閑話2
三年間、担任だった先生は以前から、ボクの気持ちに気付いていたらしい。
諦めきれないボクに、先生は仕方なさそうに思い出という形で、キス以上の事をしてくれた。
その際、三日間一人暮らしをしていた先生の家に、泊まる事になってしまったけど…。
先生は、同じ女性しか好きになれない人で、年下は好みではなく、長い間恋人は作らずに遊んでいたらしい。
恋人を作る気はないが、たまにならキス以上の事をしてやると言われた。
…先生は、どうやら女遊びをしている悪い大人だったようだ。
ボクは、その後もたまに人恋しくなった時に、先生の元に行ってしまった。
先生としては、ボクとも遊びだったんだろうけど、ボクは遊びじゃなかった。
同性婚が、認められた時にもう一度告白したけど、またふられてしまった。
その時に、もう遊びは終わりだと言われた。
その後、ボクは教師になり母校に勤める事になった。
大学卒業後、心機一転のつもりで、仕事の時や同僚とあまり親しくない人には、一人称を私と言う事にして母校にやって来たボクは、先生と再会した。
2年以上会っていなかった先生は、同性婚をしていた。
結局、ボクの事なんて遊びの一貫だったのだ。
先生にとってボクは、いい思い出をあげただけの教え子でしかなかった。
そんな事は、分かっていた事だけど、やっぱりショックだった。