04 村長。
04 村長。
村長の家の前に着いた。
「さて、家探ししましょう。」
「バレッタが村長の娘だってことは知ってるし、言葉の意味も知っているけれども、どうしてバレッタが言うと物騒に聞こえるんだろう。」
「うるさいわね。一応私の家なんだから、いいでしょう。」
「はいはい。」
村長の家に入る。
辺りを見渡す。
机の上には何もない。
見渡す限り変わったものは何もない。
「おかしいわね。いつもなら置手紙でも何でもあるんだけどね。」
「じゃあ、それを探そう。」
あちこち探したが、結局それらしきものは見つからず、二人はあっけなく途方に暮れるのであった。
「一体どこにあるんだろう。」
「そうね…。」
「みーくん、それらしきものは無い?」
「結局最後はみーくんなんだね…額縁を見てみなよ。ほら、あそこにかけてある。」
「バレッタ、額縁は見た?」
「見てないわ。」
額縁を取り外し、裏を上にして机に置く。
蓋を外そうと思ったとき、外から大きな音が聞こえてきた。
「あの音は何?だれか外に居るの?みーくん。」
「しっ!二人とも、テーブルクロスの中に額縁ごと隠れて!」
二人は額縁の中に隠れた。
しばらくすると、足音が聞こえてきた。
足音から、二人ほどと推測される。
「へっへっへ。金目のものはありゃせんかねぇ、兄貴。」
「こら、あんまり大きな声を出すんじゃない。捕まりたいのか。」
「捕まるくらいなら、自殺した方がましっすよ。」
「違いねぇ。」
「っていうか、そんなにモノないっすねぇ。」
「まあ、あいつらも時間くらいは与えただろうからさ。」
「人っ子一人いやしねえ。」
「次、行くぞ。マーキングしとけ。」
「へい。」
二人組は出て行った。
好樹とバレッタはみーくんに無事をきいて、テーブルの下から出た。
「バレッタ、大丈夫?」
「……。」
「バレッタ?」
「……やはり、村狩りの仕業ね。」
「村狩り?」
「ええ。村の住人を丸ごとさらっていくの。」
「……。」
「まさかとは思っていたけれど…。」
「それで、村の人々は…?」
「さあ。そんなのわからないわ。」
「そう。…って言うか、なんか焦げ臭いにおいしない?」
「…?言われてみれば、するわね。」
「ミント、バレッタにバリアを張るように言って。ほら、カメレオンの。」
「分かった。バレッタ、背景と同化するバリアを張って。」
「分かったわ。」
バレッタが額縁を抱いてバリアを張った時、部屋の中に煙が侵入してきた。
好樹はバレッタの手を引いて、家の出口に向かって走った。
とある事情により、少し休みます。