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ウィリアムのソウヤが来た日

タイトルの合わせてサブタイトルを『誰々の何時何時』という風にしました。

私は警察官として働いている。


アリナちゃんとはある一件で知り合いになって気にかけていたのだが、そんな中アリナちゃんから知らない人が家にいると連絡を受けて、急いでかけつけた。


アリナちゃんの家につくと玄関ポストにアリナちゃんがいて知らない人の場所を聞いて一人で入っていく。


私は警棒を構えながらゆっくりと家の中を進んで曲がり角では角から離れて死角を減らしながら聞いた場所のドアを開けた


するとと男が倒れている。


私は魔法具で状態を確認すると呼吸も脈拍も異常はなかったが、仰向けになっているので後頭部を確認すると、瘤がある。


頭を打って気絶したのか。


これは後で頭に異常が無いか確認が必要だが、そのためにも護送しなければいけない。


念のため手錠をかけてから頑張って運び出して、呼んでおいた応援が持ってきた車椅子に乗せる。


「あのっ」


アリナちゃんに呼び止められた。


「どうした?」


「もしこの人の住む場所が無いなら私の家の部屋を提供します」


「分かった」


変なことを言うものだな。


一人暮らしが寂しくなったのか、それともこの男がイケメンだからなのか。


それを考えるよりも護送しなければいけない。


金持ちなら車を買えるのだが私のような下っ端の警官が使える代物じゃないので車椅子で運ぶしかないのだ。


すぐに容疑者を護送して警察署の檻に入れる。


容疑者が起きるまでの間にアリナちゃんに本当に住まわせてもいいのか確認を取るが、良いようだ。


少しして容疑者が起きたので取り調べを始めたのだが、住む場所が無いどころか記憶喪失であった。


そのことを確認できたところで部下にアリナちゃんを呼ぶように指示を出す。


アリナちゃんが到着したという報告を聞いて、ソウヤという男を牢屋から出して入口まで連れてきた。


アリナちゃんとソウヤが挨拶を交わしたところでアリナちゃんが近づいてくる。


「あの、ちょっといいですか?」


そう言われてソウヤから距離を取る。


「どうした?」


「どんな感じの人ですか?」


諸情報を求めてきたので説明することにする。


「名前はソウヤ。住所を聞いたところ存在しない地名を言ってきたので記憶に異常が見られるとして記憶喪失にした。処遇は重要観察処分にしといた」


「分かりました」


やはり気が変わらないのか。


「止めておいた方がいいと思うぞ。記憶がいつ戻るか分からない以上近くに置いておくのは危険だ」


「大丈夫です。たぶん間違ってあそこに来ちゃっただけでしょうし」


どういう間違いだ。


「それならこれを渡しておこう。すぐに通報できる魔法具だ」


小型の魔法具なので悟られることもなく通報できるはずだ。


その魔法具を渡しておく。


「それと明日ぐらいに家を工事して結界を作りたいと思うがいいかい?」


「ええ、それで安心してもらえるなら」


そこからはソウヤを私が午前中に連れ出して、その間に工事をする手筈となった。


「そろそろソウヤ君のところに戻りますね」


「ああ」


アリナちゃんが戻り始めたので私も一緒に戻り、ソウヤに部屋を貸すことについて説明する。


今度はソウヤが近づいてきた。


「すいません。あの少女はどういった方ですか?」


と聞いていたが私としてはソウヤがアリナちゃんの家に住むのは反対なので教える気はない。


「自分で聞いてくれ」


ソウヤはがっかりしているようだが、気にしない。


「もう警察署の大半は閉めるんだ。常駐用の場所しか開かないからとっと帰ってくれ」


今日中に何かが起きることは無いと思うが一応警戒はしておいた方がいいか。


夜勤の人たちに注意するように言っておいて私は帰る準備をする。


妻と子が待っているので余り遅くなるわけにはいかないのだ。


ささっと帰り明日に備えて早めに寝る。

――――――

