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アオハル・ロマンシエ  作者: ひな月雨音
第1章 始まるアオハル 編
15/24

第15話 ロックオン

 そして放課後──



「じゃあねぇ」


「また明日ぁ」



 勉強という呪縛から解放された生徒達は、どこにそんな元気を隠していたのかというくらい、足取り軽く教室をあとにしていく。


 部活に所属している子達は別であるが……。


 私はといえば、特に身を振らず、まぁ今月中に適当な部活へ籍を置こうと考えていた。



「星野さん? 一緒に帰らない?」



 声を掛けてくれたのは、私に”ぼっち”の疑いを向けた沖田さんだった。



「誘ってくれてありがとう。ただ今日は先約がいて……」


「そうなんだ」



 沖田さんは手を振ると、待っていた他の女子生徒のもとへと向かい……。



 チッ──



 確かに今、舌打ちが聞こえた。



(……ターゲットにされたかな?)



「あのぉ? 星野さん」


「ん? はい」



 今度は何だと、背後から掛けられた声の主へと顔を向けた。



「えっと、高野さん……だよね?」


「うん。あのね? 私さっき聞いちゃって……」


「聞いたって何を?」


「その……」



 高野さんはクラスの中でも、大人しいタイプの女の子で、まだあまりお話をしたことはないのだけれど……。



「あのね?」


「いのり。帰ろう?」



 全開になっていた教室前方のドアから、てん君が声を掛けて来た。



「ごめん。高野さん。そのお話、明日聞かせて? 約束っ! じゃあまた明日っ!」



 私はバッグを肩に掛けると、高野さんの話も聞かず、てん君へと駆け寄った。



(……星野さん……あぁ、どうしよう)

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