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20 「リサイクルドロー」

「あと2分か」

 クールタイム残り2分。

 ここ最近になって問題が出始めている。


 それは、カードが余っている事だ。

 ドローして手に入れたカードは確率上どうしてもNとNNばかりになってしまう。

 NとNNのカードは正直な話、これ以上増えてもあまり戦力にならない。


 NやNNのアイテムカードなら普通に店売りされている物やその詰め合わせセットみたいな物だ。

 先日大金を手にしたので、別にカードで手に入れなくても困らない。


 スキルカードなら下級や初級ばかりで、めぼしい物は既に修得してしまった。

 スキルカードは装備した後にスキルレベルが1つでも上がれば装備から外しても消えないという事が分かったので、装備したらスキルポイントを使用してスキルレベルを1つ上げて外してしまう事にした。

 だがダブった物は使い道が無い。


 最も困っているのが、魔法系・能力系のカードだ。

 今更装備スロット1つを使って『火矢ファイヤーアロー』や『石弾ストーンショット』等の下級魔術を使えるようになっても戦力的にはあまり意味が無い。

 魔術の熟練度はスキルポイントでは上がらないので地道に上げていくしかない。

 魔法系のカードは溜まっていく一方だ。

 能力系のカードも同様で『STR+5』とか『AGI+10』等では大した効果は無い。


 そうして溜まったカードでバインダーに収納できる100枚を超えてしまった。

 今はバインダーに入りきらないカードをまとめて腰の袋に入れてある。


「当面は良いだろうけど、時間の問題だよな」

 そう、当面は問題が解消される筈だ。

 何故なら、次のドローでカードファイターのスキルレベルが上がりそうだからだ。

 現在のカードファイターの熟練度は197/200だ。

 ノーマルドローで1、ダブルドローで2、トリプルドローで3、入手したカードの枚数分だけ熟練度が上がる様だ。

 次回トリプルドローを行えば熟練度200になり、レベルアップする筈だ。そうなればバインダーの収納枚数が200枚になり、溢れているカードも収納出来る。


 ただし、問題の解決にはならない。

 いずれまた溢れ出すだろう。


「何とかならないかな?」

 そうぼやきながらクールタイムが0になったことを確認する。


「【トリプルドロー】」

 現れたカードは『スローイングナイフ×3【NN】』『携帯食×3【N】』『遠話の水晶【R】』


「またダブったな。まぁ、アイテムはまとめられるから良いけど」

 スローイングナイフは1本ならN、複数ならNNで出てくる。既に10本近く持っている。

 携帯食は保存食とは違う日持ちのしない食料なのだが、カード化してしまえば関係無い。これも複数持っている。

 アイテムのカードは1枚にまとめる事が出来るのでダブってもさほど問題は無い。


「さて、ステータスを確認するかな」


====================

レイ・カトー  Lv:58

年齢:18歳  性別:男 

職業:ハンター   称号:異世界人


【HP】 657/657

【MP】 313/313


【STR】245(237+8)

【VIT】241(233+8)

【DEX】230(222+8)

【AGI】232(224+8)

【INT】216(208+8)

【MND】226(218+8)

【LUK】 57(49+8)


スキル     【スキルポイント 85】

カードファイター:Lv2(ユニークスキル)[new! +1]

バインダー:Lv2[new! +1]

初級体術:Lv5、中級剣術:Lv1、初級槍術:Lv2

初級棍術:Lv2、初級格闘術:Lv4、初級弓術:Lv2

投擲術:Lv2、気配察知:Lv5、隠身:Lv4

応急手当:Lv2、状態異常耐性:Lv4、料理:Lv4

初級薬剤錬金術:Lv2、裁縫:Lv2、採掘:Lv2

鑑定:Lv5、交渉術:Lv3


【カード】『全能力+3』『下級回復術』

     『基礎魔術』『全能力+5』

     『氷針アイスニードル』『 』


====================


「よし、カードファイターのレベルが上がったな。お、カードの装備スロットが1つ増えてる」

 ステータスを確認しカードファイターのスキルレベルが上がった事を確認する。

 同時に5つだった装備スロットが1つ増え、6つになっている事にも気付く。


 この所有スキルの数は、実の所は大分異常な事なのだが、他人と比べた事のないレイは気付いていない。


「次のレベルアップは?」

 次のレベルアップまでに必要な熟練度を確認する為にカードファイターの詳細情報を開く。


『カードファイター Lv2(ユニークスキル)

 熟練度: 0/300

 装備可能カード枚数: 6枚

 【ノーマルドロー】【ダブルドロー】【トリプルドロー】使用可能

 【リサイクルドロー】開放 』


「熟練度は300か。バインダーに入り切らないな。ん?リサイクルドロー?新能力だな」

 見慣れない言葉に詳細を確認する。


『リサイクルドロー:

 5枚のカードを捨て、1枚のカードを入手出来る。

 入手出来るカードのレアリティは捨てたカードの星数の合計×1.3÷5(基本)

 1日にカードファイターのスキルレベルと同数が実行可能』


「随分とご都合主義な能力が追加されたな」

 正に今の悩みを解決する為の能力だ。

 不要なカードを捨て、もう一度引き直すチャンスが与えられる。

 しかもカードの枚数は減るが、ランクは上の1枚になって戻ってくる。

 ダブり等の不要カードの処遇に困っていた所に、なんと都合の良い事か。


「んじゃ、早速試してみるか。【リサイクルドロー】」

 不要な5枚のカードを手に持ち能力を発動させる。

 選んだカードは『ショートソード(4星)』『ウッドバックラー(4星)』『STR+5(4星)』『STR+5(4星)』『VIT+5(4星)』の5枚。星の数は合計で20


 5枚のカードが集まり1つのカードに変わる。

 現れたのは『LUK+10(5星)』だった。


「うん、微妙」

 ほぼ予想通りの結果だったが、NカードがNNカードになっても、あまり嬉しくはない。

 7星のRカードを使えば9星のSRカードになるが、Rカードは捨てるのは若干勿体無いか。


「当面は、不要カード処分に使っていくか」

 一応の今後の方針を決める。


「さて、出掛けますか」


 レイはエリス、レオルードと共にクロスロードの北、ガリオス街道から少し外れた小さな村へと向かう事になっていた。

 鉱山の村なのだが、その鉱山の坑道に魔物が住み着いたらしく、その討伐依頼だった。

 片道3日程度のものだが、レイにとっては初の遠出の依頼だった。


 依頼自体はCランク、わざわざAランクのレオルードが行くほどの物でも無いが、レイの後見人を自負するこの男は、何故か付いて来てくれるというので甘える事にした。



 城門には既に準備を終えた2人が待っていた。

「おう、来たな」

「遅い」

「いや、約束の時間前だからね」


 そんな挨拶を交し、3人は鉱山の村へと出発した。


実装された新能力のお披露目です。

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