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ランカーゲーム

いやぁ、ついに書き始めちゃいましたよ。

恥ずかしい。。

―俺達は絶対に負けられない―


タケル「こんな言葉を口にする様になったのはいつからだろう。」


3ヶ月前 2784年.6/14

嶺賀城高校に通う学力も平凡、運動もそこそこ、顔も...まぁまぁか。


タケル ―あーあ今日もなーんも無い、いつも同じ景色変わらぬ日常。退屈な日々。今日もいつも通り授業を受けて家帰って飯食って寝る。本当に...つまんねぇ。―


いつもと変わらぬ日常。変わらない景色。いつもの平日。タケルは大きなあくびをしながら学校への登校の為坂道を登る。


マリナ「なぁに?タケルまーた大きなあくびしてさ寝不足?ちゃんと寝てるの?」


タケル―こいつは幼馴染のマリナ。いつまでも俺を子供扱いする。マリナは一つ歳上で高校3年生18歳で学業優秀、スポーツ万能。そして気に食わん事に何故かこいつがモテるらしい―


タケルは坂道を登りながら目を細めて太々しい態度を取る。


タケル「あー。ちゃんと寝てるって!本当にいつまでも子供扱いすんなよな」


マリナ「ちゃんと寝てるなら良かった!だってさタケル放っておくと心配なんだもん」


タケル「そーゆーのを子供扱いって言うんだ。もう高校2年にもなったしマリナがくっ付いてると彼女の1人も出来ないだろ!」


マリナ「あーら、タケル彼女欲しいんだ?私がなってあげようか?」


タケルは頬を赤くしてマリナを睨む。


マリナ「やだ、冗談冗談!タケル可愛いー!青春だねぇ〜。」


タケル「この野郎!いつもいつも」

タケルは顔を真っ赤にしたまま、マリナを睨んでいた。


マリナ「じゃ!私今日日直だから先行くねー!タケルもシャキッとしなさいよー?」


マリナはタケルにそう言い放って坂道を駆けて行った。


タケル―なんだよ。マリナのやつ。少しモテるからって余裕見せちゃってさ。―


だが、この時タケルはいつもより笑顔だった。


タケル―こんな退屈な日常にも楽しい事や嬉しい事、時には悲しい事、出会いや別れがあってなんだかんだ言っても俺はこんな平和な日々が好きなんだな。―


―だが、こんな平和な日々は突如として終わりを告げる事になる―


マリナと別れて3分程坂を登っただろうか、校舎が見えてくる。

いつもなら校門の前に体育教師のサトウが立ってる筈なのに今日は居ないみたいだ。


校門の前に着くとタケルは一つの異変に気付く。


タケル―後10分もしない内に授業が始まる。なのに何故...誰も居ないんだ。―


校舎の下駄箱。その前にはタケルと時を同じくしてマリナが立ち尽くしていた。


タケル「マリナ!!」

マリナ「タケル!!気付いてる?私達以外誰も居ない。」


タケル―今日は土日か?いや、違う。なんかの振替休日だっけ?いや、それも違う。昨日確かに担任は、また明日な!と授業を終えると俺達に言い放った―


タケル「何故授業がもう始まる筈なのに誰も居ない。」


2人は下駄箱の前に立ち尽くしたまま、数十秒の時が流れた。


マリナ「とりあえず、教室に行ってみよう!」

タケル「あ、あぁ。そうだな。とりあえず教室に行けば誰か居るかも知れない!」


2人はそれぞれ自分の教室へ向かう。タケルの教室は2階。下駄箱側の階段を上がって直ぐ左手にある教室。

タケルは教室の前に着く。そして、恐る恐る扉を開けた。

いつもなら男子生徒は教室を走り回り、女子生徒は好きな男子の会話で盛り上がる。いつもの日常がそこには無かった。


―誰一人としてそこには居なかった―


数十秒タケルは教室の扉を開けたまま動かなかった。


タケル―何だよこれ。何で誰も居ないんだ。授業は?いつもうるさいと思ってたあの騒音は?誰か。誰でもいい。誰か。―


授業開始の予定が鳴った。時間が動き

出したかの様にタケルは足を教室へと踏み出した。

タケルは窓際前から2番目の自分の席の前に行く。


そこには黒い手紙サイズの封筒が1通だけ置かれていた。封筒には外見からも分かる。右の端が少し膨らんでいる。

