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とんとん
都会のきみが
恋しくなるときもあるかな
人間は
形而上学的な生物
哀しみの本質も
よろこびの根っこも
ネオンの混ざった夜の空気も
信号待ちの群衆も
みんな同じようにあって
同じように見てる
拍子抜けするくらいに透き通っていた夜が
いつのまにか手をすり抜ける
きみが手招きする
濡れた手を振り回しながら
この都を駆け抜ける
てめーの哀しみはてめーで片付けろって
何度目のくちづけだよ
雑踏という名の音楽
間奏はない
とめどなく過ぎていって
歴史の奔流のたった一瞬だけの恋が
とんとんと肩を叩くなら
もっと鳴らしなよ
街のど真ん中でやかましく
靴音を高く
愛しさなんて忘れちまうくらいにさ