1/35
プロローグ
深夜、竹取の翁の屋敷―――
屋敷の敷地の中ほどには、垣根で厳重に覆われた一帯があった。
垣根の内には、離れが一つ建ち、部屋には、深夜と思えぬほどの明かりが満ち満ちていた。
部屋の片隅、面具を装着し何やら作業を行っている女性の姿。
飛び散る火花、爆ぜるような音。
顎先からは汗が滴っている。
傍らの机上に、球状の歯車、細く引き伸ばされた鋼の線、精緻な回路の骨組―――およそ時代にそぐわない品々が並べられている。
作業の手を止めた女性が、面具を外し大きく息を吐く。現れた素顔、この人物こそ、その美しさ、この世に並ぶものがないと言われる、かぐや姫。
上品に汗を拭うと、戸まで静々と歩み寄り、開け放つ。
夜空に、三日月が輝く。
そのか細い月光に照らされた彼女の横顔は麗しいが、苦痛に歪んでいるように見えた……
後書き
何やら物悲し気なかぐや姫。
しかも……彼女は……技術者だった……?
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
次回も読んでいただけると、有難いです!
(コメント、応援、本当に励みになります!よろしくお願いします!)