家で朝ご飯を食べてからアリナちゃんの家に出向きインターホンを鳴らす。


するとソウヤがドアロックを付けてドアを開けてきた。


意外と用心深いんだな、どうでもいいけど。


私はこれからすることを説明してソウヤを連れ出すことに成功した。


「仮戸籍はお前の記憶が戻って身元が分かり次第廃棄する。だから記憶が戻ったら警察署に来い。それ以外に通常の戸籍と違うところはない」


「そうなんですか」


署で説明するより道中で説明した方がてっとり早い。


どうせ申請が終わり次第図書館に連れていくのだから効率良くやっていくことにする。


「仮戸籍の申請は我々警察が行うが申請をするためにはもう一度、記憶に異常が見られるかを確認しなければいけない」


「大変ですね」


他人事みたいに言っているがお前のせいでな。


「本当に大変だよ。警察の仕事はどんどん増えていくからな」


どんどん上が怠けていって我々の仕事が増える。


愚痴を漏らしつつ問題なく説明も終えて署に着き、部屋にまで通したところで部下に結界の工事をするように指示を出した。


結界は内側から鍵をかければアリナちゃん以外の人が触れると侵入者を弾き内側で警報が鳴る。


外側からかければ警報は鳴らないが結界としてはちゃんと働く仕組みだ。


アリナちゃんの部屋だけではなく風呂やトイレにも設置する。


部下のアリナちゃんの家に着いたという報告を聞いたところで、ソウヤが出てきた。


「待っていてくれたんですか?」


ちょっと驚きながら聞いてくるが、好きで待っていたわけではない。


「ああ、お前は重要監視処分だからしばらくは、誰かが見張っていなきゃいけないんだよ。これからアリナが帰るまでは図書館にいてもらう」


嘘だが迎えに行かなければ閉館時間まで図書館にいるだろうし、時間は十分にある。


「分かりました」


ソウヤを案内している間にもし閉館時間まで誰も呼びに来なければ自分で帰るように言っておく。


ソウヤを図書館の前に連れてきた時には説明することもなく静かに歩いていた。


「色々とありがとうございました」


「仕事だからな。家主とは仲良くしろよ」


もしまだ自己紹介をしていないならと思っての家主呼び。


「はい」


返事を聞いたところですぐに立ち去って私はアリナちゃんの所に行かなくてはいけない。


図書館からアリナちゃんの家は歩いて五分ぐらいとかなり近い場所にあるので、すぐにアリナちゃん家に着くが玄関の近くには手押し車が数台置いてある。


すでに工事の道具も運んで作業を始めているようだ。


私はインターフォンを鳴らしてアリナちゃんに入れてもらい工事の進捗ぐあいを確認する。


すでに各部屋に結界はつけ終わっているようで、後は魔力タンクをどこに置くかという調整を行っているようだ。


私は確認を終えてアリナちゃんの近くに行く。


「何でソウヤを住まわせることにしたんだ?」


「それは…ソウヤの顔を見た時に悲しそうな苦しそうな寂しそうな顔をしていると思って力になりたいって思ったんです」


私は全然そんなことは思わなかったが、アリナちゃんは魔力の雰囲気を含めてそう思ったのか?


私には出来ないがアリナちゃんは魔力から気持ちを推察できるようだし。


「それにソウヤは突然現れた感じだったのでわざとじゃないと思うんですよね」


「何で突然現れたと思うんだ?」


「ソウヤを見つける前にものすごい音が響いてそれで気づいたんです。人が転んだ音とは思えないです」


確かに床を調べても特に滑りそうな状況とは思えなかったことから、大きな音を立てながら後頭部強打は違和感がある。


しかしそんな魔法はあったか?どうやってそこに出現したのかという疑問が出てくる。


突然人が現れたという状況は時々発生することがあったがその一つなのかもしれない。


だけど突然人が現れる原因は分かっていないから断定もできないな。


「ありがとう。それでは私は署に戻るよ」


ソウヤについての報告書を書かなければいけない。

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