お金と文字とランク
結論から言うと放逐された。
一応連絡がとれるように冒険者として登録しておくようにだけ言われている。
他の召喚された人たちだが背広の女性と背広の男性がVRMORPGのガチ勢で魔法戦士LV255上限解放
学生服組が丸々VRMMORPGのエンジョイ勢でLV400~500勇者LV400(男)、魔導師LV430(男)、神官LV480(女)、騎士LV510(女)
レベル持ち越しはチート。
ちなみにこの世界のレベルはだいたい年齢と=。
戦闘職についている人間で年齢の2~3倍が平均的。
長命種はLV100位が平均で戦闘職は300辺りが平均、最大で500程度、過去最大でも700に届かなかったようだ。
レベル1でミスリルヘルムを両面貫通したのが一番驚かれたようだ。
俺達二人以外は特殊スキルはアイテムボックスのみで以前の装備が丸々入っているようだ。
蘇生薬を一つ頂いたアイテムボックスの外だとどの程度持つか判らないようだが最初期の低レベル帯デの即死を回避できるのなら十分ありがたい。
替わりに試験をかねて女性陣にのみ護身用に4連デリンジャーを押し付けてきた。
高レベル帯に通用するかは未知数だが無いよりマシかな?
「さて取り敢えず冒険者ギルドだな。」
「宿が先だろぉ!?」
「あー時間的に宿とって飯食ってギルドいくのが良いか。」
召喚は早朝に行ったようで自己紹介が終わって少しの資金をもらって放逐されたのが少しお昼を過ぎた頃だ。
貰った資金は一人金貨3枚一般的な家庭3ヶ月分の生活費だそうだ。
ザックリ日本円換算で金貨1枚5~10万ってところか。
金貨の下に大銀貨、銀貨、大銅貨、銅貨と十分の一づつ硬貨が変わるようだ計算しやすくて良いね。
「宿泊朝晩食事つきで銀貨3枚だよ」
安宿で、ほぼ3ヶ月分である
「林 進だ、一週間分たのむ」
「俺も一週間な松山 瞬です。」
金貨を1枚づつ出し小銭に変えて貰う
「連泊だから二日分まけとくよ。」
「ありがたい、おばちゃん愛してる。」
「ナニいってるんだいこの小僧は。年寄りをからかうんじゃないよ。」
動揺した様子もなく鍵を渡された。
「宿を出るときは施錠をして鍵をここに置いていくこと必ずだよ。朝食は日の出の1時間前から日の出2時間後まで、夕食は日の入り2時間前から日の入り1時間後まで。時間外は有料だよ。」
もう少しで夕食の時間になるのか昼飯抜きでいいか。
「了解です。それでは少し出掛けて来ます夕食には間に合うように帰ってきますのでよろしくお願いします。いくか【ピヨ太】」
「おう、はやく手続きして飯にしようぜ【ニャンキチ】」
このチンピラ風のニーチャン松山 瞬こと【ピヨ太】はFGWでパーティーを組んでいた奴だプレイスタイルが酷似しておりすぐに意気投合した。
職種の突撃兵とあるようにFPSというジャンルでは珍しい超攻撃型、安全地帯は敵陣の中にあると嬉々として敵陣に飛び込む奴である。
それでいて遠中近どの距離でもそつなくこなす器用な奴である。
ピ:「ここか?見覚えの無い文字も読めるって有り難いな。」
ニャ:「書く時どうなるか心配だけどな。」
大通り沿いに間口が普通の(こちらの世界で並んでいる建家基準)3倍ほどの建物に西洋のドラゴンの描かれた盾に2本の剣がクロスして差してある看板とその下に冒険者ギルドと象形文字のような字で書いてあった。
ドアノブの無い両開きのドアに戸惑いつつギルドに入る。視線が集中するが無視し一番近いカウンターの女性に声をかける。観賞専用と思わずにはいられない位の美人さんである。
ニャ:「あーこういうところは初めてなんだ。冒険者ギルドに登録がしたいのだが、ここで良いかい?」
「はい、大丈夫です。後ろの方も登録ですか?」
ピ:「はい、お願いします。」
「では私ミリアリアが担当させていただきます。まず当ギルドの入会規約をご説明させて頂いた後、犯罪歴の確認を行い登録証書にサインをしていただきます。
