閑話1
ボクは、大企業の社長である父の二番目の娘だ。
だから、物心ついた頃ぐらいに婚約者が出来た。
婚約者は、ボクと同い年のイケメンの部類に入る男だった。
ボクは、婚約者を好きになったけど、婚約者はボクの事を好きにはならなかった。
政略だったし、親に勝手に決められた事だったから、好きになってもらえなくても、仕方がない事かも知れないと思った。
きっと、結婚すれば好きになってくれるだろうとも思っていた。
しかし、ボクが立川女子高校に入学してすぐの頃、婚約者は婚約を破棄し別の女性と婚約した。
ボクは、初めての失恋にひどく落ち込んだ。
昔から、ボクは同性にモテやすかったから、よく告白されたりしていたんだけど、全て断っていた。
だけど、失恋中の時に告白された時、ついまがさして、その告白して来た子と恋人になってしまった。
元婚約者の変わりとして、付き合う事にしたんだ。
でも、元婚約者とはそもそも性別からして、違うから全く変わりにはならなかったけどね。
それでも、気は紛れたし、一時的にでも失恋の痛みを忘れる事が出来た。
だけど、2年生になった頃、ふられてしまった。
ふられた理由は、ボクが恋人を今だに、好きじゃなかった事に、耐えられなくなったかららしい。
初めて、恋人になったあの子の事は、好きになれなかったけど、あの子のおかげで元婚約者への想いは、割りと早く吹っ切る事が出来たから感謝はしている。
後、女同士のキスやキス以上の事がいいものだと、教えてもらった事にも感謝していた。
まぁ、ボクの初めてをあげたんだし、あの子を利用した事に罪悪感とかはなかった。
あの子も、いい思いしたんだしね。
その後も、告白して来た子と恋人になって、また別れてを繰り返していた。
そんなある日。
ボクは、二回目となる本気の恋をした。
相手は、同じ女性な上に教師だった。
初めは、困惑してその気持ちを否定した。
あの時のボクは、同性を好きになった事を認めたくなかったからね。
でも、結局認めてしまったけど…。
認めてしまったら、また辛くなったりするだろうから、認めたくなかったのもある。
それに、あの頃はまだ同性婚が認められていなかったし、父が新しい婚約者を探していたから、よけいに認めたくなかった。
だけど、否定してもどんどん好きな気持ちは大きくなる一方だった。
そして、卒業式の後に告白してふられてしまった。