソン家のご子息は?」

「男達を捕まえた状況を説明いただき、冒険者ギルドに報告に行きました」

「そうか、なるべく早く報告書をあげてくれ。それと魔の森の警戒を怠らないように」

「はっ!」


明日、サクソン家のご子息からも直接聞いてみよう

王都に送る報告書をまとめて騎士団から持ち寄った仕事に取りかかる

しばらくしてボルドス家のセバスが私を迎えに来たので

仕事を切り上げディナン様の元に向かう


「やぁ、お仕事お疲れ様」

モルドレッド隊長とは似ていない穏和な笑みを浮かべるディナン様と応接室で向かい合う


「それで彼女の様子はいかがでしたか?」

私の質問にディナン様は少し困ったように眉を下げながら

「様子も何も…君の精霊は今いるかい?」

何を?そう思い私の水精霊を呼び出すが

「ララン。…ララン?」

「彼女の側だよ。僕の子も皆の子もね」

ディナン様が苦笑しながら教えてくれる


メドラドの街中の精霊が彼女の元に押し寄せてきたと?

「精霊の尊き方…魔力の根源…?いやそれは違うか?」

「彼女は一体何者なんだろうね?世界の凪か揺れか」

ディナン様の言葉にハッとする

「まさか…」


その時

屋敷を包むように暖かいものが流れてくる


「何?」

「これは…歌声?」


ディナン様と頷き合い一階の応接室から外に出ると

歌声はハッキリと聞こえる。やはり彼女の部屋からだ

なんて美しい歌なんだ…私も屋敷の外にいた精霊達も動物も

誘われるように近づく

姿は見えないが神々しさが溢れていると例えればいいのか…

慈愛の歌なのか…?心がとても満たされる

歌が終わり彼女が部屋に入った気配がし、

ハッと気がつくと屋敷の使用人や兵士までもが外に出ていた


彼女が気付き騒ぎにならないよう皆を下がらせ

まだ余韻に浸っているディナン様と応接間に戻る


彼女の存在に心当たりが出来たが確証はない

しかも私一人で決めていい話しではない

彼女をもうしばらく見守り王都に着いたらすぐに国王陛下とランスロット騎士団長、魔導師マーリン様に相談せねば―――。













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