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グッドコミュニケーションズ

「というわけで、悪い魔法庭球部どもは二度と活動できなくなったのさ」

「何がというわけでだ。魔法薬を垂らした時点でも逮捕できただろう」

「それじゃあ、魔法薬の所持までで、どうせ効果は知らなかったとかそれ以上のことをするつもりはなかったとか面倒くさいことをいいだしただろう」

「うむ。そういった逮捕者もいるのも確かだが」

「そんなことより、これが俺を惑わせるのさ」


 俺は手のひらに丁度収まるカザリナの胸を刺激した。シャーリーの胸は手のひらからこぼれ出るボリューム感が素晴らしいが、全てを手のひらで包めるカザリナの胸もまた最高だ。


「ん-っ!こら、話している最中だろうが。それにするならちゃんといえ。ばれたらどうする」

「清掃中の看板も出しているし、大丈夫だろ」


 そう、ここは貴族寮の女性大浴場だ。新入部員の女子生徒を狙う卑劣な犯行を止めたご褒美にと、カザリナに頼み込んで一緒に入ってもらっている。


 今は、カザリナの身体をボディソープで洗っているところだ。細いがカザリナのスタイルはいい。この少し小ぶりな尻も魅力的だ。


「私は風紀委員なんだぞ。こんなことがばれたら大変だ」

「だからばれないようにするんだ」

「まったく。それにしても、ディーベルドは不思議だ。なんであんな事件が起こるって分かったんだ」

「元々知っていたんだ」


 エロゲの回想シーンとかで何回か見たことあったからね。現実ではモブ娘たちが可哀そうだからやらせないけど。


「ふーん。侯爵家の情報網という奴か」


 勘違いをして納得するカザリナ。まあ、納得したのならいいか。それにシャーリーに頼めばなんか情報を収集してくれそうな気もする。


「さて、いつまでもこうしているわけにはいかない。俺も洗ってくれ」

「もう、ディーベルドは変態で困る」


 カザリナは手ではなく身体を使って俺にボディソープをこすりつけていく。

 身体を使えないところは白魚のような細い手が綺麗にしていってくれる。

 俺はもどかしさを紛らわすためにカザリナの濡れ羽色の髪を梳く。滑らかなさわり心地だ。


「ふふふ。私の髪は密やかな自慢なんだ」

「ああ、最高だよ。カザリナ」


 もう我慢ならん!俺はカザリナに襲い掛かった。


「まったくもう。洗い場の清掃と、もう一度身体を洗い直すのとで二度手間だったじゃないか」

「いいだろ。カザリナの身体は何度洗っても最高だ」

「そういう問題じゃないぞ」


 俺たちは湯船につかって話している。いまカザリナは俺の足の間で体育座りをしている。髪を束ねたカザリナのうなじが可愛らしくて唇を落とした。


「湯を汚すようなことは絶対ダメだからな」

「分かっているよ」


 そういいながら、カザリナの胸を触る。ソフトタッチだ。


「こらっ、ダメだって」

「これ以上はしないから。そういえば、媚薬をなしでするのは初めてだったけれど、どうだった」

「……よかった。満たされるというか、あれだけ可愛がってもらえると充足感があるな。してよかったと思える」

「それはよかった」


 穏やかな時間が流れる。俺はカザリナ滑らかなお腹やすっぽりと収まる胸を穏やかに触れる。


「ディーベルドは不思議だな。入学前の噂からどんな奴が入学してくるのか、気をつけておこうと思っていた。なのに、実際に出会ってみると付き合いやすいというか、私は好きだ。噂のディーベルドとは絶対に受け入れられないと思っていたのに」

