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わかさ
嵐が過ぎた海の藻屑になって
哀しみにしらばっくれるような
こころない夕立の銃弾に佇むきみ
それがわかさなら
仕方ないから手を叩くよ
自己中心的な地球と
それを取り巻く大気のながれに
抗いたくて抗いたくて どうしようもないんだ
血の流れる音に
耳をふさぐことは正義かもしれないが
それがきみのわかさなら
夕立に吠える
その姿
こそが美しい
哀しみは潰えず
いまだ桜の樹には血が殘る
きみのそばを疾る一瞬の風に
まだ鉄のにおいもある
鋭い感情を信じられないほど実直にうたえ。
この世界にふさわしい
惨憺たる激情の連鎖までも
きみのわかさには届かない