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3話 委員会決め

前話までと比べて長めです。


今回も安産。

保険をかけておくと筆が進むのかもしれません。

プレッシャーがないからでしょうか。

入学式の日は、衝撃の質問タイムの後校舎案内をされそのまま解散となった。

中学からの持ち上がり組は中学1,2年ではこの校舎で過ごしているはずなので、皆喋りながら聞いていた。

このクラスの高入生私だけですもんね。同じ環境の子とかいれば友達になりやすいと思ったんだけどなあ。ちぇっ。


ちなみにこの学校、部活動はどうしているのかというと、運動部なんかは普段は1,2年と3年で分かれて練習をしているらしい。で、休日はどちらかの校舎に集まって練習をするそうだ。

なかなか特殊だと思うが、これで結構優秀な成績を残す部活が多いとか。

先輩後輩の仲があまり悪くならないからかな?



結局入学式の日は友達は出来ずに終わってしまった。

高校生活始まったばっかだから。まだ時間はたっぷりあるから。大丈夫だから友達出来るから。





その夜不安解消にと作りすぎたおかずは親切なご近所さんたちにお裾分けした。






時は変わって入学式の翌日。

今日はオリエンテーションということで、教科書の配布やら軽いカリキュラムの説明やらが終わって委員会を決めているところだ。

学級委員は男女ともに既に決まっていて、前で取り仕切っている。

いかにもノリが良くてリーダーシップがありそうな男子と真面目そうだがお堅いわけではなさそうな女子なので、バランスは良いのだろう。



委員会の種類は結構沢山あって、放送委員、図書委員、美化委員、体育委員、文化委員…etc.と並んで何故か最後に生徒会庶務。

全クラスから合計1人2人出れば良いそうなので、必ず選出する必要はないみたいだ。

補佐があるのに庶務がいる意味が分からないが、恒例だそうなので仕方がない。


さて、私は何の委員会にしようかな。

勉強に時間をあてたいから、なるべく時間の取られないのがいいな。

あとついでに友達が出来そうなやつ。


どれがどんな委員会なのかは名前を見れば大方分かるが、どの程度仕事があるのかは分からない。

図書委員でもいいんだけど、定期的に放課後残らなきゃいけなさそうなのがなあ。

あとあんまり友達出来なさそう。


「ねーねー、まみやん」


かと言って美化委員とかは学校によって仕事量が極端に違うし、ここがどうなのか分からない。

流石に事前情報なしに博打は打てないよねぇ。


「おーい、まみやんー?」


じゃあ生徒会はどうなのかというと論外。忙しさの極みっぽそうじゃん。

特にこの学校は自由な校風を謳ってるから、他の学校よりも忙しそうだし。


「まーみーやーんー!聞こえてるー?」


…誰だか知らないけど返事してあげなよ。可哀想だから。

やけに私の苗字に似たあだ名だけど、このクラスに私の知り合いはいないし別の人を呼んでいるのだろう。

全員分の名前は覚えていないので分からないが、マミちゃんという子がいるのかな。



―――つんつん



などと考えながら無視され続けている子に同情していたら、肩を指でたたかれた。


「何?」

「返事してあげなよ。可哀想だから」


振り向いて後ろの席の男子に尋ねると、さっき私が思っていたのと全く同じことを言われた。

えっ、もしかして、私を呼んでたの?


「私を呼んでたの?」

「うん、多分。ほら」


そのままその子に声の方向を指差される。そちらを向くと、確かに例のいじられキャラ・浅井ゆうき君がにへらと笑ってこちらに手を振っていた。

おぉ、あの笑顔は可愛いな。愛され(いじられ)キャラなだけあるね。


「手、振ってるよ?振り返してあげたら?」

「いや、多分間宮さんに向けて振ってるから…」

「知ってた」


冗談だよ、ほんとだよ?だからそんな呆れたような目で見ないでほしいです。


取り敢えず首を傾げながらひらりと手を振り返して前を向く。

委員会、どうしようかなあ。


「あれ!?お、おーい!間宮ーん!?」

「既にゆうきの扱いを理解している…!?」

「流石高入生…!」

「なかなかやるわね、あの子…」


なんかざわざわしだした。どうやらあの対応で間違ってなかったようだ。

というか皆聞いてたんかい。


「ま、間宮んー…」


…流石にそろそろ可哀想だから、ちゃんと返事をするとしよう。


「ごめん、冗談。浅井君からいじられオーラが出てる気がしてつい…」

「ま、間宮んまでそんなことを…!出てないよ!?出てないからね!?」

「それで?何か用があったんじゃないの?」

「あっ、そうだった!委員会、何にするか悩んでるんだよね?」

「うん、まあ」


必死に否定するのをさらっと流して続きを催促すれば、あっさり忘れてくれた。ちょろい。


席は出席番号順なので大分離れているせいか、浅井君は結構大きな声で話しかけてくる。

おかげでクラス中から注目を集めているが、きっと彼は大きな声でなくても注目を集めるタイプだろう。

そして自分では気付かないタイプだ。現に今も気付いてないし。気にしてないだけかもしれないけど。


「えっとねー、風紀委員と体育委員と文化委員は忙しいからやめた方がいいよー。うちは美化委員は放課後の仕事は殆どないから、オススメ!」


なんとオススメをしてくれた。

というか何に悩んでいるかよく分かったな。


「…ありがとう。よく分かったね」

「……!ううん、どういたしまして!へへっ」


何か驚いたような顔をされたが、そんなにお礼を言われ慣れてないのだろうか。可哀想に。


「でも、それなら皆やりたいんじゃ?」

「あ、それは気にしなくていいよ。高入生だし、希望があるなら優先しようって決めてたから」


疑問を発すれば、学級委員の女子が答えてくれた。

まじか。優しいな。


「じゃあ遠慮なく…美化委員でお願いします」

「いいえ、どういたしまして。勉強頑張ってね」

「ん、ありがとう」


いいクラスだなあ…お姉さんじーんときちゃったよ。










本人は気付いていないが、普段表情をあまり動かさないのにお礼を言う時に小さく笑う癖がある。それを目の当たりにしたクラスメイトたちの心境は一致していた。


(((笑った…可愛い……!)))



ま行とあ行でクラスの端から端かつ話すために横を向いているので、ほぼ全員が目撃しています。

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