タケルは恐る恐る封筒を手に取る。


タケル―なんだこれ。右端が膨らんでいる。

豆か?BB弾か?なんか入ってる。―


タケルは手に取った封筒の中身を確認する。

中には黒い厚紙に金色の文字の手紙。そして、黒い円形1cmにも満たない玉が入っていた。

タケルは玉を封筒に戻し、手紙を手に取った。


 ―嶺賀城高校2年4組  穂村タケル様―


おめでとうございます。この度あなた様は

我々が主催する、Ranker Game に見事ご当選されました事をここに通知致します。

あなた様が今居る教室は、あなた様が元居た世界とは別の教室でございます。ここは我々が支配する世界。あなた様に拒否権、途中リタイア等の権利は譲渡されません事をご理解下さいます様お願い申し上げます。

つきましては、あなた様を含めた嶺賀城高校生徒30名の方には本日6/14 校舎隣接体育館にて詳しい説明を行います。30名の方全員がお集まりになられた時点でご説明に移らせて頂きます。ただしこちらの封筒を開封してから30分以内に体育館へいらっしゃらない場合は

ゲームオーバーとさせて頂きます。ご了承頂きますようお願い申し上げます。尚、本用紙と同封の封筒、そして最も大切な黒い玉。そちらを紛失されませんよう、お気をつけて体育館までお越し下さい。 RG委員会


タケルは絶句した。言葉を失った。


タケル―何言ってんだ?この手紙。なんだ?悪戯?30人?誰も居ないと思ってたこの校舎に30人人が居るのか?人が居るなら体育館だ。体育館に行けば誰かこの状況を説明出来るかも知れない。―


タケルは体育館に向かう。マリナの事は気になったが、誰でもいい。誰か居てくれ。そう願いながら体育館へ着くと、確かに人の気配がする。

冷たく、硬い扉を開くとそこにはおおよそ25名程の生徒が居た。


タケル―マリナはどこだ。まだ来てないか。―


マリナが来ていないのを確認する。辺りを見回すと体育館舞台上には映画館の様な大きさのモニター。モニターには数字で26。


タケル―なんだあの数字。―


タケルが体育館に入って1分もしない内にマリナが体育館へと入って来た。


マリナ「あ、タケル!教室行ったんだけど居なくて。タケルの机にも黒い封筒あったの?」


タケル「あぁ、黒い封筒に体育館に行けと指示されたからここに来た。」


マリナ「人居たんだ。良かった。」


マリナはほっとした様な顔をしていた。


マリナが体育館に入ると画面モニターは26から27という数字に切り替わる。


タケル「なるほど、ここに居る人数か。あれが30になれば、封筒に書いてあった説明が始まるみたいだな。」


マリナ「説明って何されるんだろう。ゲームオーバーって何?私怖いよタケル。」


マリナは不安そうな顔をする。その不安そうな顔からは目元に涙すら浮かんで見えた。

マリナの不安そうな顔をかき消すかの様に体育館全体に大きな鐘の音が響いた。


モニターが切り替わる。モニターには黒い背景に顔は見えない黒いスーツを着た男が座っていた。


スーツの男「只今を持ちまして、嶺賀城高校の皆様の集合とさせて頂きます。初めまして。私ルカエルと申します。皆様からは私の顔が見えないでしょうが、私ははっきりと皆様のお顔が拝見出来ております。おぉ、なんと凛々しい眼光。闘士に満ち溢れておりますね。」


―俺達はこのルカエルとやらが話すのをただ聞いている事しか出来なかった。―


ルカエル「それでは皆様、早速本題に移らせて頂きたいと思いますが、本来ここには30名の方が集まる予定でした。ですが、3名の方が我々の送った封筒を開封したのにも関わらず、体育館へいらっしゃらなかった。その方々は...ゲームオーバー!!!皆様が元居た現実世界での死を意味します。ここは皆様が元居た世界と違うと我々は申し上げましたが、皆様の元居た世界の現実は続いておりま

す。皆様がこちらの世界でゲームオーバーとなった場合には元居た世界、つまり現実での死です。皆様が元居た世界の現実はこのRanker Gaemが終了するまで時が止まっている状態。つまり西暦2784年 6月14日午前7時24分 32秒より時は進んでおりません。」


