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アオハル・ロマンシエ  作者: ひな月雨音
第1章 始まるアオハル 編
14/24

第14話 うっかり

「一年一組、青山あおやま かえでです」


「青山さんね。そのカメラ、新聞部のものよね? いいわ。今後十日間、新聞部は活動を休止するよう、顧問の先生に伝えさせてもらいます」



 カメラを没収された青山さんは、“先輩に怒られる”と何度も口にしながら教室へと戻って行った──



「これでよし。で、具合の悪い子がいるのよね?」



 二人の足音が、私の方へと近づいて来る。



「開けてのいいかしら?」


「あ、はい。どうぞ……」


「とんだ災難だったわね? 学校のトップの血縁者とふたりっきりの保健室……ゴシップには適当な題材ね」


「だからその、ふたりっきりって……ん? 学校トップの血縁者?」


「あら、知らなかった? 南海みなみさんのお祖父じいさん、ここの学園長よ?」



 私は慌てててん君の顔を見ると……。



「いやっ、あの……別に隠すつもりは無かったんだけど。ほら、そういうのバレると、コネだとか色々言われたりするかもと思って……」



 てん君が言おうとしていることは理解出来た……のだが。



「でもさ、引っ越ししたのって……」


「ああ。青森は母さんの故郷だからね。父さんの実家はこっちだし、だから親戚もこっちにいるんだ。いのり?」


「わかってる。このことは内緒でしょ?」


「助かるよ」



 一番気まずそうにしていたのは保健の井上先生だった。



「内緒だったかぁ。ごめんっ! お詫びに…………この見たことないくらい大きな絆創膏あげよっか?」


「いらないですよ!」


「ふふっ」



 思わず笑った私にてん君は……。



「いのり、どうする? そろそろ始業のチャイムが鳴るけど、このまま横になってるか?」


「ううん。あと一時間だけだし、大丈夫そうだから教室に戻るよ」



 てん君とは、放課後にまた会う約束をして廊下でわかれた──



「またね」


「ああ。またあとで」

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