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ハイキングの最中、雨上がりの濡れた木の葉や、苔むした岩の上でカタツムリを見つけると、まるで時間が止まったような静かな自然の芸術に出会った気分になりますよね。アシ出せ、ムネ出せ、ケツを出せ〜♪

メイベル。来てくれ。

私の辛さを少し和らげて欲しい。

あっ♡

メイベル片腕で引き寄せ、頭ごと髪を乱暴に嗅ぐ。あぁ♪ エンデヴァー。芳しき深淵に咲く薔薇よ。君はいつも、私を飢えた狼にしようと、誘惑する無垢な子羊のようだ。

シャチョウ♡

メイベルの美しく透き通る瞳。自らの心まで透明な泡で洗われていくような錯覚に囚われる。これが魔法という奴か。グラシャス。

メイベル、私は最近、忘れっぽくて困っているんだ。助けてはくれぬか?

ンフフ♪ いつからですか?

えっと、何の話だったっかな?

アハハハ♪ シャチョウはいつも私を楽しい気分にさせてくれますね。

君のその笑顔、堪らんな。

恋人同士の軽い挨拶を何度もかわす。甘い、甘いな。こいつはいつも蜜の味がする。

向き合う。

また美しく、可愛い鳴き声を聞かせてくれるのか?

ンフフ♪ 上目遣いで下唇を軽く噛み締めるメイベル。

椅子の上でハイキングか? 良いだろう。さあ焦らさないで。パパとママに貰ったものを見せてごらん。ハイキングを始めると、たわわな双山の風景が見えてきた。そしてすべての自然の風景が俺の目の前一杯に広がっていく。いつ見ても、何度見ても、ため息が出るほど綺麗な景色だ。美しく続く自然の小道に触れると、自然の温かさを感じ取る事ができた。その自然の温もりが骨の髄まで浸透していくのを、静かな呼吸とともに俺は受け入れていく。見ているだけで、私の道徳心が腐敗していってしまうのが分かるよ。俺は山や滝を眺めるよりも、美しい木を眺めるのが好きだ。この美しく細い木の幹が堪らない。心の深淵から全てをひっくり返し、己という概念を忘れさせていく。しかし木の幹に太さを求める奴の気がしれないな。だが、ただ細いだけではダメだ。ダメなんだ。細いながらも、木としての美しいフォルムを保っていなければ。それは木であるがゆえの木ではなくなってしまう。木の表面は枯れる事のない自然の豊かさを保っている。ああ、それこそが美しい木、至高の美であり、究極の芸術に等しいものなのだ。ああ、遠い昔、彼女がバレーを始めた時はげんなりしたものだ。しかし似た好みの後輩が入学したおかげで救われた。ああ…。付き合っていたからバレー部はよしてくれと頼んだが、いま思えば悪い事をしてしまったな。仲の良い友人達は、みなバレー部に入っていたものな…。

シャチョウ?

悪いな。メイベル。気分が変わった。私は少し出かける。

は、はい…。

風邪を患う前に着ておけよ。


あの頃の、少ししか穢れてない心を取り戻せれば、この腐りきった世界の光景に、少しは色が戻るだろうか…。

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