【プロットタイプ】味噌煮込みうどん
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
ラーメンに野菜入れたらヘルシーになっちゃうじゃん。
カロリーの暴力の背徳感を味わうのがラーメンなのに。
ふと何時もの様に動画サイトを開くと、何時もの様にショート動画が画面を覆った。その時から、あることしか考えられない。
――なんなん? これー!! 矛盾ばっかじゃんっ。
――こういうのをね、気付いて欲しいんだよ。
届けられた間違えだらけで、整合性の取れない書類に愚痴や忠告をする上司の声も、今は遠くに聞こえる。赤べこの様に首を振りながら思うのは、全く別の事である。
風呂上がりのまったりとした時間、鏡花はせっせとスマホを弄っていた。それだけでは別に珍しい事では無いのだが、目が何時も以上に真剣であった。
何かに執着をしている。こうなったらきっと、満足をするまで追い求めるのだろう。
「瑠衣たん。今週末、味噌煮込みうどんを食べに行こうと思うんだ」
突如顔を上げたと思ったら、突然、そんな事を言った。
あの血走った、非常に熱心な、追い求める目が此方に注がれる。どうやら今のマイブームは『味噌煮込みうどん』にご執心であるらしい。
何がきっかけなのか。理由は全く分からない。けれどもある時、降って湧いた様にこの状態になるので、今回も何かしらのきっかがあったのだろう。
無言のまま、無表情に、ただ見詰め返すと、痺れを切らした様に見ていたスマホの画面を突き付ける。並んでいたのは、『味噌煮込みうどん』の名店だった。
「好きにしろ」
「え、瑠衣たんも行くよね」
「面倒」
「カビ生えちゃうよ。物を書くのも、お人形遊びも良いけど、人間、虫干ししないと」
余計なお世話だ。出社している分、カビる事はない。しかしこのまま不毛な矢取りを続けるのも嫌なので、話題を変える事にした。
「どうした急に、味噌煮込みうどんなんて」
「ショート動画で見てさぁ、美味しそうで」
操作して見せるのは、ショート動画のアニメーションだった。
一つは所謂『映え』を意識した料理。手が込んでいる様で、幾つもの調理器具を駆使してキッチンを駆けずり回る。
もう一つは一品もの。自分で食べる物の様で、一つの鍋に袋麺やカット野菜、卵等を入れている。皿に盛ることはせず、鍋のまま麺を啜る。
「手の込んだのも良いんだけどさぁ、両親が居ない時は大抵鍋から直食いしてたなー。美味しそうだなーって。そしたら味噌煮込みうどん食べたくなって」
俺は僅かな沈黙の後、鏡花のスマホを手に取る。動画を巻き戻し、改めて内容を確認する。映えた料理が並ぶ。袋麺を用意する。そこで改めてストップする。
「鏡花、水を差す用で悪いが、これはうどんじゃねぇ。ラーメンだ」
「……伝家の宝刀、ラーメンにカット野菜入れたらヘルシーになっちゃうじゃん。カロリーの暴力である背徳感を味わってこそのラーメンなのに」
お前の中ではな。そうじゃない奴も、店も多くあるだろうよ。
俺は溜息を吐くと、静止していた画面を鏡花に見せる。そこにははっきりとした文字で『ラーメン』と書かれていた。
「……味噌煮込みうどんは食べるよ」
「勝手にしろ」
ラーメンにカット野菜入れるのは覇道だと思ってる人。
そんな事したら、野菜の暴力でヘルシーになっちゃうじゃん。
背徳感に身を焦がし、カロリーの暴力を舌で感じながら啜るのがラーメンです。
きっかけは週ボスの討伐の攻略を知りたかったから。
動画開いたらショート動画が流れてきて、週ボスの事を忘れてガン見してました。
映えを意識したものも良いけど、鍋から直食いってよくやってたから、懐かしくて。
あれはあれで、熱々で美味しい。へっへっへっ。
※友人に話したら『皿に移しなさいよ!!』とお叱りを受けました。
で、中毒性があったので見直して見たら、しっかり『ラーメン』と書いてありました。
卵と野菜を入れる麺類は、『うどん』という偏見があります。