第52話 盗賊退治のはずが
「ラピリカさん、出たみたいです。一旦、馬車を止めてもらっていいですか?」
ラピリカさんから御者さんに命令してもらい、馬車を止めてもらった。
「じゃあ、行ってきます」
「ちょ、ちょっとキズナ様? 出たって…盗賊!?」
「おい、小僧! 待たんか!」
今日は時間が無いと聞いている。うまく行っても鉱山の町マインには夕暮れ時に到着予定だ。ここで時間を食うわけには行かない。
馬車は盗賊の出現地点から一キロほど手前で止まってもらっている。切り立った崖がブラインドコーナーのように左カーブになっていて、その先に物凄くわざとらしい倒木が道を塞いでおり、その前の左右に五人ずつ、倒木の後ろの左右に五人ずつ、カーブ地点に見張りが一人、合計二一名がいると教えてもらっている。
「どうするのー?」
「そんなの決まってるわ! 倒すのよね? キズナ様!」
「また僕の出番だね!」
「それなら私もやるー!」
「殺しちゃってもいいんでしょ?」
「いいと思う。どうせ連れて還ったらみんなに殺されちゃうから」
「アンダーバットの時みたいに?」
「そうそう、あの時は酷かったね。みんなでタコ殴りだったもん」
「みんな『私のキズナ様に何してんのよ!』って言って大変だったもんね」
「僕は連れて行ったのに何も手出しできなかった」
「私もー」
「今度は私も参加するからカゲールはうまくやってよ」
「うまくって言っても、みんな待ち構えてるんだよ?」
「そこはあれよ、みんなの所から少し離れた場所に出せばいいんじゃない?」
「そっか! そうするよ!」
「今のは私の案だからね! 私の分も取っといてよ!」
「私もー」
なんだろ、この子達。前からこんな物騒な会話をしてたっけ? もしかして、こっちに喚び出した影響が出てるとか?
一旦集まってもらったんだけど、僕が口を挟む間もなく三人のちびっ子妖精達が作戦を話し合っている。
作戦と言うより、戦後の相談みたいだけど。
前回、カゲールくんが連れて還ったアンダーバット達が全滅した事だけは分かったよ。過剰戦力でね。
因みにカゲールくんの影の中には僕でも入れる。カゲールくんのスキル【影操作】でカゲールくんの入れたいものは大体何でも入る。出るのもカゲールくんの操作による。
生きてるものでも入るけど、意識があると影の中で暴れたりしてカゲールくんに危険が及ぶから、敵意がある者だったら最低でも意識を刈り取った上で影に入れるようにしている。
「みんな、あんまり殺すとか言っちゃダメだからね」
「「「はーい」」」
分かってんのかなぁ……
「キズナ様、もう殺っちゃっていい?」
「私、もう逝くからー!」
「あっ! ズルイぞー! 僕が最後にシメるんだからね!」
……なんか違う気がする。君たち、こんな子達じゃなかったよね? キラリちゃん、自分が逝っちゃダメだからね。
三人は我先にと飛び出して行った。
ま、あの子達は姿を見せてないんだし、怪我する事は無いか。
急いで後を追うと、もう戦闘が始まっていた。戦闘と言うより、一方的な捕縛劇だったけどね。
カーブのとこで「目が、目がー!」って言ってのた打ち回ってるおっさんを見かけた。これは光の妖精キラリちゃんに目の前で強烈な光を浴びせられたんだろうな。
当身を当ててグッタリさせてから連れて行くと、すでに二〇人の盗賊の姿は無かった。
「「「キズナ様ー」」」
三人のちびっこ妖精が寄って来て僕の周りを飛び回る。褒めて褒めてって感じだ。
さっきいた盗賊みたいに目が目がー! ってやってる間に、ピッピの風魔法でどうにかしたんだろうね。そしてカゲールくんが影収納したと。超優秀だよね、君達って。
「もう終わったの?」
「うん! もうカゲールの影の中だよ!」
「キズナ様、そのおっさんも貸して」
「もう近くにはいないみたいー」
「いないみたいって……」
今の一瞬で全部終わらせちゃったんだ……しかも後始末まで……
後始末はカゲールくんの影に仕舞ってもらうだけだから早いかもしれないけど、大人しくさせないと閉じ込められなかったんじゃなかったっけ。
影の中で暴れられたらすぐに解放されちゃうはずだけど。
そうするとカゲールくんにダメージが入るからちゃんと意識を刈り取った上でやってくれたのかな?
