第46話 吸血鬼達の今後
【結界殲滅陣】を完遂させ、ドライヤ、エンダー、シルフィーナの息がようやく整ったと見たキズナが、一番息が整っているエンダーに声を掛けた。
ドライヤはまだもうしばらく掛かりそうだったし、シルフィーナに至っては寝息を立てていた。
「エンダーさん、もう脅威は終わりましたでしょうか」
「ん? あ、ああ、そうであったな」
先の【結界殲滅陣】を見て、生き残ってる魔物がいるようなら、その生き残る術を教えて欲しいと思えるのだが? と、訝しげな視線を一瞬見せたものの、キズナ様は索敵はできないのであったと思い返し、森の索敵を始めるエンダーだった。
「むっ! キズナ様! 何か来ますぞ!」
その声で、ドライヤも気だるそうに身体を起こし、シルフィードも目を覚ました。
「たしかに何か来ますね。それも凄いスピードで」
「うん、私達より強そー」
ドライヤとシルフィードも即座に索敵を行ない、現状を知ったようである。
「何かって何なの?」
「さて、何でしょうか。三体の魔物が急接近しております」
「一体は私達より少し強いぐらいでしょうか。一体は放っておいても問題なさそうだけど、残りの一体が……」
「うん、強そー」
三体の魔物が急接近? それってさっきの【結界殲滅陣】を感じて外敵として認知されたんじゃない? それでもって、『縄張りを荒らすなー!』って感じで怒ってやって来てんじゃないの?
なのに何で三人ともそんなに余裕なの? 一人はあなた達より強いかもしれないんだよね?
「大丈夫なの…でしょうか?」
「どうでしょう」
「どうですかな? 恐らく大丈夫では無いかと思いますが」
「うん、大丈夫かな~?」
何を根拠に言ってるのか知らないけど、元とはいえ先生達だし口答えできない。でも、逆に元先生達だから質問はできる。
「そのやって来る魔物とは戦闘になりそうですか?」
「ならないのではないでしょうか」
「ふむ、ならぬであろうな」
「うん、キズナ様ーって叫んでるもんねー」
は? 僕の名前を叫んでるの? なんで? こんなとこに知り合いなんていないよ?
その答えはすぐに分かった。
見覚えのある三人が僕の前で跪き、口々に意義を申し立てた。
「キズナ様! 何処にいらしてたのですか! 余はもう必死で散々探し回りましたぞ!」
「そうだぜ! キズナ様のお蔭でせっかく強者へと進化したのによ。目を覚ませばキズナ様はいねぇ。これからはキズナ様の下僕として仕えようと思ってたのによ、何処にいたんだよ!」
「そのお蔭でノスフェラトゥ様が序列一位になっちゃいましたけどね」
「あれは彼奴らが悪いのだ! 知らぬ存ぜぬと惚けおって」
「ま、今の力を試せて我は楽しかったぜ」
「本当に知らなかったみたいでしたけどね」
目の前で騒ぎ立てているのは、先日僕が名付けた始祖達だ。
吸血鬼王になったノスフェラトゥ、真祖になったバン、吸血鬼皇子になったキュラの三人だった。
「僕を探してたの?」
「当然でありましょう! キズナ様は我らの主人となられたのです。お仕えするために探すのは従者として当然の行動」
「そうだぜ、もう逃がさねぇからな!」
「はい、絶対に離しません!」
「従者?」
そういえば、名付けると従者になるよって念押ししてたっけ。
「そんなのいらないんだけど」
「「「えっっっ!?」」」
僕の言葉にこの世の終わりを迎えたかの表情で驚く三人。
今のどこに驚く要素があったかなぁ。なんでそんなに驚いてるんだよ。
「友達は欲しいけど、従者なんて僕には必要ないよ。主人ってほど偉くも無いしさ」
「そんな事はございませぬ! 余に名を授けてくださったではありませぬか!」
「そうだぜ! 名付けるだけ名付けて、後は知らん顔かよ!」
「何が何でもお供します!」
なんでそんなに必死なのか分かんないけど、従者なんて本当にいらないんだけど。従者になるよって釘を刺したのは、死ぬかもしれないから覚悟してよって意味で、僕の役に立てよって意味じゃなかったのに。
「あらあら大変なご様子ですね、キズナ様」
「ふむ、キズナ様は名付けも成功させていたとみえる。これはまた土産話が増えたようだな」
