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3話 完全監視のその視線

お待たせしました最新話です。


前話で言ってた通りただリコリスが颯真を睨み付けるだけの話です。

翌日。学園は寮生活ではあったが、颯真は一人部屋(偶然だろうが)だったため、特に苦はなかった。が、別の所で苦はあった。



「・・・(ジー)」

「・・・」



リコリスである。昨日は初日だった、という事もあってリコリスの指定した場所に行かなかった。その結果がこの凝視である。



「・・・なぁ、その凝視やめてくれないか?」

「昨日逃げたくせに」

「昨日か今日っつっただから昨日は避けたんだよ!」

「別に昨日でもよかったじゃない!」

「よかねーよ!」



リコリスと颯真の言い争いは授業開始のチャイムが鳴るまで続いていたのだった。

































「・・・もうやだあの女・・・」

「朝からずーっと睨みつけてたりしてるもんねぇ・・・。今もほら」



屋上で昼飯タイムと洒落込みたいところではあったが、屋上の陰からリコリスは睨みつけていた。



「いい加減にしろっての・・・」

「え、えーっと、ベルスレットさん?な、何なら一緒にお昼ご飯、どう?」

「いいわ、放っておいてちょうだい」

「・・・」



アスティロットはじっと睨みつけるリコリスと辟易し続けている颯真を交互に見やり、どう声をかけるべきか迷う。



「あ、あの」

「何よ」

「ぴぃっ!」



アスティロットは(彼女からしてみれば決死の思いとも取れるレベルで)意を決してリコリスに声をかけてみた・・・が、リコリスにつっけんどんな反応をされた瞬間、小動物さながらの可愛らしい悲鳴を上げて颯真に泣きついた。



「そぉまぁ・・・」

「・・・さすがにアスティロットも怖がっちまってるからさぁ・・・」

「あんたが逃げなきゃそれでいいのよ」

「逃げるって・・・つかアスティロットもいい加減離れろよ」

「うぅ〜・・・」



未だに泣きついているアスティロットをどうにか引きはがそうと躍起になりつつも監視を続けるリコリスにも苦言を呈する颯真であった。

































そして授業再開、しかも体育・・・とはなったものの。

































(・・・うわすげぇやりづらくないのかなてか男女別のこの時間でも監視とか普通ありえないんじゃないかなぁ)



リコリスは男女別に分かれて行われている授業ですら監視を続けていたのだ。しかも・・・



「うわー、颯兄見ながら普通に授業やってるって・・・」

「す、すごい、よね・・・」

「ロッテちゃんのランク・・・ばらさない方がいいかもしれないよねこれ絶対」

「あぅぁ・・・」



今なおじっと颯真を見続けているリコリスに、明香里は呆れ果てるしかないのだった。



「・・・颯兄は・・・今も普通に授業受けてるだけだね。ほかの男子めっちゃこっち見てるけど」



リコリスの凝視(敵視の意味合いあり)も意に介さないという感じで颯真は1人黙々と体を動かしているのであった。他の男子連中は揃いも揃って前屈みになっていたとかいなかったとか・・・













































そして放課後・・・



「はぁ・・・」



颯真は放課後になった瞬間、盛大な溜息を吐いた。視線を上げれば、じと、という目線どころか顔文字で表現できるくらいの勢いで凝視するリコリスがいた(ちなみに、顔文字で表すと、かなり怖いかネタになるか・・・という感じである)。



「やっぱり嫌?」

「そらそうだろよ・・・、問答無用のたわけた戦いはやりたかねぇよ・・・」



再度、大きく溜息を吐いたと同時に立ち上がる。その瞬間、リコリスも勢いよく立ちあがったのだった。



「絶対逃がさないわよ!」

「・・・今度ばかりは逃げねぇから安心しろっての」

「嘘だったら燃やすわよ!?」



はいはい、と言って颯真は教室を後にした。問題の戦いの舞台となる第3グランドへ先に行く必要があった颯真。なぜなら・・・



わっぱよ、我が力に未だ恐れを為すか〉

(・・・当り前だろうがよ)



少し話しかけたところで颯真の頭に響く声。



〈ふむ・・・童が小童だった頃が懐かしく感じられるがな〉

(・・・るせぇ、懐かしいも糞もあるかよ)

〈我が力を己が儘に振う其の様、我が力貸さんと思うに相応しきものだと思ったがな〉

(お前の力に振り回されて暴走してただけだっつの・・・)



颯真にのみ聞こえる声・・・その声に颯真は愚痴っていただけだった。



(ラファール・・・お前の力さえ扱い切れていれば自分のトラウマもあの惨劇も無かったことになったんだってのによ)

〈ふははは、小童の時と今とでは童も変わろうて。あの小娘も惨劇を繰り返すことなく静まらせようぞ?〉



その声・・・自身の中に眠る力、ラファールにリコリスも『惨劇』のないまま黙らせられると言い放たれた颯真。



(できればラファール・・・お前を振るうことなく終わらせたいんだけど)

〈・・・童、小娘が全力だとしたら童は相手を辱めているも同然ぞ?〉

(知るか!)



颯真は知らんと1つラファールに向けて言い放った。そんな颯真にラファールは1つ思う。

































(・・・童よ、童の思う真の強さが自分の内に秘める物への畏怖なのは認めよう。が・・・過ぎた畏怖は死に繋がるものだと何れ知ることになろうぞ)

次回、いよいよ戦闘開始!



ラファールはちょこちょこ出てきます。出てきては口を挟んだりゲス発言したり・・・


まぁ色々してきます。お楽しみに。

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