「入学式の日に心を入れ替えたのさ」


 本当に。元々のディーベルドのままだったらカザリナとこういった関係になることは絶対になかっただろう。そう考えると、不思議ではある。


「また適当なことを……」

「本当のことさ」

「本当のことなら、それは良かった。私の生涯の人に出会えたんだからな」


 身体を横向きに変えて、俺の唇を奪うカザリナ。カザリナからこんなことをしてくれるなんて。


 俺は欲望がムクムクと立ち上がるのを感じた。


「あっこら。ダメだってば」

「分かっている。分かっている」


 今日はもう、これまでだ。これから何度だって身体を重ねるのだから、この可愛らしいヒロインを大切にしなければならない。


「さあ、これ以上湯につかっているとのぼせそうだ。出ようか」

「ああ」


 お互いの身体を拭き合いっこして、指導を受けながらドライヤーでカザリナの髪を乾かしてやった。中々充実した時間だった。


 ◇


 今日の1時限目は魔法学だ。基本的に剣術→魔法学→探索術の順番で一日2コマ専門の授業がある。つまり今日は魔法学、探索術の授業があり、明日は探索術、剣術の授業があるのだ。あとは普通の高校のような基本的な授業がある。マンドラゴラとかが材料にされる化学とかが普通といえるかは不明だが。それはともかく。


 俺が座っていると、癒しのステラがとててと駆け寄ってくる。めずらしい。顔が赤くなっている。高揚しているようだ。いいことがあったんだな。ほっこりした気持ちになった俺にステラが隣に座っていった。


「ディーベルトのお陰で母の石化病に改善が見られた。これで週末には完治すると思う。本当にありがとう。あとはディーベルドとの約束通り治療法のまとめは今週末にやっておく」


 俺は心底驚いた。ゲーム世界では禁書庫の『石化術の使用と効果』の本を手に入れてから、2~3週間で材料が分かり、回収してから病気の改善が見られるはずだ。


 つまり、石化術+X=治療薬なら2~3週間の研究が必要となるが、石化術+マンドラゴラと精霊の涙、カラザリスセンチピードの牙+X=治療薬という公式を与えられると正味2日で治療薬を完成させてしまったのだ。


 流石は公式から天才少女という説明書きをされているステラ、格が本当に違う。俺は自身とは異なる強さに慄いた。戦闘ならステラは敵にならないだろう。だが戦争ならステラには勝てないかもしれない。


「流石です。ステラさん」


 俺は思わずさん付けをする。ステラは顔を膨らませて、俺の裾を掴んだ。どうした?


「なんか、ディーベルドにさん付けされると胸の奥がもしゃもしゃする。ちゃんとステラって呼んで」

「ステラ」

「ん……」


 順調にステラの好感度も上昇しているようだ。近々俺のヒロインになってもらうとしよう。教師のホーマ先生が入ってきた。真面目に授業を受けよう。戦闘しかできず筆記が落第だったら悪役として恥ずかしいから。


 相変わらず何故かホーマ先生はびくびくとしながら授業を進めている。何故だ。もしかして、俺がノケン先生にやらかしたことで、俺が「先生。この破壊術はこれでいいですよね」とかいって教室で発動させると思っているのだろうか。


 ノケン先生は戦いの場に居ながら、すでに勝ったつもりで舞台に立っていた。相手が悪役の俺であるのにも関わらず。だから格の違いを見せつけてやっただけのことだ。別にご老人のホーマ先生に思うところはないし、むしろ新しい知識を与えてくれることがありがたいくらいだ。


 俺が原因であんな態度になってしまっているのだったら、申し訳ない。今日の授業が終わったら、「今日もためになる授業をありがとうございました」とか感謝の言葉を伝えにいってみようか。それで改善すればいいが。


 授業が終わり、ホーマ先生に近づく。ホーマ先生は俺が近づくたびに震えが大きくなっている。今やすさまじい震えとなっているホーマ先生にいう。


「ホーマ先生。魔法について分からないことばかりなので教えてくださってありがとうございます。これからもご教授をお願いします」


 頭を下げた。これで誠意が伝わるといいが。

 ホーマ先生の震えは止まった。呆然としていたが、はっとする。


「うむ。魔法学は面白い。これからも授業を受けてくれ」


 うん。グッドコミュニケーションだったらしい。俺は気分よく授業を終えた。

 さあ、次は初めての探索術の授業だ。

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