「すご~いキズナ様~! もう、マリア様の跡継ぎはキズナ様でいいかも~」
隣で黙って見ていたドライヤさん達がフォローには回ってくれず、第三者的立ち位置で微笑ましそうに感想を言っていた。
見てたんなら助けてくれない? 僕の元先生でしょ? 三人とも。
「キズナ様、この方達は?」
「この人達は僕の先生だった人達だよ。八歳ぐらいまで色々と教えてもらってたんだ」
「おお! キズナ様の恩師方でしたか。これは失礼しました。余はキズナ様の一の忠臣ノスフェラトゥである」
「おいおい、一の忠臣はこのバンだ! キズナ様の恩師方、一の忠臣はこのバンだからな!」
「違うよ! ボクが一番最初に名前を付けてもらったんだから、ボクが一の忠臣だよ! 先生様達、ボクが一番の従者ですからね!」
「何言ってやがる! 我が一番だったのをお前が弱すぎて可哀想だったからキズナ様がお前で試しただけだろ!」
「それでもボクが一番だよ!」
「何を言うか。余が名付けの提案を一番にしたのだ。その実験台になった其方らが一番を名乗るでない!」
一番は自分だと言い争う三人。喧しい事この上ない。
それに、進化しても言葉遣いはそのままなんだね。従者って言うから、もっと敬う言葉使いをするのかと思ってたよ。僕としてはその方が気安く接する事が出来ていいんだけどね。
「はいはい、分かりました。貴方達がキズナ様を大事に思ってくださってるのは十分伝わりました。そんな一番が誰だとかに拘ってるとキズナ様に嫌われますよ?」
「むっ、それはマズイ。では、余は忠臣である事さえ分かって頂ければ結構である」
「そ、それは我も困るぜ。だったら我もノスフェラトゥ様に賛成だ」
「うん、ボクもそれでいいよ」
何とか治まりを見せる一方で、精霊の三人には何故か覇気が無いように感じる。
「先生達はどうしたんですか? 凄く疲れてるように見えるのですが」
(((お前のせいだよ!)))
三人の心の声が被る。
だが、初めに我を取り戻したエンダーが口火を切った。
「キズナ様、私達は少し疲れましたので一旦還ろうかと。だがその前に、さっきの魔物のスタンピードだが、この者達が原因のような気がするのだが」
「うん、私もそんな気がする~」
「そうですわね、少し聞いてみましょうか。あなた達はこの森で強大な力を使いませんでしたか?」
ドライヤの質問にはノスフェラトゥが答えた。
「強い力ですか…確かに使いましたな。それがどうかしたのかな?」
「おう! 奴らがあまりにも口が固てぇんでとっちめてやったんだ」
「奴ら、とは?」
「他の始祖達だよ。ノスフェラトゥ様の他に十二人いるんだけど、その十二人の始祖を三人でやっつけたんだ」
「では、この森で貴方達の力をフルに発揮して十二回も暴れたと言うのですね?」
「そういう事になりますかな」
「だが、MAXで暴れられたのは三位以上の奴らだけだったがな」
「ボクは必死だったけどね」
自慢気に話す三人の吸血鬼の話を聞いて、頭を抱えた精霊達。
「貴方達が存分に暴れたせいで、魔物がパニックになって逃げて来てこの町が大変な事になりそうだったのよ?」
「町~? 町って人間の町だろ? そんなの関係無ぇぜ」
「しかし、その町にはキズナ様もおったし、キズナ様のお仲間もおったのだぞ」
「「「え……?」」」
吸血鬼の知らない新事実を突きつけられ、唖然とする三人の吸血鬼。僕も同時にしって唖然とした。
この魔物の暴走の原因はお前達だったのかー! って。
「私が倒したけどね~」
「シルフィーナさん! そこは四人でって言いましょうよ。僕も頑張りましたし」
「キズナ様は頑張ってはいませんね。ですから三人で頑張ったでいいでしょう」
「そうだな、倒したのは四人でだが、頑張ったのは三人だな」
「うん、三人に訂正~」
「ええー!」
おかしいなぁ、僕も頑張ったはずなんだけど。結構、魔力調整って難しいって言うよ? 僕は簡単に出来てしまうけど。
だったら頑張ってない? んん? いやいやいやいや、三人を呼び出したりしたのは僕だからね! 僕も頑張ったでいいはずだよ!
