8話 『鑑定Lv1』
『あとは自分のステータスを いつでも見れると嬉しいんだけどなぁ』
楽しいと思った物事に些細な不満を言い始めたら
その世界にハマり始めた証だ。
『母さまは自分の強さを見れるって言ってたよ〜?』
『お? そうなのか』
鍛冶屋でしか見れないと聞いたが やはりと言うべきか、そういう類のスキルはあるらしい。
『ステータス!』『メニュー!』『強さ!』
一応やってみるが反応はない…分かっては居たが少し照れる。
『現在の強さって言ってたよ〜』
『現在の強さ?』
ポンと音と共に八雲の目の前にゲームで良く見るステータスが表示された。
榊八雲
段位:8
職業:術師
体力:45/45
術力:35/37
力 :16
知力:24
速さ:16
従魔:テン(野狐)
覚えた術:?
スキル:術作成、鑑定Lv1
『おう…Lv8か、術がハテナってのは謎だけどレベルで覚えずに勝手に作ってるからなのか?』
『八雲すご〜い、母さまと同じ事を出来てる〜』
『凄いのか?テンの母ちゃんはどんな強さなんだ?』
凄い魔物なんだろうなとは思って居た。
もしかしたら九尾の狐的な有名な名詞を聞けるのかもと軽い気持ちで聞いたのだが。
『死んじゃったからテンわかんな〜い』
『マジか、だからテンは一匹で居たのか』
『うん!でも八雲と会えたからいいの〜』
『…可愛い奴だなコンニャロー』
そう言ってテンをムツゴローさんバリに抱き付き撫で回す。
(あぁ〜ヨシヨシヨシヨシ…)と言う擬音が聞こえてきそうだ。
『えへへ〜』
『よし、休憩もしたし もうちょい進むか』
『うん!』
八雲とテンは再び星形の魔法陣を目指し進む。
野兎や猪、デカイ昆虫などを倒し、合間にテンのステータスを見ようとしたがダメだった。
鑑定(Lv1)と言うのは自分のステータスしか表示出来ない様だ。
その後 星形の魔法陣を見つけ、4階 5階と進んで行った。
5階に移動してからは多少 敵が強くなって居るし進む毎に違う敵が増えては居たが
特に危ない思いはせずに順調に進めた。
『お? 何かデカイ門があるな』
『ホントだ〜 中から強い魔獣の気配がするよ〜』
(強い魔獣…中ボスか?)
『よし、テン行ってみっか』
『うん!』
引き返す選択肢が現状ない為 門を開き中へ突入するしかない。
まぁ 楽観主義の八雲は帰還するアイテムがあったとしてもなんとかなるだろうと突撃するだろうが。