タケル―こいつ何言ってんだ。ふざけてんのか?―


タケルだけでは無い。その場にいる誰もがあまりにも非現実的。理解不能。そんな思考になっているのは表情を見て直ぐに分かった。


ルカエル「さて、皆様は今理解に苦しんでいる。現実味が無い。何を言ってるんだ。というお顔をされておりますね?ですが、私の言っている事は真実です。それでは、信じて頂くためにここに来る筈であった、3名の方の元居た世界をモニターでご覧に入れましょう。」


モニターが切り替わる。


タケル―隣のクラスの河田じゃないか?あんな所で何してんだ?―


モニターには2年3組 河田コウイチロウが映っていた。

モニターを見ている体育館に集まった27名は全員息を飲んだ。

河田が映っている事に息を飲む物など居ない。

河田が映って居た場所に全員が息を飲んだのだ。河田は恐らく、どこかは分からない。ただ都会の方だ。それだけは分かる。

ビルの屋上に居た。魂が抜けた様に無表情の河田。そして、河田はそのビルから無表情のまま自ら飛び降りた。


モニターが黒い背景とルカエルに戻る。


ルカエル「お分かり頂けましたでしょうか。このゲームは現実です。皆様はこのゲームを拒否する事は出来ないのです。」


この時、発狂する物。涙をただ流す物。震えている物。意識を失う物も居た。


ルカエル「さて、そろそろ本題に移らせて頂きたいと思います。ここからが重要です。

嶺賀城高校の27名の皆様は一つのチームです。いえ、国!と言っても過言ではありません。このゲームには全15校が参加しており、現時点で428名の参加となっております。そして肝心のルールですが、至ってシンプル!最後の1校になるまで殺し合って頂きます。」


体育館に集まった生徒は全員と言ってもいい。

言葉を失った。


ルカエル「殺し合って、勝つ!勝った1校の生き残りメンバーが、元居た世界。つまり、現実への復帰の権利を得るのです。そして、ルールの次は殺し合う方法です。武器を使用しても構いません。ですが、ここで大切なのは先程皆様にお配りした封筒の中身!黒い玉。それはスキルの種。と呼ばれる物です。その種を飲み込むと数日かけて皆様の心臓に根を張ります。その種は元々同じ物です。ただ、飲み込んだ人により様々な力が発揮されるのです!人によっては意のままに透明になれる能力であったり、球が不要な拳銃を作り出す能力、そして人を治癒出来る能力であったりと皆様それぞれの生い立ち、性格、様々な要素が加味されスキルが決定されます。スキルの種が心臓に到達し開花するとそれぞれスキルランクが決定されます。ランクは強さ、貴重さ、こちらも様々な要素で決定され下から順にランクをE D C B A S とアルファベットで構成されます。スキルの種が開花した方の事を我々はランカーと呼んでおります。例えばBランクのスキルを開花させた方はBランカー、Sランクのスキルを開花させた方はSランカーと呼ばせて頂いております。さて、至ってシンプルなルールの中にも少しは遊び要素があっていいかもしれません。これから皆様は無人島へと転送されます。転送先は皆様の学校を模した建物内です。そこが皆様の拠点になります。拠点には他校からのいかなるスキルも受け付けず、安全地帯となっております。ただし、受け付けないのはスキルのみです。スキルで生成した武器は受け付けませんが、無人島の中で自然を利用し、作成した武器は有効です。こちらは注意してください。そして、安全ならずっと拠点の校内に居ればいいじゃ無いか。いえいえ、そうはいきません。周期的に各校に向けられたミッションを達成して頂く必要があります。ミッション条件を達成出来ない学校はその時点でゲームオーバー。全員リタイアとなりますのでご注意ください。尚、ミッションの難易度は公平にランダムとさせて頂きます。そして、もう一つ大切な事。ゲーム開始後各校リーダーの選出が必要になります。リーダーとはそのチーム、国の王!リーダーのゲームオーバー=チーム全員のゲームオーバーとなります。以上で説明を終わります。それでは皆様スキルの種を存分に活かして是非勝利を勝ち取って下さい。失礼致します。」


モニターが切れた。

タケル―ここにいる誰もが同じ感情だろう。

恐怖。それ以外自分の感情を今は表せない。

マリナはさっきから黙ったまま。ただ、目元からは静かに涙が流れていた。―


アナウンス「ミネガシロコウコウ イジョウ ニジュウナナメイ テンソウカイシ」


―こうして俺達のデスゲームは始まった。―


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