周囲を見渡して納得した。
盗賊達が隠れていただろう樹の影辺りに血溜まりが幾つもできている。盗賊達がそんなに強くないといっても、この子達はそこまで強くなかったはず。せいぜい足止めや嫌がらせ程度の実力だったはずだけど。
「みんな強くなった?」
「うん! 強くなったー!」
「鍛えてもらったんだよ!」
「もう鍛えてほしくないけど……」
キラリちゃんとピッピとは対照的にカゲールくんのテンションが一気に下がった。
「へぇ、鍛えてもらって強くなったんだ。凄いねぇ。誰に鍛えてもらったの?」
「それはねー……」
「マリ……」
「ダメだよ! 言ったらまた!」
「あっ! そうだった! 私も特訓はもうイヤかな」
「うん、強くなったのは嬉しいんだけど、あれはねぇ……」
「僕は絶対イヤだからね! 絶対言っちゃダメだよ!」
わかっちゃったよ……母さんだね…この子達に何したんだよ。
「「「あっ!!」」」
「え? どうしたの?」
いきなり、何かに気付いたように森の奥に振り向いた妖精達。
僕も釣られて森の奥に目をやった時、ドゴーンと大きな音が鳴り響いた。
「キャー! キズナ様ー!」
「ムリムリムリー! こんなの私達じゃムリー!」
「僕も隠れられないかも!」
三人が僕にしがみついてくる。
僕は目には自信があるんだ。同じように耳と鼻にも自身がある。だけど、何が起きてるのか、この子達が何に怯えているのかが分からない。
でも、対象が咆哮をあげた事で分かった。
GYAOOOooooooOON!!
地龍だ。
少し遠くの森の中の樹々が吹っ飛んでいる。大きさは、樹の高さと同じぐらいだから十メートルも無いぐらいか。
樹々を吹っ飛ばして現れたという事は、地中にいたのか。発見例はあっても、中々見つからないわけだ。
目は……赤いな。あれだけの地龍だと、ピッピ達は一度還ってもらった方がいいか。
「みんな、ここは還ろうか」
「キズナ様は大丈夫?」
「あんなのお姉ちゃん達でもムリだよー」
「僕は還る! 絶対還る! すぐ還る!」
攻めに徹するんなら何とかなると思うんだ。でも、フォーローは欲しいかな。
怖がる三人はゲートを出して還らせ、新たに友達を喚んだ。
【クロスオーバー】ムルムル!
ゲートが開きグリフォンに乗った悪魔の騎士が現れた。騎乗での登場という事もあり、ゲートの高さは三メートルを優に超えていた。消費した経験値がちょっと心配だ。
地に対して空。龍に対して悪魔。という感じで選定してみた。
ムルムルさんは先生では無かったけど、十歳ぐらいの頃によく対戦相手として選ばれてた人だ。
当時は一度も勝てた事が無いんだけどね。
「ムルムルさん! 倒していい奴が……いえ、倒さないといけない地龍がいます! フォローをお願いします!」
「え? キズナ様? 今、なんと?」
「行くよ! 時間が惜しいんだ!」
「え? え? 暫しお待ちを!」
僕はムルムルさんの言葉を無視して地龍に向かって全速力で走り出した。
あの地龍を放って置くわけにはいかない。遅くなれば周りへの被害が大きくなる。ムルムルさんに説明する時間も惜しいし、ムルムルさんならうまくフォローしてくれるだろ。
「むっ! あれは……これはいかん、キズナ様! むぅ…もう聞いておられぬか。ならばあまり気乗りはせぬが……はぁぁぁっ!」
「いっ!?」
後方からの強烈な殺気を感じ取り、驚きのあまり立ち止まって振り返った。僕は殺気には敏感なんだよ。
でもなんで?
