第二十三話 エピローグ
竜。悪魔。巨人。不死者。子鬼や豚鬼、河馬鬼や牛鬼、狼鬼や鬼人といった鬼族。
空に、海に、山に、草原に、荒野に、森に、湖に、川に、地中に――ありとあら
ゆる場所に蔓延る、多種多様な怪物達。
創造主が〝箱庭〟と名付けたこの世界は、実に様々な魔物達によって満たされ
ている。
これらの魔物達は、サウストラージ大陸に住まう人間や獣人、エルフやドワー
フといった人族の社会の中で、脅威度と呼ばれる、その凶暴さや戦闘能力の高さ
を基準にして、一つ星級から十星級までの十の階級に、とある階級一つを加えた、
合計十一の階級で分けられている。
その、とある階級の名は――〝天災級〟。
その名の通り、一度本気で暴れ出せば、周囲に自然災害並の被害を齎し、たっ
た一体で大陸全土の人族の脅威となり得る。
それはまさに、意志を持った災厄。生ける天災。
天災級とは、そんな魔物達に与えられる階級である。
現在、この世界で天災級に設定されている魔物は七体。
それは豊穣の象徴にして、滅亡の代名詞――陸皇・剣牙巨象。
西の大陸、最大の火山帯に君臨する魔王――暴君・灼熱の大魔。
大海の主にして、この世界最古の霊獣――霊獣王・海皇鯨。
サウストラージ大陸の南端に広がる寒冷地を支配する、絶対零度の女王――白
銀・氷帝狼。
幻の天空大陸に鎮座する、竜の中の竜――天帝・風の古竜。
死を伝染させる、生きとし生ける者全ての脅威――疫病・始祖。
星々の海から墜ちてきた来訪者――凶星・天墜竜。
そして、そう遠くない未来――とある魔物が、八体目として新たに追加される
事となる。
そう……雷を自在に操る、白い霊獣が。
彼ら彼女らは時として、ほんの些細な理由で人の世に大いなる破壊と混乱を齎
す。
例えば――散歩をしていたら、進路上に偶々都市が在ったから――とか。
或いは、虫の居所が悪い時に、偶々街や村が目に付いたから――とか。
或いは、単なる暇潰しで――とか。
或いは――――久しぶりにお酒が飲みたくなったから――とか。
斯くも些細で下らない理由によって、人の世の平和は容易に掻き消える。それ
はもう、蝋燭に灯る火の様にあっさりと。
もしもの話だが、天災級の魔物達が同時に、人族に対して強い憎悪を抱くよう
な事態が起こったなら、人族はものの数日でこの世界から姿を消す事になるだろ
う。
いつの頃からか、人々は天災級に属する魔物達を、畏怖と厭悪を込めてこう呼
ぶようになった。
〝ディザスターズ〟――と。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
読んで下さった方々、ブクマして下さった方々、評価して下さった方々、皆様
に心から感謝致します。
また執筆欲が溜まったら、第二章といった形で続きを書くかもしれませんが、
とりあえずは完結とさせていただきます。
本作がそれなりに楽しめたという方は、ブクマなどしていただけますと非常に
励みになります。
では、これにて。