そんな自己評価をしてると、いきなり三人の吸血鬼が土下座で深々と頭を下げた。
「「「申し訳ありませんでした!!」」」
「いえ、キズナ様も協力の上ですが、三人で頑張り事なきを得ましたので、もう宜しいですわよ」
「ふむ、物の良し悪しを分かっとるようにも見えるし、いいだろう。謝罪は受け取っておく」
「町が襲われてたらキズナ様は悲しんでただろうけどね~」
「「「ぐはっ!!」」」
最後のシルフィーナさんの言葉でダメージを受ける三人の吸血鬼。
でも、本当にそうだよ。町に被害が出ていたら悲しいところか怒りでどうにかなってたかもしれないよ。おお、想像しただけで怒りが込み上げて来た。
「キ、キズナ様? 私、そろそろ還ろうかと」
「そ、そうだな、そろそろ還るとするか」
「キズナ様、怖~い。殺気はダメ~」
しまった、ちょっと殺気が漏れてしまったみたいだ。
三人の吸血鬼も土下座状態でブルブル震えていた。
君達、始祖レースで序列一位になったって言ってたよね? 僕の殺気ぐらいでビビッてちゃダメなんじゃない?
「ゴメン、町が襲われたところを想像したら、そんな魔物達を許せなくなって、怒りが込み上げちゃった。もう解決したのにね」
「優しいいい子に育ちましたね」
「実力も上がってきたし、もう立派な候補として推薦していいかもしれんな」
「キズナ様、反省~」
三人の精霊には再度謝り、疲れたから還ってゆっくり休みたいと言われたので、ゲートを開いて還ってもらった。
また喚んで~と言うシルフィーナさんも含めて、疲れた顔をしていたが、三人とも笑顔で還って行った。
「キズナ様…今のは何ですかな? 恩師の方々は何処に行かれたのですかな?」
時間が開いたからか、怯えも薄くなり、恐る恐るだがノスフェラトゥさんが尋ねて来た。
あっとそっか、これってどこまで言っていいんだろ。先生達も何も気にせず還りますって言うから【クロスオーバー】でゲートを出したけど、言っちゃってもいいのかな?
【クロスオーバー】って秘密だよね……ん? 秘密だっけ? 誰にも秘密にしろとは言われてないや。そっかそっか、だったら言ってもいいんだよ。
冒険者ギルドであからさまにするのは冒険者として秘密を自分から暴露するなって怒られそうだけど、身内には言ってもいいんだよ。
「さっきのは僕の魔法で【クロスオーバー】って言うんだ。僕が元いた世界と繋げる魔法で、向こうから友達を喚び寄せる事ができるんだ」
「クロス…オーバー? 元いた世界?」
「呼び寄せるって事ぁ、キズナ様は召喚士なのかい?」
「キズナ様は何でもできるんですね」
ノスフェラトゥさんだけ思考に入ったけど、あとの二人は受け入れてくれたのかな? それとも何も考えてないだけ?