「ムルムルさん……?」
「キズナ様! ドライアとエンダーを喚んでくだされ!」
「えっと…あの二人を喚ぶの? 今のは僕を呼び止めるための殺気?」
「然り」
「すぐに喚べばいいんだね?」
「然り」
時間が無いのもあるけど、あの二人って結構経験値を食われるんだよな。でも、断れそうにもないし、何か考えがあるんだろうね。
「キズナ様! 時が無き故お急ぎを!」
いや、時間が惜しいのは僕も一緒だよ。
仕方が無い。何か考えがあるようだし、勿体無いけど従っておこう。
「うん、じゃあ後のフォローは頼んだよ」
「御意」
【クロスオーバー】ドライア! エンダー!
ゲートが開き、中から先日のスタンピードで協力してもらった三人の内の二人が姿を現した。
樹の精霊で、緑髪美人のドライアさんと大柄男性のエンダーさんだ。
「じゃあ、フォローをお願いします! 時間が惜しいので僕は先行します!」
「御意」
後の事は任せて、僕は地龍に向かって走り出した。
ムルムルさんはドライアさんとエンダーさんに二言三言言葉を交わすと、三方向に散って行った。
あれ? 僕のフォローをしてくれるんだよね? そのために喚んだんだよ?
別方向からの遊撃を考えてるのかな? それなら森で本領を発揮するドライアさんとエンダーさんを喚んだ意味も合ってるか。
今は友達を信じて地龍に集中しよう!
ムルムルさんがフォローしてくれると信じて、果敢に地龍にアタックを開始した。
まずは、足元に注意を向けるために、ちょっと派手めに足元に二発の炎爆魔法を放った。
中級の下位魔法だけど、身体がデカイから一発じゃ片足にしか当たらないんだよ。
ドゴーン! と爆音をたてて地龍の両足に当たった火魔法が爆発した。
その頃には、僕はジャンプして地龍の頭上三〇メートルまで飛び上がっていた。
「やば、ちょっと飛びすぎちゃった」
ちょっと飛びすぎた。焦って力加減を少し間違った。
でも、地龍の注意がこちらに向きそうならムルムルさんが牽制してくれるだろう。
腕輪に仕込んでいた八角鉄棍『スラ五郎』を実体化させ手に持つ。
「てやぁぁぁぁ!!」
ゴ――――ン!!!!
運良く、地龍の注意は足元から離れなかったため、僕が降りて来た時にも、地龍はまだ下を向いていた。
その頭頂部に力任せに思いっきり『スラ五郎』を食らわしてやった。
頭頂部を陥没させた地龍は、そのままゆっくりと前向きに倒れて行った。
ズズーン!!
周囲の樹々をなぎ倒しながら倒れた地龍はそのままピクピクしていた。
「キズナ様!」
上空からムルムルさんがグリフォンに乗ったまま下りて来る。
「ムルムルさん、フォローありがとうございます!」
「いや…違…私は何も……」
「でも、これ、どうしましょ」
倒した地龍を親指でクイっと指して尋ねた。
「どうしたも何も、戦利品とすればよろしいのでは?」
「こんなの持っていけないよ。それに、今僕は護衛依頼の真っ最中なんだよ」
「そうでしたか。では、私が持って還りましょう」
「そうしてくれる? って、どうやって持って帰るの? そんな大きなゲートなんて出したくないんだけど」
こんなデッカイやつの通るゲートなんて開けたら、いくら経験値が減るかわかったもんじゃない!
