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アオハル・ロマンシエ  作者: ひな月雨音
第1章 始まるアオハル 編
18/24

第18話 0点

「いらっしゃいませぇぇ」



 私とてん君は大型ショッピングモール内のフードコートに来ている。



「美味しそうなのいっぱいだねぇ?」


「好きなの頼んでいいよ?」


「……私のおごり」


「何本気にしてんだよ? アレは嘘でした! これでお互い様だから、ここは俺が払うよ」



 思わず跳び跳ねてしまいそうな気持ちを抑え、アレもいいし、こっちもいいなぁなどとキョロキョロしていると……。



「いのり? 気付いた?」


「うん。あのお店の新商品、ここでしか食べれないっ!」


「違うよ、違う! いい? 急に視線を向けないで話を聞いて?」


「ん? わかった」


「俺の背後に柱があるでしょ? 右側の方」



 私はお店選びを装いながら、てん君が言う場所を周辺視野に捉えた。



「…………あの人って」


「うん。同じクラスの平沢さんだよ」


「私、あの人にてん君の場所聞いたんだよ。正確には近くの男子が教えてくれたけど」


「どう思う? 一応、尾行のつもりかな?」


「はっ? 何でっ?」



 柱の影からチラチラと、顔を出したり引っ込めたり、あれを尾行とするならば、0点でしかないだろう。


 そんな平沢さんのもとへ──



「おねえしゃん、なにしてるでちゅか?」



 かわいいキャラクターがプリントされた風船を持った女の子が話し掛けている。



「しぃぃ! 今、ナイショのお仕事中なの」


「おちごと?」



 尾行を子供にどうやって説明しているのだろうか。



(……あんなに大きく動かないと説明出来ないのかなぁ? あっ、目が合った)



 柱の後ろに身を隠すも、時すでに遅し──


 隙をついて回り込んでいたてん君によって、首根っこを捕まえられた平沢さんは、苦笑いを浮かべながら登場してきた──



「……ど、どうもぉ……奇遇ですねぇ」


「おねえしゃん。おちごと、ばんがってくだしゃい! ばいばいでちゅ」


「ありがとう。ばいばぁい」


「へぇ、お仕事ねぇ?」


「……ははっ、あはは……はぁ」

作中に登場した小さな女の子は、菜須よつ葉先生の“ななちゃん”に出演していただきました。


ギャラはいちご飴となっております。

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