でも、バンさんって寡黙な人だと思ってたけど、意外とよくしゃべるんだな。言葉は悪いけど。
「召喚士ってわけじゃないかな。何でも平均的にできるように色々と習ったんだ。でも、バンさんってそんなに話す人だとは思わなかったよ」
「我は…これも面倒くせい言いにくいぜ。いつも通り俺に戻すがよ、ノスフェラトゥ様の前でもこんな調子で口が悪りぃもんだから、あんまりしゃべらねぇようにしてんだ。ノスフェラトゥ様は許してくれたけどよ、キズナ様も許してくれるとありがてぇんだが」
そんな事情があったんだ。僕は色んな話し方の友達がいるから気にしないし、話し方を理由に話せないのも可哀想だよね。それに僕が命令ってのもおかしいしね。
「僕は全然気にしないよ。でも、なんで三人とも僕を主人として敬うの? 今までと同じでいいんだけど」
「そういうわけには参らんな。あれだけの御技を見せられ名付けまでされて、主と仰がん方がどうかしておる。すまんが、余もこの口調で長年やって来たので、一応気をつけて話すようにはするが許してもらえると助かる」
「ええ、問題ないですよ」
「ボクも?」
「うん、問題ないよ」
パッと笑顔になり喜ぶキュラ君。すまねぇな、と頭をかくバンさん。感謝すると頭を下げるノスフェラトゥさんだった。
「それで、僕と一緒に行動するって言ってたけど、こっちはどうするの?」
「それは考えておる。バンよ、頼んだぞ」
「そりゃねぇって! それにノスフェラトゥ様がいねぇと格好つかねぇだろ!」
「ボクはもちろんお供として付いて行きます」
「待て待て、バンとキュラがおれば問題ないであろう。余がキズナ様のお供をするのだ」
「俺だっつーの!」
「ボクだよー!」
これは長引きそうだな。僕が決めちゃった方が早いかな。
「僕が決めていい?」
「御意に!」
「もちろんだぜ!」
「うん!」
もう自分で決まりだって自信満々の顔で返事をする三人。
「その前に、さっき少し聞こえたけど、ノスフェラトゥさんが始祖の序列一位になったんだって? おめでとう!」
「はっ、ありがたく」
「俺も手伝ったんだぜ! 三位の奴には勝ったしよ!」
「ボクは取り巻きには勝てるんですけど、やっぱり始祖様達には敵いませんでした。でも! 十位ぐらいまでの始祖様には善戦したんですよ!」
「いやいや、其方らが露払いしてくれたお蔭で余も楽をさせてもらった。助かったぞ」
ふ~ん…いい話みたいにしてるけど、実際は序列争いの戦いで、内輪の戦争みたいなもんなんだろ? 力上位がそのまま序列になるって、吸血鬼はもっとインテリジェンスなイメージがあったけど、やっぱり魔物だから脳筋なんだね。
僕には馴染めない世界かもしれないな。
「そうなると、今の吸血鬼界は誰が治める事になるの?」
「それは序列一位の余かの」
「だったら、ちゃんと治めないといけないね」
その言葉を聞いた瞬間のノスフェラトゥさんは、ガーン! と効果音が鳴ったと錯覚するほどの驚愕振りだった。
「それは何処で治めるのかな? 僕が行った城かな?」
未だショックで石化状態のノスフェラトゥさんに変わってバンさんが答えてくれた。
「いや、そうじゃねぇんだ。始祖は誰しも縄張りがあるから自分の城を持ってるんだ。ナンバーワンになると自分の城を跡取りに任せて自分は中央の王城に移るんだぜ」
「そうなると、バンさんがノスフェラトゥとこのナンバーツーなんだから城を護らないといけないね」
その言葉でバンさんも石化してしまった。
「残りはキュラ君だけど、君には一つお願い事があるんだ」
「はい! 何でも言って下さい!」
「ありがとう。君にはね、薬草採取を頼みたいんだ」
「薬草…採取ですか? それはどんな事をするんでしょう」
「薬草採取の方法は僕が教えるよ。それをキュラ君自身がやってくれてもいいし部下に教えてやらせてもいい。それで、採った薬草を森の入り口辺りまで持って来て溜めておいてほしいんだ」
