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詩集「ニコラ」  作者: 維酉
重い
3/20

蜘蛛になって

さりげない哀しみが

蔓延しているようでつらいよ

生きることでいっぱいいっぱいかい

あたしだってそう


この街で 蜘蛛になって

裏の裏の裏を這う

土の暗さを知らないで生きる

罪を知らない

穢れのない蜘蛛になる


張り巡らせた網の

その一糸がひとの心を捕らえる

きみの感情の軌道を

逃すまいと必死に捕らえる

離されないよう

きみに手を伸ばす


まるで矮小になって

脳みそがあるのかどうかもわからない

たとえば蜘蛛になって

生きるままに生きられたらいい

それじゃ ふたり出会えないけど

苦しみの方が重たいなら

蜘蛛になって

この

じめじめ

とした梅雨を

抜けていって這う


この季節は嫌い

また乾きに飢えている

細胞の一個一個が疼いて仕方ない

糸が湿ってしまう

きみはこの糸を抜け出して

やがてどこかへ消え去ってしまう……


穢れを、知りたい

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