「いや、この地龍を倒した事で、キズナ様のレベルがかなりのものに……いえ! 持って還れと言うのでしたらご心配なく。私の通る大きさで結構です」
「え? それでいいの? だったら持って還ってもらえる?」
「はい、畏まりました。ご用は以上ですか?」
「うーん、そうだね。あとは見張りだけだから、さっきの三人をもう一度喚ぶよ。ドライアさんとエンダーさんでもいいけど」
そう言って送還のためのゲートをムルムルさんの分だけ開けた。
「後の事はドライアとエンダーに任せておりますので、我は先に戻ります。何者かが接近しておりますが悪意を感じませんのでチビ三人を喚んでおけば大丈夫でしょう」
まだ何かが接近してるの? 悪意は無いって言うけど、こんなとこに来る人なんて……あ、ラピリカさんとメメジーさんかも。
ムルムルさんが地龍の尻尾を掴んでゲートを通ると、地龍もヒュポンって感じでゲートに吸い込まれて行った。
質量が全然合ってない。どうやっても通れないはずなのに。っていうかさ、なんで僕よりみんなの方が知ってるの? スキル【クロスオーバー】ってみんな使えないよね? 僕だけのスキルだよね?
色々と納得行かないが、さっき還した三人を喚ぶ事にした。
さっきは凄く怖がっていたから慰めてあげたかったのもあったんだ。
「「「キズナ様ー!!」」」
半べそをかいて飛びついてくる三人の妖精。
「ピッピ、キラリちゃん、カゲールくん、大丈夫だった? 怖かっただろ?」
「怖かったー! でも、キズナ様が倒したんだよね? ムルムルさんが言ってたよ?」
「うん、やっぱり大きかったよー! 動かないって分かってても怖かったー!」
「あんなのボク達じゃ無理だって! 次はもっとすぐに逃げるからね!」
僕が倒したのは間違いじゃないけど、ムルムルさんの協力があってこそなんだよ。姿は見なかったけど、何かフォローをしてくれてたはずなんだ。何かは分からないけど。
三人はムルムルさんが連れ還った地龍を見たんだね。少し言葉も交わしたみたいだ。
たしかに大きかったけど、『クロスオーバー』の世界にもいるし、みんなも見慣れてるんじゃないの? でも、棲み分けが違うから普段は見てないかもね。
あとカゲールくん、それって自慢して言う事じゃないからね。
「キズナ様」
三人を慰めてると、ドライアさんが戻って来た。
後ろにはエンダーさんもいるんだけど、二人が背負ってるのって人だよね? どっから連れて来たの?
「ドライアさん。その背負ってるのは誰?」
「ムルムルから指示されて保護しました」
「地龍に追われていたのか、ただ巻き込まれただけなのかは分かりませんが、森で倒れていました。応急処置はしましたので命は取り留めましたが、まだ意識は戻っていません」
そう言って二人から降ろされた人を見てみると、二人の女性だった。
一人は猫の獣人みたいで、年は十四~五歳ぐらいに見える金髪の女の子。もう一人は、エルフだね。耳が尖ってるよ。
緑の髪に男か女か判別できないぐらいのまっ平らな胸。うん、エルフで間違いない。たぶん女性だと思う。膝丈のスカートを履いてるからね。
「キズナ様が治してあげればいいんだよ」
「そうよ! キズナ様なら治せるよ!」
「うん、治せる治せる」
三人のちびっ子妖精が僕に負傷している二人を治せと言う。
「あなた達、私が本気で癒してここまでしか治らなかったのよ? いくらキズナ様でもできない事もあるのよ」
「いや、そうとも言えぬな。先日のあの聖属性の魔力量と質を見ればできるのではなかろうか」
「エンダーまで何言って……いえ、でもできるかもしれないわね……」
自分でも出来なかった事をキズナなら出来ると言われて反論するドライアだったが、エンダーにも反対意見を出され自信が無くなって行くドライアだった。
「ドライアさんにできないものを僕にできるわけないだろ? でも、こんな時のために、回復薬は持ってるんだ」
そう言って、自慢気にポケットから回復薬を出した。
その途端に、皆から白い目を向けられた。
「えー。キズナ様の魔法が見たいー!」
「そうだよー! キズナ様の魔法で治してよー!」
「僕もそっちの方がいいと思う!」
という三人の妖精に対して、精霊の二人は少し違う意見だった。
「キズナ様……意識を失ってる者にどうやって飲ませるのですか?」
「左様ですな。キズナ様が口移しでもしてやるのですか?」がっはっはっは
「口移し!! それはいけません! もしすると言うなら、私にしてください!」
エンダーさんのガサツな言葉に対して意味不明な事を口走るドライアさん。
ドライアさんって怪我してないよね? なんで回復薬が必要なのさ。
「そんな事しなくても、こうやって……」
回復ポーションの小瓶を二つポケットから取り出して、寝ている二人の顔に振りかけた。
すると血の気の悪い蒼白だった顔色に赤みが帯びてきた。苦しそうに寄せていた眉間の皺も収まり、小刻みに荒らかった息遣いも穏やかになった。
これでもう大丈夫そうだ。
その様子を見た妖精達は「ちぇ~」っと文句を言いたげだったけど、ドライアさんは「ちっ」とか言ってたし。何か趣旨変わってない? この二人を治せばよかっただけだよね?