登録料は大銀貨2枚になります。
先払いと依頼料からの天引きが選べます。
登録後ステータスの確認と適正検査があります。
後身分を証明する他ギルドのカードか住民カードもしくは仮住民証の提示をお願いします。」
「これが替わりになるかな?」
城から出るときに金貨と一緒に渡された封書を出す。
封書を見たミリアリアさんが息をのみ、その後いぶかしげな顔で問うてきた。
ミ:「これを何処で?」
ニャ:「放逐されるときに、中身は知らない。」
ピ:「もうひとつあるよ。」
ピヨ太も封書を放り出す。
ミ:「開封させていただきます。」
と神妙な面持ちで封蝋を剥がし中の書類を出し文面を確認する。
ピヨ太の封書も同じように確認をした。
ミ:「専門の者に印の確認をして貰うので、しばらくそのままお待ちください。」
と封書に書類を戻し意匠の凝った重石を乗せ裏に下がっていった。
ピ:「時間かかりそうだな」
ニャ:「そうならないことを祈る」
そんなやり取りをしている間にミリアリアさんがまた美人さんをつれてきた。
ミ:「こちら当ギルドの副長エルネスタです。」
エ:「王都冒険者ギルドのサブマスターをしているエルネスタです。よろしくお願いしますね。」
仕事の出来るキツメな印象を受けたが言動は軽くギャップがヒドイ、顔立ちがキツいのを理解しての振る舞いだろうか。ミリアリアさんと同様に高嶺の華。
エ:「では書類を拝見させていただきます。」
エルネスタさんはササッと書類に目を通す。
エ:「問題ありませんね、ミリアリア手続きを進めてちょうだい。この書類はこちらで処分させて頂きます。」
エルネスタさんは書類と封書をお盆にのせ手を当て一言二言呟いたと思ったら書類と封書が崩れて灰?になった。
エ:「それではこれで失礼させていただきます。」
そのままエルネスタさんは裏に下がっていった。
ミ:「それでは手続きを続けさせていただきます。最初に登録規約になります。」
要約すると
ギルド内での喧嘩等問題となる行動は控えること。
ギルド員同士の戦闘行為も避けること。
公序良俗に反しない行動を心がけること。
クエスト中は自己責。
クエストの正否でランクの上下がある。
ランクは下はGからうえはSまで最初はFから未成年若しくはFで失敗するとGに降格
ミ:「以上ですが質問はありますか?」
ニャ:「今のところ無い、疑問点があればその都度聞かせて貰う。」
ミ:「はい、ではこちらが登録証書です。サインをお願いします。」
ハイハイと受け取って大問題にぶち当たる。
羽根ペンなんざ使ったことなんか無いわ!
まぁ良いかペン先にインク着ければ汚くても書けるだろ。
ハヤシ ススム
ニャ:「これで良いですか?」
ミ:「はい、名がハヤシ 家名がススムでよろしいですか?」
ニャ:「ススムが名でハヤシが家名になります。」
ミ:「はい、わかりました。大丈夫です。お呼びする時は何とお呼びすれば良いですか?」
さてどうしたもんか…まぁいつもので良いか。
隣と目を合わせると頷きが返ってきた。
ニャ:「ニャンキチと呼んでください。」
ミ:「それではそのように登録させていただきます。」
ピ:「ピヨ太でお願いします。」
ミ:「わかりました。ステータスの確認と適正検査をしますのでこの水晶体に触れてください。」
モニター状の水晶体が机の下はからでてきた。画面の真ん中に手を当てる。
ニャンキチ(ススムハヤシ)
突撃兵LV1
HP100/100
MP100/100
中略
スキル
フルメタル・ガンナーズ・ワールド
適正:遠距離武器D 近接武器E 防具:盾B 魔法C
突撃兵とはいったい…
ニャ:「適正って?」
ミ:「習熟の早いモノと考えていただいて良いです。ランクはE~SでD以下は武技が使えません。」
日本語と異世界語はかき分けができます
ピヨ太の適正は遠距離武器E 近距離武器D 防具:盾B 魔法C
になります