第2話
私は、(お互いの事をよく知らないのに、プロポーズされてしまうなんて、人生何が起きるか分からないな。)と他人事のように思っていた。
というか、学校が違うけれど教師と生徒なのにいいんだろうか?
3年前に、同性婚が認められたとはいえ、今だに偏見とかあったりするし…。
他にも、色々とあるけど…とりあえず…。
「どうして、私何ですか?お互いに、知らない者同士なのに…」
理由を尋ねてみたのだが…。
「これからは、敬語は使わなくていいよ。…君に、プロポーズしたのは、君があの日ボクに話しかけたから…かな…。まぁ、それはきっかけにすぎないけど。…返事を聞かせてくれないかな?」
そう言って、迫って来た。
どうやら、この人は詳しい理由を話す気はないようだ。
(この間よりは、元気そうだな~。…冗談ではなさそうだし、どうしよう…。)私はそう思いながら、どう断ろうか考え始めた。
「あの…、よく知りもしない相手といきなり結婚だなんて、私には無理そうなんだけど。後、私…同性が恋愛対象じゃないし、…それに、好きな人居るし…。」
私は、何とか言いたい事を全て伝えた。
しかし、断ったというのに、先生は私にさらに近付いて来た。
「恋人が、居ないならボクと結婚してもらう。…本当は、返事なんてどうでも良かったんだよ。まぁ、さすがに恋人が居たら諦めるけどね。」
この人は、本気でそうするつもりのようだ。
「最初から、返事なんて求めていないのなら、聞く必要ないよね?というか、断りたいんだけど…。」
「一応、聞くだけ聞いてあげようと思ったんだ。…恋人が、居るなら断れるよ?…居れば、だけど…。」
先生は、そう言ってニヤリと笑い私を抱き寄せた。
じっと見つめられたので、思わず目をそらしてしまう。
…恋人なんて居ない。
好きな人は居る。
でも、その人は私じゃない人が好きなので、しょせん叶わぬ恋というものだった。
「で?居るのかな?それとも居ない?」
「…居ない…」
私が、正直に話せば先生はとても嬉しそうに笑った。