エンダーさんだけは「ほぉ、さすがですな」と褒めてくれてるけど、何か納得が行かないよ。
パキパキッ! パキン!
「「「「「「え?」」」」」」
寝ている二人の首に巻かれていた首輪が音を立てて割れてしまっていた。
「キズナ様、壊しちゃったの?」
「キズナ様が壊したー!」
「僕は見てない事にしておきます」
いやいや、僕のせい? 違うよね? カゲールくん、影に逃げ込まないで!
「キズナ様が人の物を壊したのですね」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 僕は回復薬を振り掛けただけで……」
「心配には及びませんぞ、キズナ様。これは『奴隷の首輪』という呪具ですな。キズナ様の回復薬には解呪の効果もあったのでは?」
「うん、解呪・解毒・回復絶大の今僕の持ってる最上級の回復薬だよ。腕ぐらいなら欠損してても生やす効果があると思う」
奴隷の首輪、奴隷の首輪……何だったっけ、習ったよな。
たしか……
「そうだ! 『奴隷の首輪』って、人の意思を無理やりコントロールする呪具だったよね?」
「そうですな。この者達は誰かに操られていたのでしょうな」
だったら、助けた事にならない? 僕って良い事したんじゃない?
「たしか、この世界だとかなり高価な呪具でございましたな」
「えっ!? ……いくらぐらいかな?」
「さぁて、この世界の貨幣には無頓着なものでして、価値までは分かりかねますな」
ズーン……人を助けて、まさかの大赤字?
「やっぱり弁償かな」
「そうなるでしょうな」
マジか! 今は結構な額のお金は持ってるけど、足りるかなぁ。
「あっ! 来た!」
そう言ったキラリちゃんが急上昇して行く。
「ホントだ! さっきの人たち!」
「うん、だったらボクは先に行ってる!」
ピッピは少し上の高さを飛び、カゲールくんは影から顔を出して報告してくれた。
誰が……?
「キズナ様ー!」
「小僧ー!」
ラピリカさんとメメジーさんか。
君達よく分かるよね? なんで人の気配が分かるの? 僕より全然優秀だよね。
「ドライアさん、エンダーさん。手伝ってくれてありがとう。後はこっちの人にも相談してみるから、今は還って。この人達は『クロスオーバー』に連れ還るわけには行かないでしょ?」
「そうですな。では、後はお任せして還る事にしましょう」
「口移しはまだですが、それは次回まで取っておきます」
そんな言葉を残し、二人の精霊は還って行った。帰り際に、僕から魔力を少々奪って行く事も忘れない。
妖精クラスなら、僕と一緒にいるだけで満足らしい(若干僕から漏れ出る魔力出満足するらしい)んだけど、精霊クラスになると大体MP100ぐらいの喚び出し料を勝手に取られて還って行く。精霊クラス以上になると、喚ぶ時に消費する経験値だけじゃなく、協力費として魔力も消費するんだ。
あとドライアさん? この二人には医療行為として必要だったかもってだけで、ドライアさんには必要ないからね? 誰にも口移しなんてしてないし! する予定も無いからね!




