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特別エピソード『成れ果てと?????』 - XXXX/12/25 -

Jingle bells, jingle bells,jingle all the way!

皆さんはクリスマスは好きですか? 私は『好き』でした! 子供のころの楽しみが時が経つにつれてこの曲を聴くたびに「自分は何をやっているのだろうか」と考えて鬱になりそうです。実際、鬱かもしれませんね!

さて、「クリスマスまでには帰れるさ」って有名な言葉があります。W.W.Ⅰの有名な話ですね。実際は長期化して帰れなかったってヤツです。みなさんはちゃんとクリスマスまでに実家に帰れるデース?

私は帰れまセーン!

「走れそりよ♪ 風のように♪ 雪の中を♪ パ……軽く早く♪」


 歌っていた彼女と目が合う。視線は避けられない。彼女は赤面しながら少し期待しながら感想を望んでいる。だが彼女、赤井ゆのの歌は正直言って決して上手とは言えない代物である。例えるならば見た目はいいが、口元の形状を意識していないせいで飲む際に違和感があって飲みづらい湯吞みのようなものだ。


「………どうだった?」


 感想を求めてきた。この時期の人々はクリスマスムードで騒いでいるおかげで普段、こんなことを聞きに来るような性格ではないものの少し浮かれてこんなことを言えるようになっているのだろう。


「私、あれから努力したんだよ? どう………かな?」


 おそらく、カラオケでの一件の話であろう。彼女が顔を近づけてくる。背が小さな彼女は私の顔を上目遣いで見上げて見つめてくる。その可愛らしい容姿がその仕草でより引き立つ。

 彼女はそもそもとしてこんなことをするような性格ではない。


「…………チッ、バレたか」


 声や容姿がいつもの白髪の少女そのものに変わる。赤井ゆのという存在は認知してはいるものの実際、会ったことはない。それにこの場所は地平線が見える以外ほとんど何もないくせして何故か外の人々の生活は視認できるが貴方とこの少女姿の男しか生物が存在していない。


「全く、せっかくのクリスマスだぜ? ちったあはしゃげよ」


 何を言っているのだこの男は? それにコイツ本当に…………いや、考えるのはよそう。


「なんだ? 本当にお前は『高階海斗』の成れ果てなのかって?」


 全く、この男は……考えていることをなんでこうもサラッと出すのだろうか。


「本当だよ。私……いや、俺は高階海斗その人だ。だけど経緯は今は語れないね。語るにはあまりにも前提が多すぎる」

「それは赤井ゆののこと? それとも…………」

「君も察しがいいんだな」


 彼は彼本来の姿に変化し、杖を突きながら私の方に寄って来る。


「その話はまた今度……な?」

「杖はどうして突いているの?」

「そりゃあ、足が文字通り『無い』からだな」


 彼は両足のズボンの下を目掛けてどこからか取り出した剣で斬りつけるとその斬った場所の隙間から金属特有の光沢が覗かせた。


「義足じゃあまともに歩くことができないからね。まぁ、偽装ではあるんだけどね?」


 偽装。それ即ち……。


「そ。本当は杖なしでも歩いたり走ったりできる。けど、杖があることで相手には弱く見える。戦闘に有利なんだよ」


 少女の姿に戻った彼は杖を放り投げ、悪戯がバレて誤魔化す子供のようにニコッと微笑む。


「その姿……気に入っているの?」

「…………質問ばかりだなぁ。君は」


 少し、面倒くさそうにしながらいつの間にか彼は後ろにあった椅子に腰かけていた。もしかして、生成しているのだろうか?


「気に入っているというか、現在の姿がコレなんだよ。どうだ? 面白い話だろ? 正義の味方を目指した者の末路がコレってのは」


 なんだろう。可愛らしく癒されるような容姿をしている癖してそんな顔をしている彼を見るととても保護欲などではなく目を背けたくなるような不思議な感覚は。まるで思わず見入ってしまうようなほど美しく華奢なその姿は目には見えないが歴戦の傷ついた戦士の身体のように感じてしまう。


「まぁ、なんだ…………せっかくだし何か飲もうぜ? せっかくの日なんだ」


 そう言って彼は『ジン・トニック』を渡してくる。そういえば、彼は精神年齢は置いておいてきっと肉体は未成年だ。大丈夫なのだろうか?


「………俺のことを気にしてんのか。律儀だねぇ。ここでは法は無いんだ。こことは少し異なる場所ではアヘンやコカインやモルヒネとかの薬物依存のヤツだって居る。名前はあえて伏せるがね。君のは本物だが私のはそれっぽく作ったノンアルコールだ。そういう気分になれるだけの偽物さ」


 それでいいのだろうか? そんなことを気にしつつ彼が差し出してきたグラスを彼と目を合わせながら、グラスを軽く目の高さまで上げる。


「この聖なる日に……乾杯」

「乾杯」


挿絵(By みてみん)


 飲みくだすと、その液体はさわやかな流れのままに喉を降りていき、口の中には余韻だけがかすかに残り、やがて消えた。


「さて…………私の望みはいつ成就するのだろうか?」


 そう呟く彼の前にはもう私は居ない。私が飲み干したグラスはまだ溶けきっていない氷だけが残されていた。

さて、本当はゆのと海斗が番外編としてわちゃわちゃやろうかと思ったのですが如何せんみんな真面目過ぎる! 信也がなんとか言い出せばなんとかなるとは思いますがそうなると本編でやろうとしている流れになってしまうということでなんかわからんけど彼らを観測している者たちの物語になりました。


ここでも出てきたゆのの音痴ですが海斗が真似しているだけです。海斗自身は歌はもちろん芸術等の実技は人並み以上です。ちなみに作者のスバルちゃんは家族からゆのと同じ評価を受けています。歌うと必ずダメ出しされるんだよな~。余談ですが、ゆのと海斗の弱点は私の弱点が由来です。ただ、ゆのの雷と箸の弱点は付け足しですね。だってその方が可愛いじゃん? もちろん、本編までですよ。この海斗の義手・足状態は流石に違います。


さて、クリスマスということでいつも読んでくださるみなさんに少しでも良い思いをと思いまして挿絵を今回特別につけてみました。私の手描きです。アマチュアの域ですので絵の上手い絵師のみなさんからしたら鼻で笑われそうな気もしますが皆さんの喜びに繋がったら幸いです。あえて左右反転や拡大してミスを探さないでね?


それでは………虚弱体質吸血鬼を自称する私が言うのはアレですがみなさんの良いクリスマスを願って………メリークリスマス!

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