表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アオハル・ロマンシエ  作者: ひな月雨音
第1章 始まるアオハル 編
8/24

第8話 駆け出す

 午前の授業も終わり、仲良しグループが集まって昼食を摂る中、私はひとりママの手作りお弁当を食べていた──



(……朝の沖田さんの発言……これは早急に対処しないと、高校生活も思い出から消さなくちゃいけなくなっちゃうわ)



「じゃーん! 持ってきたよ。中学の卒アル」


「マジかぁ。私は無理だわ。中学時代の自分なんて見せれんもん」



 一番近くでお昼を食べているグループの一人が、卒業アルバムを取り出し、キャッキャと騒いでいる。



「イケメンはいるかなぁ?」


「イケメンねぇ……あっ、そうそう。私は話したことないんだけど……」



 ペラペラと分厚いページをめくる度、こちらに風が吹き付ける。



「いた。この人なんてどう? 誰かと一緒にいるところなんて見たことないけど、ぼっちだったのかなぁ?」


「……誰かさんみたいにね」



 あきらかに私に向けての発言だ。


 気付かないふりをしつつ、お手洗いへ席を外そうと立ち上がったときだった──



「そういえばこの人、この学校にいるよ?」


「えっとぉ……南海なんかい てん君?」


「違う違う。確か……南海みなみ そら君だったような……」



 その名前に思わず反応した私は、二人の話に割って入っていた。



てん君がここにっ? 何組ですか?」


「えっ? あぁ……二組? だったかな?」



 気迫に圧されたのか、戸惑いながらも教えてくれたことにお礼をいうと、私は廊下へと駆け出した──



てん君がこの学校に……)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