1話 キラキラ集団
書き上がったので投稿。
流石にプロローグでエタるのはひどいと思いまして。
なおまだ友達は出来ません。
何事もなく無事学校に着いて暇を持て余した私は、ひとまず敷地内をうろついていた。
2つある校舎の内の1つだというのに、なんだこの無駄な広さは。
学校見学会やパンフレットでその広さは知っていたはずだが、認識が甘かったようだ。
体育館は2つあり、屋内温水プールもあり、テニスコートは4面で、サッカーコートと野球コートとハンドボールコートがグラウンドとは別に存在している。夜になったら点灯するライトまである。あれ結構高いって聞いたのに。
更に、体育館の他に棟が3つある。職員室や研究室(!?)など先生方のいる職員棟、各クラスの教室があるクラス棟、視聴覚室や食堂、大ホールなど色々な施設の詰まった特別棟だ。
そこに使われている設備も公立とは段違いだ。
どこもかしこもお金がかけられている。
トイレの綺麗さには感動すら覚えたね。騙して良かった幼馴染…!
これで3年時に通う校舎より設備も広さもワンランク下だというのだから意味が分からない。
お金の使いすぎだと思うが、確かにこれはお金を払う価値があると素人目にも思わせるものばかりなので、お金持ちはお金持ちなりに考えてるんだなあと思うことにした。
何故そんなお金持ちの通うような学校に、中学受験も渋られるような中流階級の親を持つ私が通えているかというと、答えは単純。
奨学金制度だ。
勉強に勤しんで寒い中学時代を過ごした甲斐があった。
あの子と離れている口実になるから勉強もなかなか楽しかったんだけどね。本当の意味で友達と言えるような人はいなかったし。
そんな私の暗い過去はさておき、今は探検だ。
見たところ皆カフェテリアでお茶をするか体育館へ先に向かっているか先生やら友人やらと話しているかなので、私のように探検などしている生徒はいないようだ。
まぁ当たり前ですよね。入学式終わったら校舎案内があるし、明日にはオリエンテーションもあるし。
中学からの持ち上がり組が多いから今更見るまでもないし、高入生は堂々と探検するには緊張しすぎているし。
私は肝が据わっているので大丈夫です。
というより、あの子がいないという開放感で行動が開放的になっています。私にしては珍しくアグレッシヴ。本当は基本受身体勢なんだよ?
とはいえ集合時間までの30分じゃ大して見て回れるはずもなく、職員棟とクラス棟をざっと見て終わった。特別棟やら体育館やらまでは手が回りませんでした。うまいこと言った。
え?言ってない?残念。
そういえば、職員棟とクラス棟の間の渡り廊下でやたらキラキラしい男女混合集団とすれ違ったが、あれは一体なんだろうか。生徒会とかだったらテンプレすぎて笑う。
まぁ私には関係ないことだし、どうでもいいけどね。フラグじゃないよ?ないからね?
そんなこんなで始まりました入学式。
生徒会でしたキラキラ集団。
盛り上がってまいりました生徒に先生方。
笑いをこらえるのに必死な私はどうしたらいいでしょう。
あ、はい、そのままこらえてればいいんですね、了解です。
それでいいのか先生おいこらというツッコミは心の中に留めておきます。
どうもあのキラキラ集団は中学の頃からああだったらしく、各人にファンクラブまで結成されている模様。
隣とか前とか後ろから聞こえる会話で察した。俺誰それのファンなんだ!とか私彼それさまのファンクラブ幹部でしてよ!とか。
マジで漫画の世界です。恐ろしや私立。恐ろしや金持ち。恨めしや美形。最後のは冗談です。
私?誰とも話してませんよ。ぼっちですよ察してください。
テンプレらしくカリスマ抜群のイケメン俺様(風)会長に、理知的でクール(な印象の)眼鏡副会長その1。みんなのお姉さんっぽい母性溢れる(かもしれない)副会長その2、双子(のように似ているが実際は従兄弟らしい)会計と書記、ロリコンには堪らん容姿(ただし性格はキツそう)の補佐までいる。
実にバリエーションに富んでいて素晴らしい。
どうぞ愛憎渦巻く少女漫画の世界をお好きに展開してください。噂に聞いて楽しんでおきます。
そのためにも噂を教えてくれる友達を作らなくては…!
主人公は肝が据わっています。
主人公の私立に対する偏見が入っておりますが作者にそのような意図はございません。じゃあなんで入ってるんだというツッコミは受け付けておりません。なんとなくです。