「では、それをキズナ様が利用するんですね」
「ううん、それは冒険者ギルドっていう人間の組織に提供しようと思ってるんだ。でも、そうなるとキュラ君に報酬が行かないか。僕があげてもいいんだけど、それは何か違う気がするし……キュラ君、いっその事ノスフェラトゥさんとバンさんの三人で冒険者になっちゃう?」
うん、見た目も金色の目を除けばほぼ人間だし、自分から言わなければバレないんじゃないかな。三人とも深い森でも自由に行き来できるんだろうし、いい素材も採れそうだよね。
でも、報酬はお金になるんだけど、魔物にお金を使い道ってあるのかな。
「そういえば、ノスフェラトゥさんって出会った日に城の修理を呼んで来いって言ってましたね」
「ははは、そういう事もありましたな。いやいやお恥かしい」
「ノスフェラトゥさん達もお金を使う事ってあるの? 町に行ったりするの?」
「もちろんです。時折町に行ってワインを買ったり少々血を頂いたりしておりますぞ」
おいおい、血を頂くっていいのかよ。というか、町に行ってたんだ。
「町に入ってたんだ。だったら入門証は持ってるんだね」
「入門証? そんなものは持っておりませんな」
「え?」
「ん?」
「いやいや、おかしいでしょ! だったらどうやって町に入るのさ!」
「あの程度の塀など何の障害にもなりませんぞ。飛び越えてしまえばいいのです」
ダメじゃん! 入らないように塀を作ってるんだから飛び越えちゃダメじゃん!
「一応、魔物避けの呪文はしてあるようだが、アンダーバット程度には効いても余には何の効果も無い。バンパイアクラスでも上位には効かぬであろうな」
「おう、俺も飛び越えた事はあるが、何かあったかって程度だったぜ」
「ボクには無理でした。凄く近付きたくない何かが出ていて、無理して塀を越えようとしてもビリッとかバチッとかするんです」
一応は塀の上にも結界か何かがあるみたいだね。それでも強い魔物には効かないって意味があるのかな?
いや、あるのか? 強い魔物はあまり魔素の薄いところには来ないって言うからな。人の住む町って魔素の少ないところが多いからな。
「今後はちゃんと門から入門する事。という事で、お金も使い道があるようなので三人とも冒険者ギルドに登録してね。それが僕の従者になる条件」
別に従者なんていらないんだけど、もしもの時に僕の名前が出たらイヤじゃない。
塀を飛び越えたところを見つかって僕に会いに来た、なんて言われても困るしさ。
「分かりました。では今から参りましょう」
「そうだな、膳は急げって言うぜ」
「早く行きましょう! ボクは町に入った事がないから楽しみです!」
え? 今から? もう行くの? フットワーク軽すぎない?
この場所からだと門までそう遠くもないし、余裕で陽の高い内に町に入れるだろう。
!! そうだ! 門は閉鎖されたじゃん! 行っても開いてないんじゃない?
閉門の事を思い出した時、遠くから声が聞こえて来た。
ガサガサガサガサ
森側から何かが出て来た。
音のする方に全員がバッと注目する。今、三精霊と僕の【結界殲滅陣】で魔物は一掃されたはず。あの【結界殲滅陣】を凌いだとすれば、相当強力な魔物かもしれない。
そんな思いが頭を巡り、音のした方に集中し、油断無く身構えた。
あれ? あの頭は……
ハーゲィさんじゃん!
ハーゲィさんが森の中から出て来た。
あれ? ハーゲィさんって今日も薬草採取に出てたの? 避難警報は聞いてなかったの?
「むっ! なんだキズナじゃねーか。という事は助かったのか……いやはや参った、大変な目にあったぞ!」
「ハーゲィさん? 本物…ですよね? なんで森から出てきたんですか?」
一応、魔物が化けてるとか幻術の類いを疑ってみたが、あの頭はまさしくハーゲィさんだ。間違いない!




