第1話
テストも終わり、私は今日も一人でのんびり歩きながら、家に帰っていた。
今日は、晴れている。
今は、夕方で夕焼けの中の紫陽花も綺麗で、携帯を取り出し、その姿をカメラで撮った。
「上手く撮れてる♪」
撮った写真を見たら、思わずそうつぶやいてしまう程、上手く撮れていた。
私は、気分良くまた歩き出す。
そして、公園前まで来た時だった。
「…やっと見付けた。」
そんな声が聞こえてすぐ、誰かに腕を掴まれてしまった。
びっくりして、声がした方を振り返ってみると…。
腕を掴んで、私を引き止めているのはかなりの美人なお姉さんだった。
ボーイッシュな感じの美人なお姉さんである。
そんなお姉さんのもう一方の手には、見覚えのある傘とタオルを持っていた。
「…えっと、もしかしてこの間のお姉さん?」
「そうだよ。……この間はありがとう。」
そう言った後、お姉さんが傘とタオルを返してくれた。
「別に、私は何もしてませんよ?あの時は、雨の中を走りたい気分になっただけなので」
私は、そっぽを向いた。
私って、ほめられたり感謝されると、気恥ずかしくなって、つい…否定したり誤魔化したりしてしまうんだよね…。
そんな私の様子に、お姉さんは笑った。
「クスクス♪…そうだったね。でも、感謝はしているから。」
私は、今きっと少し赤くなっているだろう。
「……え~と、もう私行きますね…。」
今すぐ、ここから立ち去りたかったが、また腕を掴まれ引き止められてしまった。
「まだ、話しは終わってないよ?あっちにあるベンチに座って話そうか。」
そう言って、お姉さんは半ば強引に私を公園内のベンチに座らせた。
お姉さんは、私の左隣に座った。
私は、今さらながらお姉さんを警戒し始めた。
「ボクは、立川女子高校の歴史教師の朝倉 美紀。歳は、24才だよ。君は?」
お姉さんは、この近くにある有名な女子高の先生だった。
というか、大人でも一人称がボクって言う人いるんだ。
私は、警戒を解かないまま「…岡山高校2年の仙崎 雪17才です。」そう言った。
朝倉先生は、「雪さんか…。」そうつぶやいて私を見た。
そして、「雪さん。ボクと結婚してくれないかな?」と…プロポーズされたのであった。